2024年に25項目からなるJT Group Sustainability Targetsを策定しました。JT Group Materialityの一つである「お客様の期待を超える価値創造」に紐づく、かつグループの中核事業であるたばこ事業に関連するサステナビリティターゲットでは、従来の「Reduced-Risk Products(以下、「RRP」)展開市場の拡大」といった目標に加え、「リスク低減に係る科学的知⾒の発信」といった新たなターゲットを設定し、RRPへの注力を加速化しています。
また、JT Group Materialityの一つである「自然との共生」に関連し、近年重要性が高まっている生物多様性に関するターゲットを策定しています。生態系影響評価の実施を掲げており、たばこ事業でバリューチェーン全体における生態系影響評価の実施に取り組んでいるところです。当社グループが生態系に与えるインパクトは、同じたばこ事業でも地域ごとで異なるため、今後はより地域ごとでのソリューションを見出していくことが重要です。本社からトップダウンで網をかけるのではなく、各地域・各オペレーションごとの解決策を考え、それぞれで自ら推進していくよう、CSOとして支援していきたいと考えています。
今回はJT Group Sustainability Targetsの進捗を報告する初年度です。中長期のターゲットが大半なので、単年度の実績で進捗のすべては語れないですが、概ね順調な滑り出しと認識しています。また、ターゲットに取り組む上での推進体制が徐々に整ってきた手ごたえを感じています。
例えば「自然との共生」に紐づく“気候変動”に関する目標のマネジメントの質と量の進化がありました。2024年における温室効果ガス排出量の削減目標の進捗をみると、Scope1&2の削減は順調に推移しました。また、バリューチェーン全体での対応が伴うことから課題であったScope 3については、主要サプライヤーに対して科学的知見と整合したGHG排出量の削減を奨励するなど、データ把握に向けての取り組みが進みました。当社グループでは、気候変動への対応の目標として、2030年までに当社グループの事業においてカーボンニュートラルを実現し、2050年までにバリューチェーン全体でGHG排出量をネットゼロにすることを目指しています。目標に向けての取り組みの一環として、2022年にSBT(Science Based Targets)イニシアティブから「1.5℃目標」の認定を取得しています。また、SBTiに対し「ネットゼロ目標」の認定取得に向けた申請を実施しました。
また、当社グループのサプライチェーンマネジメントにおいて“人権尊重”の取り組みは欠かせない課題です。従来人権デュー・ディリジェンスには真摯に取り組んでおり、当社グループでの人権尊重への対応はもとより、サプライチェーン全体でのデュー・ディリジェンスを積極的に展開してきました。コロナ禍で人の移動が難しかった期間においてもオンラインでの対応をするなどしてその歩みを止めることなく、2024年末時点では当社グループ全体で16カ国での人権影響評価を、18カ国で自己評価質問票による分析を完了しました。