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自らのたばこの名につけた「天狗」。現在のところ、それがいつからで、またなぜその名を付けたかは不詳です。ただ、大正2(1913)年の「岩谷松平 人道株式会社 金写真」のチラシには、「猿田彦神(さるたひこのかみ)」の名を見ることができます。
猿田彦神は、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高天原(たかまのはら)から日向国(宮崎県)高千穂の峰に下った、いわゆる天孫降臨のときに、その道案内をつとめた神で、その鼻が非常に高く、恐ろしい顔つきをしていたとされています。
岩谷松平の出身地、薩摩川内市にある新田神社は瓊瓊杵尊が葬られた場所として知られ、そこには古くから真っ赤な猿田彦神の面があります。この他、南九州地方各地には、天狗にまつわるさまざまな伝説が残っており、こうしたところから、「天狗」の名を付けたのではないかと考えられています。 |
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