特別展Exhibition

現在の特別展

※会期を2020年4月19日(日)まで延長して開催します。
[前期:~2020年4月5日(日)、後期:2020年4月7日(火)~4月19日(日)]
会場が混雑した場合は入室を制限させていただきます。あらかじめご了承ください。
「浮世絵に見る名所と美人」展関連イベントはすべて延期とさせていただきます(日程は未定)。

隅田川は物流や交通の要所でしたが、その周辺には、花の名所、役者の別荘や豪華な造りの料亭があり、粋に着飾る芸者の姿もみられました。“絵になる”題材が豊富な隅田川沿いの風景は、19世紀前半の浮世絵に多く描かれ、美人画や役者絵の背景やコマ絵として描かれたものも数多くみられます。隅田川の近くはまた、絵師の歌川国貞(三代歌川豊国)や歌川国芳といった浮世絵師たちが居住したところでもありました。
天保期(1830~44)末に奢侈禁令を掲げた天保改革が始まると、浮世絵の題材も規制されるようになりました。衣類や装飾品、料亭、別荘、そして浮世絵そのものが取締りの対象になり、遊女や役者の似顔は禁じられました。浮世絵の制作が難しい時代となりましたが、三代歌川豊国や歌川国芳をはじめとする絵師により、禁令に触れないような工夫を凝らした作品が生まれました。
本展は三部で構成しています。第一部「描かれた江戸の水辺 隅田川を中心に」では隅田川の景観とその流域が描かれた作品を、第二部「弘化・嘉永期の美人画 国芳・三代豊国の揃物を中心に」では三代豊国と国芳の美人画揃物を、そして第三部「江戸の後」では明治になっても描かれた隅田川と美人などを紹介します。前・後期合わせて200点あまりの浮世絵を展示し、浮世絵の魅力をお伝えします。

※本展では会期の途中で大幅な展示替えを行います。
前期:~4月5日(日)
後期:4月7日(火)~4月19日(日)

  • 江戸八景ノ内 隅田つゝみの晴嵐
    歌川国貞(三代歌川豊国) 個人蔵
    [後期(4/7~4/19)展示]

  • 江戸高名会亭尽 本所小梅 小倉庵
    歌川広重 たばこと塩の博物館蔵
    [前・後期(~4/19)展示]

「隅田川に育まれた文化 浮世絵に見る名所と美人」開催概要

主催
たばこと塩の博物館
会場
たばこと塩の博物館 2階特別展示室
開館時間
午前11時~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日
毎週月曜日
入館料
大人・大学生 100円(50円)
小・中・高校生 50円(20円)
満65歳以上の方 50円(20円) ※年齢がわかるものをお持ちください。
※( )内は20名以上の団体料金。
※障がい者の方は障がい者手帳などのご提示で付き添いの方1名まで無料。
※当面の間、団体でのご来館をご遠慮いただくようお願いします。

展示関連イベント

※新型コロナウイルス感染予防と拡大防止のため、「浮世絵に見る名所と美人」展関連イベントはすべて延期とさせていただきます(日程は未定)。

展示関連講演会
3月1日(日)
「百花園の遊び方」
講師:佐原 滋元(向島百花園 茶亭さはら亭主)
3月8日(日)
浮世絵随談「別荘で寛ぐ化政期の名優」
講師:新藤 茂(UKIYO-E PROJECT Adviser、国際浮世絵学会 常任理事)
3月21日(土)
「国芳の美人画・見立の楽しさ」
講師:岩切 友里子(浮世絵研究家)
  • ※午後2時から、3階視聴覚ホールで開催。
  • ※定員は先着90名。参加には入館料が必要です。
  • ※当日開館時より整理券を1名につき2枚まで配布します(配布時に人数分の入館料をいただきます)。
たばしお講座
3月28日(土)
「納涼から生まれた隅田川の川開花火」
講師:福澤 徹三(すみだ郷土文化資料館 資料館学芸員)
4月5日(日)
「三囲稲荷の経営と越後屋三井家」
講師:斉藤 照徳(福井県立こども歴史文化館 学芸員)
  • ※午後2時から、3階視聴覚ホールで開催。
  • ※定員は先着90名。参加には入館料が必要です。
  • ※当日開館時より整理券を1名につき2枚まで配布します(配布時に人数分の入館料をいただきます)。

展示の構成と作品紹介

描かれた江戸の水辺 隅田川を中心に

江戸の人々が大川とも呼んだ隅田川は、文字通り江戸市中を流れる最も大きな川で、交通や物資の輸送においても重要な川でした。隅田川やその流域の景色、近くの花名所、そしてこの地域で培われた料亭文化などは、風景画はもちろんのこと、美人画や役者絵においても、背景あるいはコマ絵として描かれました。
ここでは、隅田川を中心に、水辺の様々な風景が描かれた作品を紹介します。

  • 東都三十六景 今戸橋 真乳山
    二代歌川広重 個人蔵
    [後期(4/7~4/19)展示]

  • 当盛春景色
    歌川国芳 個人蔵
    [前期(~4/5)展示]

  • 江戸名所之内 むかふ島
    三代歌川豊国 個人蔵
    [前期(~4/5)展示]

  • 平岩
    歌川国貞(三代歌川豊国) 個人蔵
    [後期(4/7~4/19)展示]

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弘化・嘉永期の美人画 国芳・三代豊国の揃物を中心に

隅田川が江戸有数の行楽地となった文化文政期(1804~1830)を経て、天保期(1830~1844)末には、徹底した奢侈禁令を掲げる天保改革が始まりました。衣類や所持品の素材も細かく規制されるなど、庶民の生活にも立ち入ったもので、隅田川沿いの料亭や別荘、そして当世風俗を伝える一大メディアであった浮世絵も、取締りの対象とされました。厳しい制約を受け、絵師たちは芝居や古典文学の登場人物、着物の柄など無難なテーマにかこつけて当世の美人を描き、美人画への需要に応えました。
ここでは、改革後の浮世絵界を支え、隅田川近くにも居住した歌川国芳と歌川国貞(三代歌川豊国)の美人画揃物を中心に紹介します。

  • 大願成就有ヶ滝縞 金太郎鯉つかみ
    歌川国芳 個人蔵
    [後期(4/7~4/19)展示]

  • 江戸自慢程好仕入 しやうぶかは
    歌川国芳 個人蔵
    [前期(~4/5)展示]

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江戸の後

幕末の開国によって外国から様々な文化が押し寄せ、明治になると人々の生活も大きく変化しました。政府主導の文明開化により、それまでの浮世絵は古紙同然の扱いを受け、浮世絵に限らず日本美術の優品が大量に海外流出しました。さらに、写真や新聞が普及すると、即時性で劣る浮世絵は情報伝達手段としての機能を奪われ、次第に需要が少なくなっていきました。しかし、こうした状況にあっても、当時を代表する絵師の楊州周延(ようしゅうちかのぶ)や小林清親の作品は、世の変化を木版にとどめており、そこでも隅田川を中心とする名所と美人の組合せは健在でした。
ここでは、明治期の浮世絵に描かれた名所と美人を紹介します。

  • 見立十二支 丑 向島牛島神社
    楊洲周延 個人蔵
    [前期(~4/5)展示]

  • 向島桜
    小林清親 個人蔵
    [前・後期(~4/19)展示]

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