JTマーヴェラス

強い結束力

2016/01/20COLUMN

首位争いを演じているPFUブルーキャッツとの一戦。前日の練習中に負傷した外国人選手の欠場があったものの、エースが戻ってきたPFUの攻撃陣。第1Legの戦いとは異なる緊張感が会場を包んでいた。

「明日のPFU戦では、相手チームのエースが復帰するので、今日の試合でも明日のPFU戦のことも意識しながらプレーをしていました」

前日、試合後のインタビューで芥川愛加がそう語っていた通り、JTマーヴェラスの選手たちにとって、今回は大切な一戦と言えた。

第1LegのPFU戦では、JTマーヴェラスがストレートで勝利したものの、3セットとも25-20、25-21、25-20と接戦を強いられる展開だった。しかし今回は違った。25-22、25-16、25-17と第2セット以降、大差をつけての勝利。この結果には、前回とは違う“意識の変化”があるようだ。

第1セット、序盤から一進一退の攻防が続く。そんな中、4-4の同点の場面で田中瑞稀のスパイクを契機に、奥村麻依のブロックやオヌマー・シッティラックのスパイクなどで連続5得点を挙げて9-4。その後、中盤はお互いにサイドアウトを繰り返す展開となるが、奥村や芥川の速攻やオヌマーの強打、中村亜友美のスパイクなどで確実に得点を加算。リードを保ったまま試合はセット終盤に突入する。しかし、19-16の場面から中村のスパイクで得点を加算するも、相手エースの攻撃に押されるなどして失点が重なり、20-20の同点とされてしまう。ここからJTマーヴェラスは、田中(瑞)のレフトからのクロススパイクや奥村のブロックなどで23-21として相手をタイムアウトに追い込む。その後も流れを失うことなく、オヌマーの強打で連続得点を挙げ、第1セットを25-22で先取する。

続く第2セット、序盤から試合の流れはJTマーヴェラスに。田中(瑞)のブロックなどで得点を加算しつつ、4-1の場面では、相手エースのレフトスパイクを芥川と中村の2枚ブロックで防御。その後、お互いにサイドアウトを繰り返すが、セッター・田中美咲はサイドを生かした攻撃で得点へとつなげ、1回目のテクニカルタイムアウトを8-4で、続く2回目のテクニカルタイムアウトを16-9で迎え、着実にリードを広げていく。終盤も、奥村の速攻やオヌマー、中村、田中(瑞)のスパイクなどで攻め続け、25-16と9点差をつけて第2セットも連取した。

ストレートで勝利を決めたい第3セット。開始早々、相手の猛攻でなかなか得点を挙げられず、2-4と逆転されてしまう。その後サイドアウトを繰り返す中で徐々に詰め寄り6-6の同点とした後、JTマーヴェラスの反撃が始まる。田中(瑞)のレフトからのクロススパイクでサイドアウトを奪うと、田中(瑞)のサーブを起点に奥村のブロード攻撃や、奥村と田中(美)の2枚ブロック、オヌマーのブロックアウトで連続8得点を挙げて14-6と一気にリードを広げるJTマーヴェラス。中盤も随所で連続得点を重ね、19-13の場面では芥川のスパイクや芥川と田中(瑞)の2枚ブロック、オヌマーの緩急をつけたスパイクで連続4得点を挙げ、23-13とその差を10点に広げた。その直後、相手に連続3失点を許すも、終盤からコートに入った安藤典莉子のスパイクで24-16としてマッチポイントをつかんだJTマーヴェラス。直後に1点を許すも、再び安藤のスパイクが決まり、25-17で第3セットも勝利。ストレートで圧勝した。

「相手チームにエースが戻ってきた中、ストレートで抑えられたのは、昨日のフォレストリーヴズ熊本戦に引き続き、特にブロックとレシーブの関係が良かったことが大きいと思う」

奥村は今回の試合をこう振り返った。しかし、奥村は続けて「第2セット以降、集中力が欠けてしまい、連続ミスをしてしまったところがあった。(それがなければ)もっと点差を離して勝てたかもしれない」と、改善すべき点についても話した。しかし、「V・チャレンジリーグⅠ」で首位争いをするPFUとの試合から、リーグ開幕当初とは違う“JTマーヴェラスの変化”を感じる。吉原知子監督は試合後のインタビューで、「6・7月はかなりの練習量をこなしてきた。今は、量より“質”を意識させて練習に励んでいます」と話した。この質が“意識の変化”を生み、選手たちのプレーにも影響してきているようだ。

その変化の一例として、芥川は話す。「(試合中のブロックについて)リーグ開幕当初は、コーチやベンチからの指示に従って動くことが多かったんですが、今はコーチやベンチからの指示はほとんどないです。今は麻依さん(奥村選手)や私など、ミドルブロッカーが状況を判断して、ブロックの指示を出すことが多いです」と。さらに「コートに入っている自分たちだからこそ、相手がどんな攻撃をしてくるかが分かる」と続けたーー。もちろん、選手たちが勝手に判断して動いているわけではない。ここには、「吉原監督のもと、今までチームみんなで膨大な練習量をこなしてきた“自信と信頼”があるからこそ成り立つ」のだと芥川は話す。

「先輩後輩に関係なく、『こういうときはここを守って欲しい』『ここはこうして欲しい』とチーム全員が発言する機会が多くなったと思います。だから信頼して任せられるし、自分の役割をまっとうすることができる。そういう形が徐々にできてきていると思います」

チームの結束力がより強くなってきた2016年のJTマーヴェラス。「2015/16V・チャレンジマッチ」まで残り10試合。奥村はインタビューの最後に「絶対に決めなきゃいけない“1点”を、みんなで取りに行く!」と力強く話した。今年のJTマーヴェラスは、どこまで変貌するのだろうか。

JTマーヴェラス
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