届け! 葉たばこ農家の想い ― 生産者と消費者をつなぐ「Farmersマルシェ」を現地取材!

この記事を書いた人

ゆみ

こころノート編集部

バイタリティあふれる若手社員。流行に敏感で、人の話を聞くことが好き。また、前時代的な慣習や価値観には疑問を持つ一面も。好奇心旺盛でたくさんの情報をキャッチするので、仕事でよくキャパオーバーになり、先輩二人に助けてもらっている。

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マルシェイベントのJTブースで、野菜の販売!?

 

休日に、地域で開催されていたマルシェイベントに出かけてみました。すると偶然、JTが出展しているブースを発見。のぞいてみると、野菜の販売コーナーが! 「なんでJTのブースで?」と思いつつ、私も思わず引き寄せられて、新鮮な野菜を購入。ブースに立って販売していた生産者の方に、おすすめの調理法も教わりました。

 

販売コーナーの隣には、大きな植物を展示していて、人だかりができています。よく見ると、これは葉たばこだそう! なるほど、野菜の生産者が葉たばこの耕作も行っているんですね。地域の方や家族連れも立ち寄っていて、ブースは大にぎわいでした。

 

その後、家に帰っても「なぜJTがこんな形でイベントへ出展しているんだろう? 」という疑問は消えず、社内でリサーチしてみました!

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地域イベントをきっかけに、葉たばこ耕作を知ってほしい

 

調べてみたところ、こういった出展は「Farmersマルシェ」と呼ばれ、国産葉たばこの認知拡大を目的とした活動の一つなのだとか。

 

全国で展開している葉たばこの耕作は、野菜や果物の生産と同様、地域経済を支える重要な産業の一つ。良質な国産葉たばこを作るために日々努力している生産者のことや、地域での葉たばこ栽培をもっと知ってほしい、という想いから、JTがイベント出展の取り組みを立ち上げ、農作物の販売や葉たばこについての展示を続けているそうです。

 

ますます気になってきた私は、もう一度ブースを訪れて、取材してみることに。イベント出展の企画・運営を担当している、JTの藤崎貴洋(ふじさき たかひろ)さんと古賀大輝(こが たいき)さんに話を聞くため、大分県臼杵市のイベントに行ってきました!

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生産者が自分の言葉で語れば、きっと地域の人の心に響く

 
藤崎さんは、国産葉たばこの認知や価値の向上を目指して、その魅力を広めるための戦略設計が担当の業務。一方、古賀さんは、栽培品質や生産性を向上させるための、生産者への技術指導を主な業務としつつ、イベントの準備や運営も行っています。
 
ゆみ: 今日のブースもにぎわっていますね! 来場者も生産者も楽しそうです。そもそも、なぜJTは、このような取り組みで生産者の認知向上を図っているのでしょうか?
 
藤崎さん: 実は、葉たばこ生産者の数は全国的に減少傾向。加えて、葉たばこの産地に住んでいる方でも、地域で葉たばこが栽培されていることを知る人は減ってきています。でも、そんな環境の中でも、私たちは生産者の方に誇りをもって葉たばこを作ってほしいと思っているんです。
 
古賀さん: それを後押しするために、まず一般の方に葉たばこを知ってもらうことが大切だと考え、イベント出展を始めたんです。この取り組みを始めて、3年目になります。生産者には、基本的に私たちからイベントへの出展を提案しているのですが、今回は「地元のこのイベントに出たい」と紹介してもらい、出展することになりました。
 
藤崎さん: 最近は、「地域の人と交流したい」「自分たちの活動を知ってほしい」という意識が、若い生産者を中心に高まってきています。加えて、これまでの活動を通じて出展経験のある生産者が増えたことで、「うちもやってみよう」という良い連鎖反応が起きているのかもしれません。
 
ゆみ: でも、生産者にとっては慣れないイベント出展。そこをJTが支援しているというわけですね。
 
古賀さん: イベントへの申し込みやスケジュール調整、会場のルールに沿った当日の運用などは私が取りまとめて調整し、展示内容や販売する農作物は葉たばこ生産者と話し合って決めています。実は、私は今回のイベントが初めての主担当になるので、先輩方に助けてもらいながら頑張っています。
 
藤崎さん: 担当して数年の私も、いまだに頭を悩ませていますよ。全国各地のイベントに参加していますが、それぞれ来場者の年代も性別もコンセプトも違う。その中でいかに注目を集め、葉たばこを知ってもらうか、設計が難しいですね。
 
ゆみ: ご苦労のかいあって、今日の展示にも人が集まっていますね。展示で何か工夫していることはあるんですか?
 
古賀さん: 私たちが「見てほしい」と思う内容と、来場者が「見たい」と思う内容にはギャップがあります。例えば、葉たばこの歴史や栽培について淡々と文字で解説するようなパネルを立てても、興味を持ってくれる人はほとんどいません。パッと見て興味をもった来場者が質問してくれるような展示を心がけています。
 
ゆみ: ちなみに、今日の展示で最も意識したことは?
 
古賀さん: 単に情報を羅列するのではなく、地域の強みや魅力を伝えられるように工夫しています。大分県臼杵市は葉たばこにおける有数の産地なので、それを地元の方にアピールするため、「大分」の文字を大きくデザインしたポスターを制作しました。また、乾燥させた葉たばこも展示しています。一般の方は、葉たばこのこんな姿を見る機会は少ないので、「なんだろう?」と疑問を持っていただけるように。加えて、立ち止まって見てくれるお客さんには声をかけ、地元にゆかりのある葉たばこの情報は意識して伝えるようにもしていますね。
 
藤崎さん: 展示内容は、イベントごとに少しずつ進化しているんですよ。レイアウトや内容の見直し、配布物の検討は、都度行っています。来場者に楽しんでもらい、葉たばこのことを伝えるにはどうしたらいいか、トライアンドエラーを繰り返しています。
 
ゆみ: 舞台裏では、試行錯誤があったんですね。葉たばこ耕作を広めたい、という情熱を感じます……! そんなお二人の努力が報われる瞬間は、どんな時ですか?
 
藤崎さん: 生産者が、自身の農作物について来場者と楽しそうに話している時ですね。地元の言葉で親しげに接している姿を見るのが、本当にうれしくて。イベント参加後に、「普段はこんな風におしゃべりしながら物を売ったり、自分の仕事のことを語ったりする機会がないから楽しい」と素敵な笑顔を見せてくれ、この取り組みが生産者の誇りや、やりがいにつながっていることを実感できました。
 
古賀さん: 生産者は毎日仕事に真剣に向き合っているので、イベントを通して地域との関係が深まって、一生懸命さが伝わるきっかけになるとうれしいですよね。
 
藤崎さん: 生産者でない私たちが話すより、実際に汗水を流している生産者の言葉のほうが、きっと来場者の心に響くはず。なので、存分に想いの丈を語ってほしいですし、その積み重ねで、葉たばこ生産者の認知度が上がっていくと思います。
 
ゆみ: 今後私も葉たばこを見た時、生産者の皆さんの顔が浮かぶようになりそうです! 最後に、今後の展望を教えてください。
 
古賀さん: 来場者にとっては、地元で採れた新鮮な野菜を、生産者と直接話して買えることの価値は高いと思っています。会話を楽しみながら安心・安全な野菜を手に入れ、加えて葉たばこへの価値観も良い方向へ変わっていく……そんなイベント展開を続けて、生産者を全力で応援していきたいです!
 
藤崎さん: ありがたいことに、生産者からは「JTは私たちと密に連携してくれる、距離が近い存在」と言ってもらえることが多いんです。今後も葉たばこ耕作におけるパートナーとしてサポートすることはもちろん、今回のようなイベント出展など、さまざまな形での取り組みは続けていきます。生産者の皆さんと一緒に、誇りをもって持続的に葉たばこを作り続けられるような応援の輪を、日本全国に広げていけたら、と思っています。
現地の生産者である内藤将吾さんとの一コマ
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葉たばこ農家への、応援の輪が広がる未来

 

お話を聞いた後、改めて来場者の様子を観察してみました。ワクワクした表情で購入する野菜を選んでいる人や、笑顔で生産者と会話している人、葉たばこの展示に驚き、興味を持って眺める人の姿も。この日、来場者の心に刻まれた心豊かな思い出が、生産者を応援する気持ちを育み、葉たばこ生産者の誇りにつながっていくのだと感じました。

 

日本の各地でこの活動をコツコツと積み上げていくことで、応援する人が一人、二人と増えていき、共感の輪が広がっていく。そんな未来が訪れることを期待して、私も応援し続けます!

profile

担当社員の
ひとことプロフィール

藤崎貴洋さん(左)。JT 原料渉外部。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、趣味のトレーディングカードを眺めた時。部屋を片付けた時、いつの間にかカード鑑賞会に変わって余計に散らかってしまったが、好きな物に囲まれる時間に幸せを感じた。
古賀大輝さん(右)。JT 西日本原料本部 九州中部エリア担当。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、晴れた日に昼寝をした時。南向きの窓から差し込む陽の光のあたたかさを感じながら、「お昼は何を食べようかな」と考えるのが至福のひととき。

※プロフィール掲載内容は2025年2月の取材当時のものです

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