ひとのときを、想う。  JT

たばこワールド

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vol.135 映画評論家 おすぎ
おすぎ | Osugi keywords
1945年、神奈川県横浜市に生まれる。
横浜市立桜ヶ丘高校卒業。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業。
デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年に映画評論家としてニッポン放送「オールナイトニッポン」でデビュー。
兄・ピーコとともに「久米宏の土曜ワイドラジオTOKYO」におすぎとピーコで出演。
現在テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。
『映画評論家』という肩書きを、『後付け』で覚えたという方も多いのではないだろうか。切れ味のある独特の話しぶり。一度見たら忘れることができない強烈なキャラクター。おすぎさんのことを知らない人は、おそらくもうほとんどいないだろう。
でもこの方については、テレビで見ているだけではまだ分からないことがたくさんあると思う(実際、年齢をお聞きしただけでも結構びっくりした)。しかしもちろんこれまでのご来歴やお仕事の詳細もそうだが、それだけではない。普段はどんなことに心を動かされる人なのか、いつもどんなことを考えている人なのか・・・。
エリーさんとおすぎさん。プライベートでも親交のあるお2人。そんな2人のトークに耳を傾けると当然、おすぎさんの『普段』が聞こえてきます。マジメな話題はもちろん、相当プライベートなお話まで・・・。どうぞ、お楽しみ下さい。  <Yusuke Sawaki>

「カミングアウトしないのも自由なのよ。」
エリー:「いやあ・・・久しぶり、ですよね。」
おすぎ:「電話では話してたけど・・・、太ったね?」
エリー:「うそ!? そんなことないですよ。 毎回会う度言われるけど・・・」
おすぎ:「だから、会う度になってんのよ。ワイドスクリーンに。」
エリー:「いきなりそれ、いじめじゃないですか(笑)。」
おすぎ:「いや、ご挨拶よ、これは。私のご挨拶(笑)。・・・今、幸せかな?」
エリー:「幸せ太りってことですか? 全然ないですよ。」
おすぎ:「今、すごーくたくさん仕事やっているし。今いくつだっけ?30代?」
エリー:「31。」
おすぎ:「でしょ? その歳でそれなら幸せよ。私が31の頃なんていったらあんた・・・ラジオ1本と雑誌1本・・・かな?レギュラーが。しかも当時は横浜の実家から通っていたのよ。ピーコも私もそんなだった時代から君はこうして、売れっ子なんだから。」
エリー:「うーん、そうですかねえ。」
おすぎ:「私はその頃毎日、帝国ホテルの18階のラウンジでビール飲みながら、ずーっと1本の原稿を毎日書いていて・・・(※おすぎさんは金銭的に余裕のなかった当時から、自分が目指すべき『一流』の気持ちを忘れないため、一流のホテルにて仕事をされていたのだとか)。」
エリー:「うんうん。それで、お金がないからビール1杯しか飲まれへんのに、ウェイターさんがそっとおかわり注いでくれたっていう美談があったんですよね。」
おすぎ:「美談っていうか、その頃はそういう時代だったのね。」
エリー:「かっこいい、いい話ですよね。でも話を戻すと、私、最近『ちょっと痩せた』って言われているんですよ。なんかこう、頬がこけてきた、みたいな(笑)。」
おすぎ:「それは色っぽいことがあったとかで?」
エリー:「うーん・・・いや、ないですね。全然。」
おすぎ:「ないよねえ。」
エリー:「『ないよねえ』って(笑)、分かります?」
おすぎ:「もうそろそろさあ、ないとおかしくない? 私でさえ、もう6年越しに付き合っている人はいたりする訳。」
エリー:「まじですか!?」
おすぎ:「まじよ。その人は奥さんも子供もいるんだけど。」
エリー:「それはもう・・・あれなんですか? 先方も了承済みなんですか?」
おすぎ:「何が?」
エリー:「えっと・・・」
おすぎ:「私たち身体の関係はないから、ご飯食べる程度なのよ。」
エリー:「あ、そういうことですか。そうなんや・・・」
おすぎ:「キミは?」
エリー:「えっ、私ですか?(笑) 本当に最近よくそういうこと聞かれるんですよね。この前も男友達と飲んだ時に、『お前が最後に男と寝たのはいつなんだ?』みたいなことを言われて・・・」
おすぎ:「私ねえ、そんな話聞きたくないのよ(笑)。 でも、思い出せないでしょ?」
エリー:「(笑)。思い出せないですね。」
おすぎ:「そうするとさ、例えばドラマなんか書いたりする時、その手のエピソードを組み込んでいくと、なんかうまくいかないんじゃないの? まあ、でもキミの書いたものにはそういうのがあんまりないからね。」
エリー:「あるじゃないですか。めちゃめちゃ恋愛系ですよ。」
おすぎ:「そうかなあ・・・?」
エリー:「そうですよ。でも、近頃は普段から軽く疑似恋愛はするようにしていますけど・・・。でも、『○○君かっこいー!』とかはないですよ、全然。だから、ほとんど『野郎飲み』になっちゃうんですよね、誰とでも。」
おすぎ:「そうなのよね、男なのよね、どっちかっていうと。」
エリー:「そうそう、まさにそうですね。」
おすぎ:「ね。だから私とあんたは仲がいいのよ。私が女だから。どっちかっていうと。」
エリー:「あー、そうか。そうですね。」
おすぎ:「大体エリーってゲイに好かれるでしょ?」
エリー:「うーん・・・好かれる、好かれる。仲のいい友達に、いきなりゲイであることをカミングアウトされたりもしましたねえ。」
おすぎ:「でも、その人はなんでカミングアウトしたいと思ったのかしら? カミングアウトするのも自由だけど、カミングアウトしないのも自由なのよ。カミングアウトして得なことってそんなにないし。あと、ゲイで面白いのはさ、オネエ言葉を喋ってずっとこう喋ってるじゃん? でも、そうやって女友達みたいに喋っているのが、いざその、本番になると・・・とたんに男役になったり。『だったら悪いけどオネエ言葉やめてもらえる?』とか思わない? そういうのって。」
エリー:「うん、うん。そうですね。」
おすぎ:「ね? 『じゃあ、私が抱いたときはどっち?』とか思うんだけど・・・これ、深夜(番組)?」
エリー:「話の内容が深夜・・・だね(笑)。飲んでもないのに(笑)。」
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「私なんて・・・、純情二重奏よ。」
おすぎ:「私、思うんだけど・・・。あなた私のちょうど半分じゃん?歳。」
エリー:「・・・えっ!?そうなんですか?60いくつ?」
おすぎ:「62よ。」
エリー:「ほえーっ!?やばーい。おかしいでしょ!?」
おすぎ:「何がおかしいの?」
エリー:「だって肌とかプリンプリンじゃないですか。何で?恋をしているから?」
おすぎ:「・・・違うわよ、お金と努力よバカ。」
エリー:「(笑)。へーっ、そっか・・・って話止めちゃった。それで、何でしたっけ?」
おすぎ:「だからその、半分だから、まだね、私ほど悪くなってないのね。やっぱね、長くこの世にいると、手練手管にはなるのよ。」
エリー:「えーっ!なりた〜い。」
おすぎ:「私の歳になればなるわよ。」
エリー:「ホントですか?でも、それまで私大丈夫?」
おすぎ:「いや、死んじゃうかもしれないけど(笑)。」
エリー:「(笑)。死んじゃうんだ? 死んじゃってそうだよー。でも、おすぎさんはもっと早かったでしょ? 手練手管になるの。」
おすぎ:「嘘よ、私なんて純情を絵に描いたような・・・、純情二重奏よ。もうね、あなた。純粋って言ったらこれくらい純粋はいないわよ。」
エリー:「そうですか? たぶらかしてそうですよ。いろんな人をぱっぱぱっぱ。私の方がめちゃめちゃ、どピュアですよ。」
おすぎ:「ピュアじゃなくて、あなたはまだ何にもしていないのよ。」
エリー:「そうか・・・、まずいですね。巻き入れていかないと間に合わないですね。私もほら、甘い蜜を吸いたいんですよね。」
おすぎ:「でもね、甘い蜜っていうのは40とかを過ぎてからだよ。それまでは自分で奉仕に明け暮れないとダメよ。」
エリー:「そうですか。でも、じゃああと9年間も待たないといけないってことですよね。」
おすぎ:「だから9年の間に、努力っていうのは嫌なんだけど、納得するように生きていけばいいのよ。」
エリー:「なるほどね。なんかこないだ、占いに行って4年間は結婚なんて無理って言われたんですけど・・・。」
おすぎ:「その4年間で自分磨きしておけば?」
エリー:「脱毛する、とかそういうことですか?」
おすぎ:「(笑)。」
エリー:「(自分の手を見せながら)指とかほら、毛が生えているじゃないですか? こういうのをやっぱ抜いた方がいいらしいんですよ。」
おすぎ:「抜かなくていいんじゃない? マッサージよ。私ももう、自分の手にシミができたら、マッサージ。マッサージをしていくうちに、最近ほとんどシミがなくなってきた。」
エリー:「えーっ?ハンドパワーですね。」
おすぎ:「その時、マッサージをする時に多少の化粧品を使うから。だから金が必要な訳よ。あとは努力ね。首筋のところもそうだし、顔もそうだし・・・そもそも汚いんだから、私なんかは。努力しないと、もう落っこってっちゃう訳。」
エリー:「そうですか?でも、唇とかプリプリですもんね。」
おすぎ:「キミとはキスしたりもしているからね。」
エリー:「(笑)。そうですよね。忘れられへん、あの唇は・・・。」
おすぎ:「みんなしたがるわよ。私、唇泥棒だから(笑)。一度するとみんな、・・・」
エリー:「忘れられない、と。」
おすぎ:「そうね。」
エリー:「いつもどういう感じなんですか?『チュウしようぜ』みたいな?」
おすぎ:「いや、『ぜ』なんて言わない。する時はもう、してるのよ。」
エリー:「あっちからですか?」
おすぎ:「あっちからする訳ないでしょ!こっちからよ。バカだねお前は・・・(笑)。でも、相手も嫌がらない。私、唇で生きているみたいね。毎日誰かとしてる。」
エリー:「ほんまですか?1日1チュウ、みたいな感じですか?」
おすぎ:「4チュウくらい。例えばテレビの収録に行くじゃん?そしたらスタッフの子で、自分の好みの子を見つけておくのよ。」
エリー:「うんうんうん。」
おすぎ:「あとはこっちから積極的に行動すればいい訳だから。まあ、ちょっと軽い・・・色じかけね。」
エリー:「(笑)。じゃあ、私もそうすればいいんかな?」
おすぎ:「そうよ。こういう職場でいい人を(回りを見渡して)・・・まあ、ここにはいないけどさ。」
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「そういう恩着せがましいことをやっている訳よ(笑)。」
エリー:「今仕事は何やってはるんすか? 忙しそうですよね。」
おすぎ:「えーっとねえ・・・、何をやってるって言われても困るね。」
エリー:「九州に行ったりしてますよね?」
おすぎ:「うん、ラジオとテレビの仕事で。最近はレポートも始めてるの。月1回、中継。朝出てって。自然の中に入って鮎をとったり、どんぐり村で乳搾りをしたり。」
エリー:「嘘でしょ? 面白い番組だね。」
おすぎ:「だから私も、今までやったことないこと随分やらしてもらっている訳。」
エリー:「乳を搾りながら、 『あったかーい』とか、『ひやあ!』みたいな感じですか?」
おすぎ:「そんなことは言わないだろう、いくらなんでも(笑)。あんた、62のオカマが、乳持ったまま『ひやあ!』とか言うの?バカじゃないの?(笑)」
エリー:「(笑)。番組の仕事くらいですか? 今忙しいのは。」
おすぎ:「いつも常に地方に行っているっていうのがあるから。九州から札幌に行って帰って来て・・・とかっていうのがあるから、その時は忙しそうに見えるかもしれない。」
エリー:「映画館を回ったりもされてるんですよね?」
おすぎ:「年に3回くらいは、映画に関することで誰かの前でトークをやろうって。ほとんどギャラが発生しないんだけどね。沖縄と、信州の飯田っていうところと、それから伊勢。この3つはお友達関係で、いつもトークショーをやってる。もう一つ、山形県で、まあ、そこもお金がないとこなんだけど、映画を上映して、おしゃべりをして・・・それも合わせると年4回ね。」
エリー:「それは映画館を活性化するためなんでしょ? 地方の小さいところを守るためなんですよね。」
おすぎ:「そうそう。今映画館、人来ないからね。独立してやっているところは。今の映画館のほとんどはシネマコンプレックスっていう形態だから。そういう意味ではすごい大変だろうなって思うのね。で、私が行ってお客さんが来るのなら、それをそのまま置いてきてあげれば、また新しいことを考えられるだろうし。」
エリー:「うん。それはすごいいいことをされてますよね。」
おすぎ:「いや、でも普通のことだと思うよ。映画評論をやっていればさ。それまでもずっと、ジァン・ジァン(※『渋谷ジァン・ジァン』。渋谷の山手教会地下にあった小劇場。アンダーグラウンドな前衛舞台芸術・カルチャーの発信地として有名)で20何年もステージをやってたし。そういうことをやっていることで、映画ファンになってくれる人が増えるならいいなって思いながら。永六輔さんに『60になるまではやろうよ』と言われてて。『60を過ぎたらそれは財産になっているから、60になるまではとにかくやってみよう』。そう言われていたので、それは続けていたの。あそこ自体がなくなっちゃったのでそれは終わったんだけどね・・・(※『渋谷ジァン・ジァン』は2000年に、惜しまれながらも閉館)」
エリー:「でも映画評論家で、評論しているだけじゃなくて、ちゃんと実践を伴っているというか、映画館を守るだとか、そういうことをやってる人ってあんまりいないんやないですか?」
おすぎ:「いや、映画評論家つったって、メディアだけを軸に活動している訳ではない人たちもたくさんいるから、そういう人たちが地方でそうやって活動してたりっていうのはあると思うよ。」
エリー:「そうなんですか。」
おすぎ:「すごく地味で大変だけど、そういう重要な仕事をやっている人たちはいるんだろうなと思う。ただ、私みたいにタレント活動をしながらやっている人間とそこは違ってくるじゃない? そういうやり方で一緒にやろうとしても、きっとやっているうちにサークルみたいになって、で、サークルみたいになると今度は必ずそこの中にリーダーがいて・・・ってなるのよね。それはうっとおしいじゃん。それは私いやだなって思うから。でも、1人でも今私が行けば、小さい劇場だったら満杯になるから。じゃあ、私が行きましょうっていう恩着せがましいことをやっている訳よ(笑)。」
エリー:「面白そう・・・。行ってみたいですね。」
おすぎ:「連れて行ってもいいわよ。1回ゲストで行く? 伊勢なんかいいわよ。」
To Be Continued・・・
お2人のトークはまだ続きます。
次週はおすぎさんが映画評論家になったきっかけ、そしてこれからの映画産業についてのお話も・・・
お楽しみに!
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一問一答
 
■ 好きな音楽・・・バロック
■ 好きな映画・・・これから観る映画
■ 好きな本・・・ミステリー
■ 好きな食べ物・・・イタリアン
■ 嫌いな食べ物・・・かぼちゃ、芋
■ 好きな飲み物・・・お酒(何でも)
■ 好きな場所・・・ヤフードーム
■ 好きな土地・・・博多
■ 好きな色・・・グリーン
■ 好きな言葉・・・ない
■ 好みのタイプ・・・指のきれいな男
■ 趣味・・・乗馬
■ 自分の好きなところ・・・ない
■ 自分の嫌いなところ・・・全部
■ 一番お金をかけているところ・・・
■ 影響を受けた人物・・・淀川長治
■ 自分を動物に例えると?・・・
■ 生まれ変わったら何になる?・・・山の中にある1本の桜
■ 子供の頃の夢は?・・・ジャーナリスト
■ 得意技をひとつ・・・キス
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