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ラジオDJ山本シュウ
vol.166 義足のハイジャンパー 鈴木徹
鈴木徹 | Toru Suzuki Page Index
1980年、山梨県生まれ。駿台甲府高校時代にハンドボールで国体3位の記録を残す。1999年、自らが運転する車がガードレールに激突。右足膝下11cmを残して切断する。事故後、ハンドボールで復帰するために、リハビリの一環で走り高跳びを始める。競技開始からわずか3ヶ月でシドニーパラリンピックの標準記録をクリア。日本人初の高跳び選手として、シドニーパラリンピックに出場。2005年には日本で初めての「義足のプロアスリート」となり、パラリンピックワールドカップ、ヨーロッパ選手権で銀メダルを獲得し、世界ランキング2位に輝く。一方で、健常者の一般大会にも出場をし、2006年には東京陸上選手権で6位に入賞するなど、スポーツにおける「バリアフリー」を追求し、体現し続けている。また、「自らの可能性をあきらめない」をテーマに、学校を中心に講演会活動も精力的に行なっており、各地での実績を重ねている。

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「世界記録を作りたいですね。」
シュウ:「鈴木君は今28歳だっけ? 歳の割にすごくしっかりしてるけど、でも、全然肩肘張ってる感じがないよね。」
鈴木:「そうですね。確かに、基本的にいつでもどこでもリラックスしているかも。電車の中でもリラックスしているし、人と話をしていてもリラックスしているし・・・。多分、自分の好きな事をやっているから、そんなにストレスが溜まらないんですよ。だから逆に、わざわざ『リラックスする』っていうのが難しいかもしれないです(笑)。酒もそんな飲まないし、たばこも吸わないですし。」
シュウ:「そういえばさ、たばこを吸わない鈴木君から見て、喫煙者のマナーに関して気になっているところってある?」
鈴木:「ポイ捨てはたまに目につきますね。車からのポイ捨てとか。あれは信じられません。」
シュウ:「ポイ捨てね〜。昔はよく見かけたよね。でも、今は道とかかなり綺麗になったんじゃない?」
鈴木:「そうですね。前よりだいぶ綺麗になりましたよね。」
シュウ:「あと、鈴木君に聞いてみたいのは・・・そうやなあ、その歳にしてそれだけものが見渡せてるんやったら、周りにも素晴らしい人がたくさんおるんでしょ? 多分、1番は嫁さんやろうけど・・・そういえば、嫁さんてどんな人なん?」
鈴木:「しっかりしてますね。僕より5才年上なんですけど。」
シュウ:「病院で知り合ったんだよね? 看護士さんとしていろいろ支えてくれたそうだけど、実際何が支えになったの? 」
鈴木:「病院にいる時の僕の受け持ち看護士だったんですよね。で、僕もさっきからいろいろ言ってますけど、やっぱり足を切断するってことが分かった時は、『とても自分の中だけでは背負えない』と思ったんです。でも、最初はそれを他の人に言えなかった。カッコ悪いところを見せたくないというか。病院でも寝巻きは着ないでちゃんとジャージで過ごしてましたし(笑)。でも、ある時『もう限界だなぁ』って。それを彼女にちょっとずつ話していったんですよね。自分がカッコ悪いと思うこととか、嫌なこととかを。そうしたら、すごく楽になっていって。彼女はすごく優しかったんですよね。休みの日にも病院に来てくれたり。」
シュウ:「で、どうやって交際に発展したん?」
鈴木:「結局3ヶ月間入院していたんですけど、退院の時が迫ってきて、『このまま退院したら、もう会うこともなくなっちゃうんだな』と思って、僕から電話番号聞いたんですよ。いつもはあんまりそういうことをするタイプではなかったんですけど、なんとなく。それで、やりとりをしているうちにいつしか・・・。」
シュウ:「へえ〜〜、そうなんや!」
鈴木:「彼女も、僕の事が『何故か気になっていた』とは言ってましたね。でも僕自身、まさか付き合う事になるとは全く思っていませんでしたよ。足を失うって分かった時には、『女の子と付き合う事はもうないだろうなぁ』って思いましたから。」
シュウ:「え〜!? そこだけはネガティブやん!」
鈴木:「女の子とつきあっても、最終的に別れる時には足のせいにされるんじゃないかなって思ったんですよね。苦労するから、とか、人と違うから、とか・・・。まぁ、当時はまだそういう考え方もしていたんですよね。」
シュウ:「でも今になってみれば、家族があるっていいでしょ? スポーツ選手って、奥さんがいる事で伸びる人も多いし。何より、人間、守るものができると変わってくるでしょ?」
鈴木:「どうだろう・・・あんまり変わってないですけどね、僕。」
シュウ:「この男、まだまだいけるわ!(笑)・・・でもさ、ほんと、その義足のお陰でものすごいいろんなものが見えてくるやん。リアルなものが。何が大切か、とか。その見え方ってきっとすごいよね。嫁さんともそれがなかったら出会ってない訳でしょ? それって、ほんまにすごいことやと思う。
あと、今までの話を聞いてて思うのは、どの場面においても共通してるのが、自分の心にほんとに正直に動いてるってこと。場面場面のチョイスの仕方がものすごくシンプル。『面白い』『面白そう』。で、とにかくやってみる。ほいで、やってみて『ちゃうな〜』って思ったら戻るしね(笑)。ほんと軽やかなんだよね。」
鈴木:「そんな深く考えてないだけですよ。先が見えてたらつまらないじゃないですか。」
シュウ:「『あんまり深く考えてない』って言葉は女性には言わん方がええよ(笑)。」
鈴木:「でも、やっぱり応援してくれる人が増えたっていうのはすごくありがたいですね。1人で試合をやっている感覚が無いんですよね。家族にいいジャンプを見せたいっていうのもありますからね。子供にカッコいいところを見てもらいたいなって。」
シュウ:「それは強いよね。例えばオリンピックで、同格の相手と決勝を戦う時、ただ相手を倒す事だけを考えて戦っても勝たれへんって話を聞いたことがあるんよ。最後の最後、何で勝てるかって言ったら『愛』なんやて。娘のため、とか、応援してくれてる人達のため、とか、そういう気持ちが後押ししてびっくりするような力が出るんちゃうかなあ。」
鈴木:「そういうのはあるかもしれないですね。」
シュウ:「うわ! もうこんな時間や!! じゃあ最後に、今1番したい事は?」
鈴木:「たくさんあるけど・・・でも、やっぱり1番は、世界記録を作りたいですね。『義足をつけての初のスポーツ選手』もそうだったけど、世界記録も『初』じゃないですか。金メダルを獲っている人はいっぱいいるけれど、世界記録だったら『初』になりますからね。」
シュウ:「そうやな〜。世界記録は『初』や! その時代に『初めて』っていうのがええんやんな。」
鈴木:「今回、パラリンピックの旗手をやらせてもらったんですけど、これも一緒で、旗手って1人しかいないじゃないですか。意外と目立つんですよ、旗手って。だからやらせてもらえてよかったなぁ〜って(笑)。」
シュウ:「あはは! せやな〜!(笑)。 今日はほんと、長々とありがとうございました!」
鈴木:「こちらこそ、ありがとうございました。」
※本ページには喫煙に関する特定の考え方が掲載されておりますが、その内容はゲストの鈴木徹さん、インタビュアーの山本シュウさん個人の意見であり、当サイトの喫煙に関する考え方を示すものではありません。
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