JTマーヴェラス

苦しい場面を打破してつかんだ勝利と自信

2015/11/11COLUMN

「2015/16V・チャレンジリーグⅠ」開幕戦を3-0のストレートで快勝して迎えた第2戦。JTマーヴェラスは、試合前に「これまで取り組んできたことをしっかりと試合で発揮しよう」と話し合い、試合に挑んだ。そして、ストレート勝ちを目指して戦ったが、相手に主導権を握られる苦しい場面もあり、1セットを奪われる。しかし、昨シーズンから成長を遂げた選手たちの姿を垣間見ることができる試合だった。

第1セット序盤。先制点を奪われたJTマーヴェラスは、相手に連続得点を許すなど、3-6と先行を許す。ここで相手に傾いている流れを断ち切るべく、吉原知子監督は早々にタイムアウトを要求。そのときのことを中村亜友美は語った。「戦術面は他の選手が率先して話してくれるので、私は、『気持ちだよ』ということを伝えていました」と。さらに「私自身も楽しんでプレーしたいし、そうできるようにチームに流れを持ってこられるようなプレーを心掛けていました」と言葉は続いた。そして、その言葉を体現するかのように、中村はタイムアウト明け後に躍動する。セッター・田中美咲から託されたトスを思い切り打ち抜いてスパイクを決めると、そのままサーバーへ。そして、相手コートの空いたスペースに的確にサーブを放ってノータッチエースを決めると、コートではパワフルなガッツポーズを決める中村を中心に歓喜の輪が広がった。勢いが増したJTマーヴェラスは、奥村麻依のブロード攻撃や田中瑞稀のレフトスパイクで得点を重ね、7-7と早々に同点に追いつく。その後は、アタッカー陣の活躍に加え、セッター・田中(美)のツーアタックも飛び出すなど、着実に得点を加算。完全に試合の主導権をつかんだJTマーヴェラスは、2回目のテクニカルタイムアウトを16-11で迎えると、以降も要所でブレークポイントを重ねていった。そして、対する相手にはブレークポイントを許さず、さらに点差を広げていき、最後は中村が力強いスパイクを決めて25-18。7点差をつけて、第1セットを先取した。

第1セットの勢いそのままに、第2セットはJTマーヴェラスが先行する。セッター・田中(美)は、ネットの幅をいっぱいに使ったトス回しでサイドとセンターへトスアップ。攻撃の的を絞らせないトスワークで相手のブロックラインを翻弄すると、これをアタッカー陣がしっかりと決めて8-4。ダブルスコアで最初のテクニカルタイムアウトを迎える。しかし、タイムアウトが明けてすぐに、流れが相手に傾き始める。「相手チームがどうのこうのというわけではなく、自分たちにボールがあるときに落としてしまうことが多かった」と奥村が言うように、自らのミスもあり、11-13とセット中盤に逆転を許してしまう。しかし、選手たちの気持ちが切れることはなかった。芥川愛加と奥村を中心に相手のスパイクをブロックにかけると、全員でボールを拾い攻撃に転じていく。そして、要所でブレークポイントを奪ったJTマーヴェラスは、セット終盤に20-20と同点に追いつく。直後に1点を返されるも、中村のスパイクに芥川のブロック、そして田中(瑞)のサービスエースなどで連続4得点を挙げて24-21とセットポイントを奪うと、最後はオヌマー・シッティラックと芥川の2枚ブロックで相手のスパイクをシャットアウト。25-21で第2セットも連取する。

セットカウント2-0で迎えた第3セットだったが、「相手に主導権を握られてしまい、苦しい試合運びとなってしまった」と吉原監督が語った通り、苦しい展開となった。序盤はオヌマーが躍動し、レフトサイドからスパイクを立て続けに決めるなど8-4とリード。しかし、中盤以降は得点の奪い合いとなり、徐々に流れは相手チームへと傾いていった。2回目のテクニカルタイムアウトは、16-15とかろうじてリードを保って迎えるも、タイムアウト明け早々、相手のスパイクと自らのミスなどで連続4失点。16-19と3点のビハインドを背負ってしまう。それでも、芥川の連続スパイク、田中(瑞)やオヌマーのスパイクなどで得点を重ね、セット終盤に20-20と同点に追いついた。しかし、その直後に自らのミスなどで連続3失点を喫したJTマーヴェラスは、勝機を逸してしまい、結局23-25で第3セットを奪われる。

しかし、「『もう1回仕切り直しだな』と逆に冷静になれた部分もあった」と奥村が言うように、仙台の勢いにのまれることはなかった。

そして迎えた第4セット。6-8と相手のリードで最初のテクニカルタイムアウトを迎えるが、選手たちに焦りはなかった。「お互いの目を見てコンタクトを取る。プレーが止まっているときだけじゃなく、プレー中もしっかりと声を掛け合って。やるしかないんだからね」と吉原監督は試合中に何度も選手たちに声をかけた。そしてタイムアウト明け早々に田中(瑞)のスパイクで連続2得点を奪って8-8とスコアをタイに戻すと、以降もサイドとセンターを織りまぜた攻撃で得点を加算。2回目のテクニカルタイムアウトを16-15とリードして迎えると、終盤にかけても互いに一歩も譲らぬ展開が続いた。そんな中、スパイクを打つ選手に「行け!」と大きな掛け声で後押ししたり、選手同士で意見を交わしたりとお互いを鼓舞して士気を高めていった。そうして迎えた18-18の場面。拮抗した展開を抜け出す口火を切ったのは、第4セット途中からコートに立ち、この試合でVリーグデビューを飾った橘井友香だった。相手のスパイクレシーブが乱れ、返ってきたボールを迷うことなくダイレクトで打ち抜き19-18。その後も、1点を争う接戦となる中、JTマーヴェラスは先行を走り続ける。そして迎えた22-21の場面、前日の開幕戦でチーム最多の33本のスパイクを打ち、この日は第4セット途中から出場した金杉由香が、レフトスパイクを3本連続で決めて25-21。接戦となった第4セットを制し、セットカウント3-1で勝ち点3をつかんだ。

2015/16シーズンがスタートした当初、吉原監督はさまざまな強化ポイントを挙げていたが、その中の一つに“メンタルの強化”がある。そして、この日の試合では、いかなる状況でも前を向いて試合に挑む選手たちの姿があった。実際、田中(瑞)も、「『今まで、自分たちが一生懸命取り組んできたことはこんなものじゃないよね』と選手同士で話していた」と語ったように、苦しい場面でも選手たち自身で話し合い、流れを引き寄せてつかんだ勝利といえた。さらに田中(瑞)の言葉は続いた。「今日は1セットを失ってしまったけど、これからの試合は1セットも失うことなく戦います」と。
今リーグ、JTマーヴェラスが目指す場所は「V・チャレンジマッチ」であり、目標は「V・プレミアリーグ昇格」を果たすこと。この結果を自信に変え、目標に向けて今後さらなる成長を遂げるはずだ。

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