2021年度準決勝第二局
対局結果


準決勝第二局 (東海大会)
99手にて
藤井三冠の勝利
開催日:11月3日(水・祝)
会場:ポートメッセなごや 第3展示館
藤井聡太三冠
永瀬拓矢王座
勝者の藤井三冠は、11月21日(日)に行われる「決勝戦」で、豊島将之JT杯覇者と対局!!
- タイトル・段位は対局時点のものです。
- 豊島JT杯覇者は竜王、藤井三冠は王位・叡王・棋聖のタイトル保持者です。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・中村九段の講評
対局前の両者のコメントでは、藤井三冠は「永瀬王座には『炎の七番勝負』の後に研究会に誘っていただきました。その努力する姿勢は見習いたいと思っています。
今回東海大会が開催されて大変うれしいです。地元の将棋ファンの方にも見ていただけますから、熱戦を楽しんでもらえるよう頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
一方の永瀬王座も「『JTプロ公式戦』で藤井三冠と対戦できることをうれしく思います。彼からは『将棋を強くなりたい』という純粋な気持ちが伝わってきます。
今回初めての公開対局ですので、手探りになりますが集中してベストを尽くしたいと思います」と抱負を語った。
振り駒は歩が4枚で藤井三冠の先手と決まる。両者得意の角換わり腰掛け銀。
先手が9筋を突き越した形に対し、後手は44手目△9二香と反発し、さらに46手目△6五桂と跳ねて開戦する。
後手は飛車で攻め込むが、逆にその飛車を狙われてしまい先手が優勢に。そのまま押し切って藤井三冠が初の決勝進出を決めた。
大盤解説の中村九段の講評は以下の通り。
「後手番が工夫しないといけないのが現代将棋です。
△9二香は先手が2手かけた▲9五歩をとがめる意味で、端からの逆襲を狙った手です。そこで先手は▲6九玉と避難したのですが、その局面は▲4八金は浮いてるし、5筋も突いてあって一見先手陣にスキがあるように見えるんですね。
攻める気満々の永瀬王座はすかさず△6五桂から△8六歩と踏み込みましたが、藤井三冠は▲6八銀から最強の手で応じます。飛車で攻めに来た後手ですが、その飛車を捕獲されると△9二香のおかげで▲9一飛のスキが生じているのは皮肉でした。
対局後の感想戦では対局者からいろいろな手が示されましたが、正直何が正しいのかは全くわかりません(笑)。途中の迫力ある応酬は見応えがあったと思います」。
勝利棋士・藤井三冠のコメント
角換わり腰掛け銀の先手番で、9筋の位を取る形になりました。44手目△9二香は先手が角を手放したら、△9四歩▲同歩△9一飛を狙った手です。そこで▲6九玉としたのですが、その瞬間自陣が不安定で後手の攻めを誘発してしまったかなと。
後手からは△8四角や△7五角の筋など、いろいろ手があります。ただ飛車を取れば▲9一飛がありますから、飛車を狙うことで手応えはありました。
決勝の東京大会は多くの方に見ていただけますので、集中して思い切りよく指したいです。豊島JT杯覇者には早指し戦では勝っていませんので、いい状態で臨まないといけませんね。
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで99手で先手の勝ち
消費時間=10分10分