特別展Exhibition


塩原〜大地が集めた塩   


【アタカマ高地】
南アメリカの中央部、チリ、ボリビア、アルゼンチンの国境にあるアタカマ高地は、標高約4,500メートルという、地球で最も高いところにある砂漠であり、乾燥と強風、そして塩類によって生物がほとんど住めない「死の世界」となっている。地球で一番雨が降らない場所といわれるほど降水量が少なく、盆地も多いため、その底にはサラールと呼ばれる塩原が広がっている。ごく稀に降る雨に溶けた塩類が岩石中に浸透して結晶となり、膨張して岩石を破壊する「塩類風化」も著しい。この高原には、土砂と塩類の堆積、地殻変動、浸食をくり返してできた無数の谷が刻まれている。
「月の谷」の塩原は5000万年前に塩湖だったところが完全に干上がってできたもので、地中には厚さ約1.5メートルの岩塩層が続いており、一部では岩塩の採掘も行われている。

アタカマ高地の塩原 アタカマ高地の塩原(チリ)
 撮影:片平 孝

一面に広がる塩の結晶が夕日に輝いている。
荒涼とした大地にも、時として美しく輝く瞬間がある。

アタカマ高地の「月の谷」(チリ)
撮影:片平 孝

岩塩の山と地表を覆う雪のように見える塩の結晶。「月の谷」という地名は、月のような景観から名付けられた。彼方にそびえるアンデスの白は本物の雪。標高約6,000メートルに達し、位置的には亜熱帯だが氷河もみられる。
アタカマ高地の「月の谷」

ホワイト・サンドの石膏の砂丘 ホワイト・サンドの石膏の砂丘
(アメリカ合衆国) 撮影:片平 孝

塩原といっても、塩(塩化ナトリウム)ばかりではなく様々な塩類を含んでいる。その成分比が極端に変化するとこのような景観になる。真っ白な粒子の正体は、石膏(硫酸カルシウム)である。
ホワイト・サンドはニューメキシコ州にある、石膏を母材とする世界最大の砂丘で、国立記念物に指定されている。アメリカ合衆国南西部の乾燥地は、このほかにも目的に応じて11種類に分類された国立公園が集中する地域で、訪れた人々が地球の生い立ちや素顔に触れ、歴史を学ぶ場として活用されている。地質をテーマとするものや、塩にかかわりが深いものも多い。

 


Back