特別展Exhibition

再生する伝統
 共催 たばこと塩の博物館 ミティラー美術館
 後援 インド大使館 インド政府観光局
     (財)日印協会
 協賛 ナム・インターナショナル
開館時間: 午前10時〜午後6時
(入館は午後5時30分まで)
休館日: 毎週月曜日
(12月23日、1月13日は開館。翌12月24日(火)、1月14日(火)が休館)、12月29日(日)〜1月3日(金)
入館料: 大人 100円 (50円)
小・中・高校生 50円 (20円)
( )内は20名以上の団体料金

展示作品のご紹介
ミティラー画 ワルリー画
テラコッタ(素焼きの塑像) 他の民族アート
 5000年を超える歴史のなかで育(はぐく)まれたインドの民族アートは、本来アートとして 制作されたものではなく、自然との深い繋(つな)がりのなかに営(いとな)まれた 日々の暮らしから生み出されたものでした。壁画に始まる絵画は、祈りそのものであり、神々の交信の手だてでもありました。 それが、誕生や結婚、そして死に至る人生の儀礼の場を彩り、暮らしに溶け込みながら、永い伝統として受け継がれてきたのです。 実用品である土器もまた、永い時を経て技術が磨かれながら、独自の創造性と美的感覚が発揮(はっき)される世界を築いてきました。 しかし近代化の波は、こうした伝統を徐々に衰退させる一方で、人々の生活を困窮(こんきゅう)させるという危機的状況を招きました。 そうしたなか、1960年代から、インド政府の手工芸局を中心に、飢饉(ききん)に苦しむミティラーの女性たちに紙を提供し、絵を描く よう促(うなが)し、伝統が新しい形で甦(よみがえ)るきっかけになりました。

 新潟県のミティラー美術館の長谷川時夫館長は、1982年から現地に入り、ミティラー地方の伝統的な絵画の収集を始めました。1988年、日本で「インド祭」が 開催された後は、インドから描き手たちを美術館に招待し、ゆったりとした時間のなかで大きな作品に取り組める環境を用意することで、 現地では難しい新たな作品の制作が始まりました。その後は、ワルリー族の描き手やテラコッタ(素焼きの塑像(そぞう))の制作者も招聘し、 創作活動が続けられています。

 同美術館で生み出される作品群は、自然・宇宙とのコミュニケーションを基本とする長谷川館長の理念と、インドのアーティストたちとのコラボレーションによって 制作された、新しい魅力に満ちています。

 今回は、こうした作品を中心に、近代化の中で衰退の危機に瀕したインドの民族アートの伝統が現在に再生し、さらに将来に向かって花開きつつある世界をご紹介します。


催し物
・ワルリー画の制作実演:期間中毎日
・連続講座 いずれも午後2時から 1階視聴覚ホール 先着80名 参加費無料(入館料は必要です)
再生する伝統 長谷川時夫(ミティラー美術館館長)
中村 誠(埼玉県立近代美術館学芸員)
半田昌之(たばこと塩の博物館学芸課長)
インド民俗造形 〜 その伝統と現代 〜
  小西正捷(立教大学教授)
物語りの再生に向かって 〜 現代アートとインド民族芸術 〜
  中村 誠(埼玉県立近代美術館学芸員)
木谷安憲(美術家・美術教師)
インドのたばこ文化 川床邦夫(たばこと塩の博物館調査役)
アート・儀礼・コスモロジー 〜 北タイ・南インド(ケーララ)の憑霊儀礼 〜
  川野美砂子(東海大学開発工学部助教授)
未来社会に向けた新しい民俗芸術 --- フォークロリズム
  池田香代子(翻訳家)
長谷川時夫(ミティラー美術館館長)
・ビデオ上映
 「TIMELESS INDIA」ほかインドを紹介するビデオを上映します。
 期間中、講座のある日を除く毎週土・日・祝日 午後2時30分から1階視聴覚ホールにて上映します。