外食の“おいしい”をもっと豊かに。業務用調味料が支える味作りのヒミツ
外食店の味は、どのように作られているのだろう?
毎日夕食を作っていると、どうしてもメニューや味付けがワンパターンになりがち。だからこそ、たくさんのメニューを気軽に楽しめる外食は、私にとって心強い存在です。気分転換したい時や忙しくて手が回らない日は、つい外食店に頼ってしまうことも少なくありません。そんな時にふと、「どうして外食店では、おいしくて多彩な味を提供できるのだろう?」という疑問が頭をよぎりました。
考えを巡らせているうちに思い出したのが、JTグループの調味料事業を担う「富士食品工業株式会社」。外食産業をはじめとする、プロの現場で使われる業務用調味料を手がけている企業です。業務用調味料を扱う富士食品工業なら、外食店の味のヒミツを知っているのでは? そもそも、家の調味料とはどのように違うのだろう? 気になることが次々と浮かんできました。
外食産業を支える、調味料の力とは
ホームページを見ると、富士食品工業の創業当時は、オイスターソースや即席麺用のスープを手がけていたのだそう。横浜中華街から近い立地であることも関係しているのかしら? その後、和食や洋食にも分野を広げているようです。現在ではラーメンスープをはじめとする中華調味料を中心に、幅広い調味料の販売・開発を行っています。
また、既存商品だけではなく、自社の強みを生かして、お客様のご要望を元に商品を開発することも多いのだとか。富士食品工業の調味料の強みって? お店独自の調味料は、どのように開発されているのだろう? さらに疑問が湧いてきて、富士食品工業の百田えみり(ももた えみり)さんに話を聞くことにしました。
こだわりの味作りで、厨房の悩みに寄り添いたい
また、私たちの調味料で提供しているのは“味”だけではありません。香味油でいうと、本来はネギやニンニクを用意して、切って、時間をかけて炒めて……と多くの作業工程とスペースを必要とします。これらの工程を私たちが代わりに再現し、商品として提供することで、調理時間を短縮できます。さらに、お店では香味油を作るための材料や器具を置く必要がなく、仕込み場のスペースを広く使えるようになります。限られた厨房スペースを有効活用できるため、動線がスムーズになり、作業効率の向上にもつながるんです。人手不足で悩むお店では、このような効率化が負担の軽減に直結します。味を改善するだけではなく、店舗運営上のお悩みもサポートできることこそ、私たちの強みだと思います。
社内での味の調整が済んだら、ようやく試作品をお持ちします。一緒に試食をしてからフィードバックをいただき、それを元に調整。この「試食→フィードバック→調整」のサイクルを何度も繰り返し、月に2回ほどお客様の元へ伺って味の調整を重ねます。お客様が提供する料理の味に直結するので、一回の試作で完成することはまずなく、納得いただけるまで何度でもこの作業を繰り返します。
共同開発した商品は、お店でのテストを経て導入が決まります。その際には、必ず現場に足を運ぶようにしています。おいしそうに食べている一般の方の姿を見ると、「自分たちの仕事が誰かの“おいしい”を支えているんだ」と実感しますね。
実は、仕事でさまざまなお店を訪ねるうちに、「ここ、子どもの頃に家族で来たことがあるな」と、ふと記憶がよみがえる瞬間が何度もあって。そこで初めて、食事はただお腹を満たすだけではなく、人の記憶や思い出も作るものなのだと、改めて気がついたんです。だからこそ、私たちの調味料が、お店の課題解決に役立つだけでなく、誰かの楽しい食卓や、心に残るひとときを支える存在でありたいと考えています。そんな想いで、お客様一人一人に向き合っていきたいですね。
“おいしく豊かな時間”を支える存在
取材前は、調味料と聞くと単に「味を整えるためのもの」というイメージしか持っていませんでした。ですが、お話を伺う中で、業務用調味料は、外食産業を味以外の点でも支える“縁の下の力持ち”のような存在なのだと気がつきました。お店の課題に寄り添い、料理人の技を再現し、時にはその店ならではの味を一緒に作り上げていく。そして、その一皿が、誰かの楽しい思い出につながっているのですね。
私自身の外食をした時間を思い返すと、食事が心を軽くしてくれたり、大切な人との記憶になっていたりしたことを思い出します。富士食品工業の調味料は、そんな“豊かな時間”をつむぐために、そっと力を貸してくれていたのかもしれません。
