JTマーヴェラス
スペシャル
SPECIAL

吉原スピリット

2016/01/27COLUMN

「ここ最近になって、タイムアウト中に1から10まで細かく指示を出さなくても、自分たちで状況を理解して動いたり、一言二言伝えるだけで“今、自分たちが何をしないといけないのか”ということが、徐々にですけど、できてきているんじゃないかな……」

試合後のインタビューで、吉原知子監督は今のチーム状況についてこう話した。
そして井上琴絵も「2015/16Vリーグ」開幕当初と今のチームの変化をこう見る。

「開幕当初は、練習してきたことが試合中に出せるときと出せないときがあって、自分たちの思うように攻撃ができなかったり、相手の攻撃に対するディフェンスに対応しきれないことが多かった」

さらに井上は続ける。「今年に入って、だんだんと自分たちの思い描く試合展開を作りだせるようになってきたと感じています。それと、相手に対する守りや、ブロックとレシーブの関係が機能し始めてきていることも、得点につながってきているんじゃないかなと思います」

目下11連勝中のJTマーヴェラスは、「2015/16Vリーグ」開幕2戦目でセットカウント3-1と1セット取られた仙台ベルフィーユとの一戦に臨んだ。試合は、今回も前回同様、3セット目を相手に取られてしまう展開となる。 芥川愛加は試合後のインタビューで、「相手のスピードある攻撃にテンポを乱されてしまって、自分たちの持ち味を出し切れなかった」と振り返った。

第1セット開始早々、相手のスピードある攻撃にペースを乱されるJTマーヴェラス。1回目のテクニカルタイムアウトを3-8で迎え、相手に5点の差をつけられてしまう。その後も、田中瑞稀のスパイクや芥川と中村亜友美の2枚ブロック、オヌマー・シッティラックの強打などで得点を重ねるも、要所で相手に連続得点を許してしまい、このまま終盤まで相手の背中を追う展開となるかと思われた。しかし、14-19の場面で試合は動く。芥川の速攻で15-19とした後、流れは一気にJTマーヴェラスへ傾き始めた。田中美咲のサーブが相手陣形を崩し、芥川と中村の2枚ブロックや中村のスパイク、オヌマーのダイレクトスパイクなど、攻守にかみ合ったプレーで得点につなげ、連続10得点。鮮やかに逆転したJTマーヴェラスが、25-19で第1セットを先取した。

吉原監督は第1セットの選手たちについて、「以前は、点差を離されると、相手のペースにずるずると最後まで引きずられることが多かったが、第1セットについては、“自分たちはやれる”とか“ここを修正すればいける”とか、“自分たちで考えて行動に移す”ということが、できてきていたと思う」と振り返った。

続く第2セット、先制点を相手に奪われた後、相手リードのまま1回目のテクニカルタイムアウトを6-8で迎える。しかしタイムアウト明け、芥川のブロードでサイドアウトを奪うと、田中(美)のサーブでブレークを重ねて連続5得点。12-8と逆転すると、直後、相手に連続2失点を喫するも、オヌマーのライトからのクロススパイクでサイドアウトを奪い連続3得点。15-10とリードを広げる。試合は、主導権を握ったJTマーヴェラスのペースで進み、セット終盤の23-18の場面で連続3得点を許すもリードを守り続け、25-22で第2セットも連取した。

しかしここから、JTマーヴェラスの“弱い部分”が見え始める――。

第3セット、JTマーヴェラスが先制点を取るも、要所で連続失点を喫し、7-9と相手の背中を追う展開に。しかし、芥川の速攻でサイドアウトを奪った8-9の場面から、第2セット途中でコートに入った金杉由香のサーブを起点に、田中(瑞)のスパイクや芥川と中村の2枚ブロックなどで連続4得点を挙げて12-9と逆転。2回目のテクニカルタイムアウトも16-11とリードして迎えた。しかし、ここから相手の反撃が始まる。タイムアウト明け、JTマーヴェラスは、粘り強い相手とのラリーが続く展開から決定打を挙げられず、連続5失点を喫し16-16と同点とされる。その後、攻防戦を繰り返すも、要所で相手に連続得点を許してしまい、21-25で第3セットを落としてしまった。

中村は試合後のインタビューで、第3セットをこう振り返る。

「試合が始まる前は意識していなかったんですけど、試合の流れが相手に傾いてきたときに、1Legでの仙台戦で1セットとられたことを意識し始めてしまって、焦ってしまいました……。吉原監督からもタイムアウト中に、技術面以外のことを言われてしまって。相手よりも自分たちがやるべきハードワークができていなかった」

中村は続けて、第4セットについても振り返った。

「でも第4セットは、今週の試合に向けて明確にしてきた“サーブ&ブロック”が機能し始めたかなと。それと、セットを落としていく中で自分たちのプレーを修正していくこともできたし、スタッフからの的確な指示もあったので、得点が取れたと思います」

中村が「得点が取れた」と話す第4セットは、序盤からJTマーヴェラスが主導権を握る展開となった。先制点を相手に取られた0-1の場面から、中村のレフトスパイクでサイドアウトを奪うと、サーバーに入った金杉のサービスエースや田中(瑞)の相手コートの穴を狙った巧みなスパイクで連続5得点を挙げて5-1。その後、一進一退の攻防戦となるが、8-4の場面から田中(瑞)のスパイクや金杉のクロススパイクなどで再び連続5得点を挙げて13-4とその差を9点にした。そして、16-10の場面で奥村麻依と中村の2枚ブロックや田中(瑞)の1枚ブロックなどで連続3得点を挙げた後、相手に1点を許してスコアは19-11となるも、波に乗り続けるJTマーヴェラス。中村のスパイクでサイドアウトを奪った後、奥村と第4セットからコートに入ったセッター・山本美沙の2枚ブロックや奥村のダイレクトスパイクなどで連続6得点を挙げて25-11。第4セットを大差で制し、セットカウント3-1で勝利した。

“吉原スピリット”が徐々に形を成してきたJTマーヴェラス。
吉原監督は「V・チャレンジマッチ」に向けた残りの試合について、こう語る。

「練習でいくらやっても、それを本番でやれないと“自信”にはつながらない。どういう状況でも、普段の練習を試合でしっかり出して、自分たちの力で1点1点を取っていくことが、選手たちの自信につながると思う。相手云々よりも、自分たち自身の“プレーの内容や質”を詰めていけたらと思います」――。

JTマーヴェラス
JTマーヴェラス