「喫煙者率削減の数値目標設定」に関する意見

2012年1月24日付 新聞各紙において、「次期がん対策推進基本計画」および「次期国民健康づくり運動プラン」の厚生労働省案で「喫煙者率削減の数値目標を明記する」との報道がなされました。

日本たばこ産業株式会社(以下、JT)は、「次期がん対策推進基本計画」、「次期国民健康づくり運動プラン」に喫煙者率削減を数値目標として示すことには強く反対します。

その基本的な考え方は以下の通りです。

  • たばこは合法な嗜好品であり、喫煙するかしないかは、適切なリスク情報を承知した成人個々人が、自らの健康に与える影響を勘案して判断すべきものであると考えています。したがって、禁煙を希望する方が、自らの意志で禁煙されることについて異を唱えるものではありません。
    「健康日本21」、「がん対策基本法」に基づく各種施策や喫煙場所規制、分煙社会の進展等により日本の喫煙者率は近年急激に減少し、既に欧米先進諸国と同等の水準となっています。
    現在、「健康日本21」では「やめたい人がやめる」との目標が設定されていますが、これを変更して喫煙者率削減に関する数値目標を新たに設定することは、本来個々人の選択の結果として決まる喫煙者率について、国の介入によって特定の数値に誘導しようとするものであり問題があると考えます。
  • JTは、喫煙は特定の疾病のリスクを高めると認識しています。しかしながら、がんを含む生活習慣病は、喫煙のみならず、運動不足、飲酒、栄養の偏りなどの生活習慣や加齢、生活環境等の要因が複雑に絡み合って発症するものです。
    たばこ関連疾患の代表例とされる「肺がん」による死亡率と喫煙者率との間には、国別に見ても明らかな相関があるとはいえません。我が国においても、男性の喫煙者率は1966年をピークに大幅に減少し、女性の喫煙者率はほぼ一定で推移しています。一方、肺がん死亡率(年齢調整)は、男女とも同じ傾向で90年代後半をピークに減少しており、喫煙者率と肺がん死亡率(年齢調整)との間に明らかな相関があるとはいえません。

以上を踏まえると、喫煙者率削減のための数値目標の設定等といった、喫煙に偏った施策のあり方には疑問があります。

今後正式決定される「次期がん対策推進基本計画」および「次期国民健康づくり運動プラン」の策定にあたっては、たばこは幅広いお客様に支持いただいている大人の嗜好品であり、健康の観点のみならず、国・地方の一般財源として多大なる貢献をしている財政物資としての位置付け、全国のたばこ販売店や葉たばこ農家を含めた国内たばこ産業全体への影響等も踏まえ、一方的にたばこ対策に偏らない幅広い観点から、バランスの取れた実効性の高い内容とすべきと考えます。

私どもJTは、未成年者喫煙防止活動はもちろん、たばこを吸われる方と吸われない方の協調ある共存社会の実現を目指し、分煙推進活動をこれからも積極的に実施してまいります。


2012年1月26日
日本たばこ産業株式会社
代表取締役社長 木村 宏