特別展Exhibition

はじめに


「地球」が私たちの意識にのぼるようになってから、かなりの時間が流れましたが、その間に私たちが抱くようになった、最も好ましく、親しまれているイメージは「緑の地球」や「水の惑星」かも知れません。しかし、それだけでは私たちのイメージは偏っていきかねません。豊饒と枯渇。流転と不変。包容と拒絶。激情と沈黙。歓声と静寂。相反する姿や、ときにはマイナスのイメージをも抱え込んでこその「地球」であり「自然」なのではないでしょうか。

地球はもっと奥深く、多様性に富んだ星です。私たちは、それを知識としては知っていても、なかなかそのイメージをつかむ機会がないものです。そうした、私たちがよく知っているイメージとは異なった「地球」の姿を追い続ける写真家がいます。片平孝とゲオルグ・ゲルスター。二人の作品は、一方は自転車で大地を走り続けてとらえたもの、もう一方は飛行機からの空撮でとらえたものと、その視点や方法は異なりますが、どちらも、私たちが知らない「もうひとつの地球」の姿を伝えてくれます。その風景を構成する要素として、しばしば「塩」が重要な役割を果たしています。

塩は、生命に不可欠な「地球の恵み」のひとつでありながら、自然の中では、時として「緑の地球」とはかけ離れた不毛の世界を演出する主役となり、地球の持つ厳しい一面を垣間見せてくれます。沈黙に包まれた塩の大地は、恵みとは優しいものばかりではないという地球の真実を物語っているような気がします。そして人類は、そんな、必ずしも優しくはない地球の恵みをしぶとく利用し続け、その痕跡を大地へと刻みつけてきました。

この写真展でご紹介する作品から、様々な姿を抱え込んで生き続ける地球そのものを感じ取っていただければ幸いです。


たばこと塩の博物館

 


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