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D-LABとは
コーポレートR&D組織であるD-LABは、JT Group Purpose「心の豊かさを、もっと。」の具現化に向け、長期視点で、JTグループのまだ見ぬ「心の豊かさ」の研究・探索・創造を推進しています。
「心の豊かさ」という概念は、新たに生み出したものではありません。前身である専売公社時代に遡ると、1968年策定の長期経営計画において「豊かなよろこび」という文言を使用しており、その後もJTグループのミッションやコンセプトの中に、常に「心の豊かさ」という概念が登場します。これまで我々は、たばこを中心としたさまざまな商品・サービスを通じてこの「心の豊かさ」を紡いできましたが、社会が目まぐるしく変化する中、今後も長期的にその価値を追求していくためには、より発展的な取り組みを行っていく必要があります。このような考えから、今までにない新たな手法で「心の豊かさ」を追求することを目指し、D-LABが誕生しました。2013年に経営企画部内のプロジェクトとしてスタートしたのち2020年に組織化され、現在では幅広い経験を持つ80名以上のメンバーが活動しています。
変わり続ける社会や人々の 価値観に合わせて、「心の豊かさ」の提供の⼿段を柔軟に変化させ、長期視点で社会に「心の豊かさ」を育むことに貢献していくとともに、JTグループの収益向上に寄与することも目指しています。
D-LABの取り組み
「心の豊かさ」は、時代や人により絶えず変化します。その変化に対応し、または変化を自ら創出するために、「心の豊かさ研究」・「心の豊かさ事業探索・創出」の大きく2つの活動を行っており、常に100を数えるプロジェクトが進行しています。
「心の豊かさ研究」においては、大学との共同研究に加え、パートナー企業と協働で「心の豊かさ」という価値の理解を深める活動を実施しています。例えば、メディアアート作品の分析や考察を通じて、これまでにない視点で「心の豊かさ」を構想すべく、ART THINKINGの第一人者であるアルスエレクトロニカと協業を行っています。
「心の豊かさ事業探索・創造」においては、「心の豊かさ」という価値に関係する市場理解、将来的な商品・サービスにつながり得るシーズ探索、産業や領域にとらわれない「心の豊かさ事業」の創造を目指しています。未来の事業創出に資するスタートアップに投資するファンドへ単独出資を実施しているほか、ゼロから事業を立ち上げ、複数の製品を販売するなど、実際にお客様へ「心の豊かさ」という価値をお届けするフェーズに進んでいるプロジェクトもあります。
D-LABは、JTグループが大切にしてきた「心の豊かさ」という価値を数十年後の未来においても人々に届け続けるために、今後も多様な活動を行ってまいります。
活動内容
呼吸する休憩所
呼吸するクッション「fufuly」や深呼吸サポートするツール「ston」シリーズを体験できる場として、「呼吸する休憩所」展開しています。昨年10月からJT社内に常設しているほか、他社とのコラボや世界的な展示会への出展を通じ、国内外から注目を集めました。「呼吸する休憩所」は単に商品を体験するためだけの場ではありません。私たちが追求する価値である「心の豊かさ」を体験する場であり、提供価値を起点にイノベーションや事業創造に挑戦する、D-LABのコンセプトそのものであると捉えています。今後は“呼吸”のアップデートを通じ、新たな“呼吸市場”の創出を目指します。
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神谷町本社内の「呼吸する休憩所」では、呼吸するクッション「fufuly」や深呼吸習慣化サポートデバイス「ston s」を体験できる
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ston(ストン)シリーズはニコチンやタールを含まない深呼吸サポートデバイス
Chupica
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Chupicaは、D-LABとTSUYOMI(株)等複数社で共同開発したタブレット型ハミガキ&マウスウォッシュです。JAXAによる宇宙と地上双方での暮らしを改善するビジネス共創の場「THINK SPACE LIFE」*において、水が貴重な宇宙環境でも手軽に口内をリフレッシュすることができないかという想いから誕生しました。泡立ちやフレーバーにも徹底的にこだわり、手軽にすっきりできる使用感を実現しています。宇宙空間に象徴される様々な制約のある特殊環境であっても、自身の気持ちを切り替え「心の豊かさ」を感じる状態へと誘う、スイッチの役割を担う製品です。
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現在運営はNPO法人ミラツクに移行
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研究担当者インタビュー
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心の豊かさの多角的研究と提供価値について
D-LABでは「心の豊かさ」の実現に向け、「心の豊かさ」という価値そのものの研究を大切にしています。現時点では私たちが実現すべき「心の豊かさ」には「ゆらぎ」「こだわり」「つながり」の3つが重要であると仮説立てており、あらゆる活動をこれらの要素を起点に推進しています。しかし、これは暫定的な仮説であり、刻々と変化する社会や人間観に鑑みながら「心の豊かさ」理解をアップデートし続ける必要があります。今後も最新の科学技術の研究や、アートやデザインといったクリエイティブ分野の手法を活用する等、多角的に価値理解を深めていきます。
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(Photo: Tom Mesic)
D-LAB マネージャー
(提供価値研究担当)武田 千愛