「病院建物内全面禁煙を実施しない場合の診療報酬減額」に対する意見

2012年1月30日に開催されました「中央社会保険医療協議会(以下、中医協)」において、厚生労働省から「病院建物内全面禁煙を実施しない場合、診療報酬を減額する」旨の方針が示されました。

日本たばこ産業株式会社(以下、JT)は、診療報酬減額という懲罰的な手段により、病院建物内全面禁煙の実施を迫ることは、それぞれの施設の利用実態等に応じて適切な受動喫煙防止対策を実施している病院に対する不当な措置であり、強く反対します。

その基本的な考え方は以下の通りです。

病院をはじめとした医療機関において、受動喫煙を防止することについては、施設の特性からも必要であると認識しています。厚生労働省の調査によると、病院でのたばこ対策は全面禁煙63.8%、分煙35.0%となっており、既に病院内での受動喫煙防止措置は実施されているものといえます。そうした中で、35.0%にのぼる分煙による受動喫煙防止措置を一律に否定する今般の厚生労働省の方針は、科学的な根拠も不明確な上、利用実態等に応じて適切な受動喫煙防止対策を実施している病院に対する不当な措置と言わざるを得ません。

厚生労働省は2002年に「分煙効果判定基準」を公示し、受動喫煙を防止できる喫煙場所の要件・基準を示しています。また、現在国会に提出されている、「労働安全衛生法の一部を改正する法案」においても、喫煙室の設置は認められています。このように、分煙による受動喫煙防止の効果を認める一方で、「病院建物内全面禁煙を実施しない場合、診療報酬を減額する」旨の方針をとることは、受動喫煙防止対策全体としての整合性の観点からも問題があります。さらに、そうした方針について、診療報酬減額という懲罰的な手段により全ての病院に実施を迫るといった手法は、事実上の全面禁煙の強制にほかならず、過度な規制であると考えます。

JTは、病院をはじめとした医療機関においては、一定の要件を満たす喫煙室の設置、もしくは全面禁煙のいずれかを、それぞれの病院が施設の利用実態等に応じて選択し、喫煙者にも十分に配慮した上で、実効性の高い受動喫煙防止に努めることが適当と考えます。

JTでは、これまでに2,500件以上の事業所において分煙コンサルティングを実施し、たばこを吸われる方と吸われない方の双方に満足していただける分煙環境整備のお手伝いをさせていただいています。
分煙コンサルティング活動は今後も積極的に実施し、分煙環境の整備を通じて、たばこを吸われる方と吸われない方の協調ある共存社会の実現を目指してまいります。


2012年2月8日
日本たばこ産業株式会社
代表取締役社長 木村 宏