環境課題への取り組み/生物多様性保全への取り組み

事業において使用する自然資源を責任をもって管理することは、私たちの事業の長期的な実行可能性を支えるとともに環境保全にもつながります。JT グループでは、森林保全について、社内管理プロセスに組み込み、意思決定の際の指標として向き合っています。

私たちは葉たばこ農家と緊密に協力し、葉たばこの収量や品質を高める努力をしています。土地、水、木材などの自然資源を農家が適切に使用することで、葉たばこ農家の収益が増え、環境への影響が緩和され、ひいては私たちの事業もさらに持続可能なものとなります。葉たばこ生産の乾燥工程を木材に依存している国では、森林資源の管理と効率的な使用を図りつつ、環境保全に貢献することが、私たちの責任だと考えています。

たばこ製造工場における、具体的な環境負荷軽減の取り組み事例は、最新版サステナビリティレポート(52 - 53ページ)をご覧ください。

農業技術の開発と普及

ブラジルとザンビアには、ADETセンター(Agronomy Development and Extension Training Center)という、JTグループの生産モデル農場があります。ここでは、土壌管理、機械化、生産性向上、現地の耕作慣行に関連する先端農業や環境関連の研究開発を行っています。こうした研究の成果は、このADETセンターで、調査、検証、刷新を経て、効果測定をしてから、葉たばこ農家にベストプラクティスとして共有されます。葉たばこ耕作が、環境関連の規準や規制を遵守しながら継続可能であること、また葉たばこ農家にとって収益の高いものであり続けることを目指しています。

ADETセンターでは、木材の生産を増やし、葉たばこの乾燥効率を高めるための林業研究や、森林の保全と再生に重点を置いて活動しています。小規模農家レベルでの環境への影響を最小限に抑える適切な解決法を検討するとともに、森林保全に関わる課題も研究しています。

森林保全に関する規準

ADETセンターでは森林保全に関する最低限の規準を策定しました。これは、契約農家が守らなくてはならない一連の森林に関する規定と指針を定めたものです。直接契約農家が葉たばこを乾燥する際の燃料として、あるいは「ライブ・バーン」*の建築資材として木材を使用しているすべての国でこの規準を定めています。具体的には、ブラジル(2012年)、マラウイ、タンザニア、ザンビア(2014年)で、葉たばこ農家がよりよい品質の植林地を整備し管理できるように支援しました。

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この取り組みによって、持続可能な木材供給の達成に一歩近づいたことになります。また、森林破壊を防止し、自然林保全の可能性を高めるサポートを行うことで、環境負荷を軽減しています。

*ライブ・バーン:植樹した樹木をそのまま乾燥施設として使用します。

マトペ乾燥室

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ADETセンターが生み出した画期的な成果のひとつが、燃料効率の高いマトペ乾燥室です。マトペ乾燥室を使うことにより、木材の消費を75%、二酸化炭素の排出量を12%削減できます。また、乾燥葉たばこ収量が17%増加すると同時に品質も高くなり、葉たばこ農家の収入は1ヘクタール当たり約400米ドル増加します。

2018年にザンビアの葉たばこ農家は、マトペ乾燥室を1,300か所以上設置しました。JT グループのスコープ3排出量の中で最大のものが葉たばこの乾燥に由来する排出量であるため、これは大きな成果であると捉えています。

生物多様性保全への取り組み

事業エリアにおける生物多様性の責任ある保全は、環境を保護するとともに、JTグループが事業活動を長期的に維持・継続するうえで必要不可欠です。

社内の管理プロセスや意思決定の中で生物多様性の保全を考慮することは、JTグループにとって重要だと考えています。そのために、生物多様性や自然資源への依存や影響の度合いを評価し、それらを私たちがどのように活用し、管理しているかを理解することが必要です。これらを踏まえ、農業生産工程管理の導入や土壌管理の推進、持続可能な森林・水資源の利用や自然林の再生等に関する適正な施策を展開しています。

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ブラジルの森林再生に貢献

300ヘクタール以上におよぶブラジルの永久保護地域の復元のため、私たちは野生生物研究と環境教育協会(Wildlife Research and Environmental Education Society)とパートナーシップを結び、国家社会経済開発銀行(National Bank for Social Economic Development)から融資を受けています。この地域には、JTグループと直接契約する葉たばこ農家が所在し、国立森林保護区であるフローナ・ディラチ(Flona de Irati)も含まれています。

2018年から復元作業を開始したフローナ・ディラチでは、この土地古来の景観を回復するため、35ヘクタールの松林を伐採し、代わりに在来種を植えました。このプロジェクトでは、生態系の回復を専攻する33名の地元大学生の研修も行っています。私たちは、土壌、雨、他のプロジェクトとの関連性に基づき、戦略的河川流域における優先区域を定め、さまざまな地域を結ぶ緑の回廊(野生生物を養うのに十分な生息環境のある場所をつなぐもの)を作りました。最初に選んだ場所のひとつは、パラナ州タクアラル川流域です。このプロジェクトを紹介した一連の啓発集会には、地元の葉たばこ農家から200名が参加しました。このパートナーシップは、葉たばこ農家に対して、復元作業の始まる前後に、技術指導など様々な支援を提供しています。私たちは自然林の保護と再生、そして地元コミュニティの支援に全力で取り組んでいます。