特別展Exhibition

マシモン信仰/サン・シモン信仰 I

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メルカード(市) マシモン信仰/サン・シモン信仰 I マシモン信仰/サン・シモン信仰II


現在、グァテマラ国民の大多数はカトリックをはじめとするキリスト教徒で、町や村の中心部にある教会には、キリスト像、聖母マリア像、あるいは共同体の守護聖人の像などが祀(まつ)られ、マヤの人々の篤(あつ)い信仰を集めている。しかし、同時に彼らは先スペイン期の石彫の前で香を焚いて祈りを捧げるなど、古くからの信仰も捨て去っていない。また、スペイン人がもたらしたカトリックの伝統と、先スペイン期から続く宗教観の融合の結果、独特の民間信仰が生み出されてきた。その代表的なものがグァテマラ南西部の高地地方、特にアティトラン湖周辺の村々におけるマシモンあるいはサン・シモンと呼ばれる像に対する信仰である。

このマシモン信仰、サン・シモン信仰には、不確かな部分が多い。まずその信仰の対象は、木製の仮面をつけた像あるいはスペイン系白人風の姿をした像が一般的ではあるものの、古くから伝わる聖なる意味を持つとされる「もの」(例えば石)を布で巻いて人頭大の包みや棒状の束にした場合もある(マシモンという言葉は「包み」「束」「縛られた」を意味するとされる)。またその呼び名も、マシモンもしくはサン・シモンと呼ぶなど一定していない。ただ、木製の仮面をつけた像やマヤ的要素の強いもの、マヤ系言語で呼びかけるときには「マシモン」と呼び、スペイン的要素が強い時には「サン・シモン」と呼ぶ傾向はあるようである。像の大きさについては、「マシモン」像のほとんどは等身大であるが、「サン・シモン」像は等身大からポケットに入るぐらいのサイズまでさまざまである。しかし、その「力」は、姿形や呼び名に関係なく同等であるとされている。なお、このマシモンあるいはサン・シモンが何を表しているかということについては、古代マヤの神格のひとつ「マム」であるとしたり、聖アンドレス(アンデレ)、大天使ミカエル、使徒聖シモン(あるいはペテロ)、さらにはキリストを裏切ったイスカリオテのユダやグァテマラの征服者ペドロ・デ・アルバラードと結びついているとされるなど、さまざまな説がある。

民間信仰の対象となっている「サン・シモン」人形写真
zoom 民間信仰の対象となっている
「サン・シモン」人形

サン・シモン像を祀った祭壇(ソロラ市)写真
zoom サン・シモン像を祀った祭壇
(ソロラ市)

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