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vol.150 ドラマー 中村達也(前編)
中村達也 | Tatsuya Nakamura keywords
1965年生まれ。パンクバンドのザ・スターリンなどを経て、1990年に浅井健一、照井利幸と共にBLANKEY JET CITYを結成。BLANKEY JET CITYの解散後もLOSALIOS、TWIN TAIL、FRICTION、JOY HEIGHTSなど、数々のバンドにおいて活動。また、役者として『バレットバレエ』、『男はソレを我慢できない』(脚本:大宮エリー)、『涙そうそう』など、映画にも度々出演している。

>LOSALIOSのオフィシャルサイト
元BLANKEY JET CITYのドラマー、と言っても、ピンと来ない方もいることだと思う。いわゆる『メジャー』や『マス』に幅広く名前をとどろかせ・・・というタイプでは決してない。しかし、中村達也がドラムを叩くといえば、未だに多くのファンが集まる。また、一般のファンのみならず、数多くのミュージシャンやアーティストからも尊敬を集めている存在だ。
さて、数年前からエリーさんと親交を暖めていたという中村さんだが、実はこの頃、あまり元気がないことも多かったのだとか。でも、昨年のある出来事を1つのきっかけとして、今までの活動スタンスに影響を及ぼすほどの変化が自身に見え始めたのだそうだ。今週は、そんな中村さんのここ最近の活動や心境の変化などを中心にお送りします。このインタビューを読む前後に中村さんの音を聴いたり、あるいはライブ中の映像を見たりすると、今回の原稿により魅力が出てくるはず。『素』の中村達也さんの言葉、とくとお楽しみ下さい。ちなみに来週は、少年時代の話なんかも飛び出します。  <Yusuke Sawaki>

「布袋さんと一緒に演奏するなんて・・・。」
エリー:「最近は何してたんですか? 音楽活動にいそしんでた感じ?」
中村:「うん、いそしんでた。去年の10月くらいに布袋さんのツアーのお誘いがあって、その他にもいろいろやってる。」
エリー:「え、布袋さんとは元々仲良しだったの?」
中村:「全然。もちろん今までずっと偏見がありましたよ。ほら、なんつーんだろう・・・。布袋さんは音楽的にJ−POPのトップクラスの人だから、どっちかっていうと俺はそういう音楽をやっている人を、ひがみ根性で『売れちゃってるのね?』みたいな感じで見てて(笑)。これまで布袋さんとは面識もほとんどなかったな。昔、俺が東京に出てきた当時、高円寺の駅のホームで布袋さんを一度見かけたくらいで。ものすごくでかい上に髪の毛おっ立ててたから、『伊勢海老みたいやな』ってその時一緒にいた奴と言ってた覚えがある(笑)。それからしばらくして、布袋さんがソロアルバムを出す時に『1曲だけ一緒にやってくれないか』っていう依頼があって。それが初顔合わせ。」
エリー:「それが最初のきっかけだったんだね。でも、その時はなんでいきなり声がかかったんだろうね?」
中村:「・・・なんでだろ?(笑) そのアルバムは『SOUL SESSIONS』っていうタイトルで、布袋さんがいろんな人とセッションをするっていう企画だった。で、最後に俺のところに話が来て。」
エリー:「それで誘うってことは、前から達也さんとやりたかったんじゃないの? でも、その時もそうだし、今回のツアーの話もそうだけど、昔の達也さんだったら断っていたかもね。」
中村:「うん、俺もスタジオに入った時に、『あれ? 素直に叩けてる・・・』(笑)。」
エリー:「去年の夏くらいかな? 達也さんからメールもらったんだよ。『ちょっと心境の変化があって、最近はJ−POPも面白いと思っている』みたいな。きっかけはなんだっけ? ラルク・アン・シェルをテレビで見たとか・・・」
中村:「そう。テレビかなんだかでプロモビデオを観たんだけど、普通に『おもしれえじゃん』って。オレンジレンジとかも。そのプロモの映像を見ながら、『バカバカしいのが楽しいな』と。これは嫌味とかでは全然なくて、素直にそう思った。昔だったら、『チッ! もっと真面目にやれよ! けしからん!』みたいなのがあったんだけど(笑)、去年の夏くらいから、そういう意識が溶けて流れたね。」
エリー:「達也さん今何歳だっけ? その年齢にして、また開花しちゃった?」
中村:「今年で43。でもそう、今はいろいろ許せる感じ。昔は意固地だったかな。まあ、自分で思い込んでいただけだろうけどね。当時は『自分はこうあるべきだ』って、いろいろとすごく限定していたと思うんだよね。ほんと、その頃の俺からしたら、布袋さんと一緒に演奏するなんて、すごい意外だよね。」
エリー:「達也さん、プライベートでは意外とミーハーだったりもするのにね。」
中村:「キョンキョンが大好物だったりね。」
エリー:「麻生久美子ちゃんとかも。」
中村:「めちゃめちゃいいじゃん・・・指輪光っとったけど(笑)。」
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「これ、完全にお告げだわと。」
エリー:「そう、達也さんって元気が無い時にメールくれますよね? あのメールを受け取った人はすごい不安になるよ(笑)。そういえば、おととしの夏くらいも元気なかったでしょ? あれはなんで悩んでいたんだっけ?」
中村:「バンドのこととかで、『これからどうしようか?』みたいな。俺、即興ばっかりで音楽やってるから、いろいろ考えて作れないし。」
エリー:「でも達也さん、確かに即興で演奏はしてるけど、いつもすごくいろんなことを考えてるじゃん。」
中村:「・・・うん、そう。でも、それがなかなかまとまらないんだよね、とっ散らかって。でも、考えすぎて結局やらずに終わっていっているのは最近いけないなって思って。・・・あ、そういえば今朝、夢にこまわり君(山上たつひこさん原作の漫画『がきデカ』の主人公)が大黒様化したみたいな怪しい人が出てきたの。で、俺に向かって『思ったとおりに、やった方がええんとちゃいますの?』って(笑)。これ、完全にお告げだわと。」
エリー:「お告げが関西弁なんだ(笑)。でも、縁起いいじゃん! 確かに達也さん、今年はいい感じしますよね。」
中村:「うん。厄年も抜けたし。で、去年は布袋さんのツアーの他に、JOY HEIGHTS(※1)っていうバンドを7月くらいに作ったりもしてたの。今年はそのバンドで録った音源も出そうかなと。他にもTWIN TAIL(※2)の音源でまだ出していないやつもあるし、あと、活動休止中だったLOSALIOS(※3)っていう自分のバンドも再開しようかと。あ、そういえばRECKっていうメンバーと2人でやってるFRICTIONっていうのもあるんだけど、これも12年ぶりに新しい曲を作るんだよね。」
エリー:「すごいじゃないですか! いっぺんにいろいろやるんだね。なんか見えたんだ?」
中村:「今まで録ったやつは全部出そうと、今年の頭に思って。でも、なんも見えてないよ。とにかく、やらないと。やれば、何か出てくるから。・・・そういえば、Entity of Rude(※4)っていうバンドも作ったんだ。」
エリー:「まだあんのかよ!(笑)」
中村:「そのバンドでも、そろそろレコーディングしようかなって思っていて。」
エリー:「ちょっと、本当になんかあったの? 前に達也さんと最後に会った時はすごく元気がなかったのに、めちゃめちゃいい感じじゃないっすか? やっぱり布袋さんのこととかもきっかけだったりするのかな?」
中村:「そうだね。やっぱりああいう現場はなんか気がいいというか、明るい感じで勢いもあるからそういう人たちといると、こっちも明るい気持ちになってきて。元々演奏するのは楽しいし。で、そん中に入ってドラムを叩いてみると、またいろんな扉を開かれちゃって。」
エリー:「ほんと今、いい感じがする。・・・あと、これはちょっと言葉が悪いかもしれないけど、『自分がよければいい』みたいな感じから徐々に変わってきたっていうのもない?」
中村:「うん。変わってきた。ライブにしても、今までは月に1、2回、ステージに立ってその時の自分の気持ちを爆発させる感じだったんだけど、最近はそうやって感情を解放するだけじゃなくて、リズムでお客さんを楽しませるっていうのも面白いなって。『いらっしゃい! 楽しませますよ!』みたいな風になってきた。」
エリー:「私は元来達也さんって、そういう才能もある人だと思うよ。そうじゃなきゃ俳優とかできないじゃん。・・・でも、達也さんっていつもかっこいい役で出てるよね。へたれなのにさ(笑)。」
中村:「そうやねん(笑)。でも、たまーにだから、いいんじゃない?」
※1 メンバーは大友良英(G)、tatsu(B)、百々和宏(G)、中村達也(Ds)の4人。2007年のライジングサンにも出演。
※2 勝井祐二(Violin)、中村達也(Ds)、豊田利晃(映像)の3人が構成するユニット。
※3 中村さんが中心となって活動しているバンドの名義。東京スカパラダイスオーケストラのカトウタカシ(G)や武田真治(Sax)など、ライブやアルバム制作の度に毎回様々なアーティストが参加している。
※4 タブゾンビ(Tranpet)、日向秀和(B)、中村達也(Ds)からなる。
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「『危ない人が来ちゃったなあ』みたいな(笑)。」
エリー:「そういえば、前に達也さんから面白い話聞いたよね? どこかのデパートで、飛び入りでドラムを叩いたとか・・・」
中村:「ああ、その話ね。前に福岡のデパートでどっかのメーカーがドラムのキャンペーンをやってて、教則ビデオみたいなのを流してたのよ。でもそれがつまんなくて。それで、『子供にこんなの見られたら、ドラムが面白くないと思われるじゃん』と思って、『それなら俺が叩いたるわ』と。いきなり飛び入りして、めちゃめちゃ叩いたった。」
エリー:「すごいね。みんなびっくりしたんじゃないの?」
中村:「ううん。大して人だかりもできずに、『危ない人が来ちゃったなあ』みたいな(笑)。」
エリー:「はっはっはっはっ!(笑) まあ、危ないよね(笑)。」
中村:「早く有名にならんとあかんわ、本当に。」
エリー:「いやいや、有名だっつーの(笑)。でも、達也さんって周りからするとハチャメチャに見えたりもするんだろうけど、いつもちゃんといろんなことを考えてるよね。デパート飛び入りの件も、ちゃんと聞くとすごくいい話じゃん。でも、多分はた目には相当狂った映像になっているんだよね(笑)。
そういえば、私が初めて達也さんと会ったのは映画の撮影だったんだよね。撮影中、達也さんが隅っこの方で1人でポツンとしていて。ぱっと見た感じすごく怖そうな人が雨の中、1人でたたずんでいたの。で、その時は私も1人きりだったから、喋りかけてみたんだよね。そしたら話が超面白くて、いい人だなあって。」
中村:「普通、俺は偏見をもたれる感じで・・・ほら、刺青も入っているし、どっちかっていうと話しかけづらいはずなのに、話しかけてくれて。で、その映画の撮影が終わって1年くらいしてから、俺がエリーさんの事務所に桃を持って行ったんだよね。」
エリー:「そう! 私が独立して事務所を開いたばかりの頃にいきなり『事務所できたんでしょ? 桃持っていこうか?』って(笑)。すんごいでかいバイクに乗って、しかも夏だったから結構刺青もバンバンで・・・。あんな感じで桃を持ってこられたの、初めてだよ(笑)。」
中村:「俺も桃を持ってバイクにまたがったの、初めて(笑)。今度、またなんか持ってくるよ。」
エリー:「次はなんですか?」
中村:「キムチ。もう準備してます。1パック。食べれる?」
エリー:「大好きですよ。楽しみにしてます。」
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一問一答
 
■ 好きな音楽・・・マイルス・デイビス
■ 好きな映画・・・『許されざるもの』 − ユン・ジョンビン監督
■ 好きな本・・・『頭のうちどころが悪かった熊の話』 − 安東みきえ
■ 好きな食べ物・・・焼肉
■ 嫌いな食べ物・・・さば
■ 好きな飲み物・・・生ビール
■ 好きな場所・・・ドラムセット
■ 好きな土地・・・シドニー
■ 好きな色・・・
■ 好きな言葉・・・なし
■ 好みの異性タイプ・・・昔はキョンキョン
■ 趣味・・・録音
■ 自分の好きなところ・・・意外と素直
■ 一番お金をかけているところ・・・機材
■ 影響を受けた人物・・・RECK
■ 自分を動物に例えると?・・・けもの
■ 生まれ変わったら何になる?・・・漁師さん
■ 子供の頃の夢は?・・・漫画家になること
■ 得意技をひとつ・・・即興演奏
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