JTマーヴェラス

発揮した自分たちのバレーボール

2016/02/17COLUMN

前日の大野石油広島オイラーズ戦に勝利し、開幕より負けなしの18連勝で首位をひた走るJTマーヴェラス。この日は、6ポイント差で2位につけているPFUブルーキャッツとの一戦に挑んだ。勝利すれば「2015/16V・チャレンジリーグⅠ」での優勝が決まる。逆に、敗れてしまうと、優勝争いは最終戦までもつれてしまう可能性も残っていた。このいわばJTマーヴェラスにとっての天王山の舞台は、PFUのホームである金沢市総合体育館(石川県)。JTマーヴェラスの応援団席から、コートを挟んで反対側の観客席には、PFUの勝利、そして、逆転優勝を信じて止まない相手チームのファンで埋めつくされていた。

「相手がどこのチームとか、大事な試合とかは関係ない。私たちの目標はあくまで『2015/16V・チャレンジマッチ』なので、自分たちが取り組んでいる課題をしっかりと試合で発揮できるかが大事」と話す中村亜友美は、現在、チームが取り組んでいる課題について、「先週からは、ブロック&レシーブと、サーブでしっかりと攻めるということを徹底して取り組んできた」と語った。その課題の成果はこの天王山でプレーとして現れる。

第1セット立ち上がり。相手はレフトに構えるエースにボールを集めて攻撃を仕掛けてくる。得点が決まるたびに会場は大きく沸き、歓喜の声が会場を包む。しかし、JTマーヴェラスの選手たちが、このアウェーならではの雰囲気に飲み込まれることはなかった。互いに得点を重ねて迎えた4-4の場面から、徐々に相手の攻撃をしのいでいく。

「序盤はブロックが遅れて1対1になるケースが多く、あっさりと相手のエースにスパイクを決められていたが、サーブで攻めて相手の陣形を崩してからは、しっかりと2枚ブロックでつけているケースが増えたと思う」

そう試合を振り返った芥川愛加の言葉の通り、JTマーヴェラスは効果的なサーブを放ち、相手の陣形を揺さぶると、ブロックラインを整えてスパイクをワンタッチにかけていく。そして、後衛にかまえるレシーバー陣が、勢いの落ちたボールをしっかりと拾って攻撃へ転じると、田中瑞稀や奥村麻依、オヌマー・シッティラックらがスパイクを決めていく。最初のテクニカルタイムアウトを8-4のダブルスコアで迎えると、2回目のテクニカルタイムアウトは16-10で迎え、徐々に点差を広げていく。その後、終盤にかけても攻めのサーブから攻撃のリズムを作り、主導権を握って試合を展開したJTマーヴェラスは、25-19で第1セットを先取する。

続く第2セットは、前半こそリードを奪い合う拮抗した展開が繰り広げられるが、12-13の場面から、JTマーヴェラスに流れが傾き始める。田中(瑞)のレフトスパイクでサイドアウトを奪い13-13とスコアをタイにしたところで、サーバーに下がった芥川のサーブで相手の陣形を乱すと、奥村がスパイクコースをしっかりと読みシャットアウト。その後も芥川自身のサービスエースや、返ってきたチャンスボールをオヌマーがバックセンターからきっちりと決めるなど連続3得点を奪い、16-13と拮抗した展開から一歩抜け出す。そして、試合の主導権を最後まで渡さなかったJTマーヴェラスは、奥村のサーブを起点に連続得点を重ねるなど要所でブレークし、25-19で第2セットも連取する。

そして、優勝に王手をかけた第3セット。このセットも、JTマーヴェラスが主導権を握って試合を展開する。互いに得点を奪い合い迎えた5-4の場面。サーブについて吉原知子監督に「思い切りやっていいよ」と声を掛けられた中村は、サーバーに下がると緩急をつけたサーブを放ち続けた。そして、自身のサービスエースや、奥村とオヌマーのスパイクをお膳立てするなどJTマーヴェラスが連続4得点を奪い、9-4と序盤から先行する。その後も、オヌマーや芥川もサービスエースを決めるなど、終始サーブで相手を圧倒。守っては、「レシーブの位置取りについて、ブロッカーと話し合った」と小幡真子が言うように、ブロック&レシーブが機能。ブロッカー陣が相手スパイカーの前にしっかりとつき、ベストコースを封じると、リベロ・小幡を中心とした後衛のレシーバー陣はブロッカーのフォローに入り、相手がブロックをよけて打ってきたボールを拾って攻撃へと転じたJTマーヴェラス。相手がサイドアウトに終始する間に何度もブレークポイントを重ね、20点台突入時には、20-11と9点ものリードを奪って終盤を迎える。その後も、田中(瑞)がサービスエースを決めるなど、最後まで効果的なサーブを放ち続け、さらにリードを広げたJTマーヴェラス。結局、25-14と11点差をつけて第3セットも連取し、セットカウント3-0のストレートで勝利。連勝を19に伸ばすと同時に、「2015/16V・チャレンジリーグⅠ」での優勝を決めた。

「選手たちは、スタートから集中していてよかった。自分たちが思うようなバレーボールが少しはできたんじゃないかと思う」

吉原監督がこの試合をそう評したように、サーブで攻め立て、ブロック&レシーブの関係が機能し、自分たちのバレーボールを発揮して勝利をつかんだJTマーヴェラス。いかなる試合でも、今日の試合のように自分たちのバレーボールを発揮すれば、結果は自ずとついてくる。それは、今シーズン最大の大一番と位置付けている「2015/16V・チャレンジマッチ」も同じだ。この日、何度もボールを拾い、攻撃へ転じる起点となった小幡は言う。「『2015/16V・チャレンジマッチ』は、関東で開催されるので、私たちにとっては、アウェーの雰囲気になるかもしれない。けど、その雰囲気に飲み込まれることなく、私たちは私たちのバレーボールをするだけ」と。
リーグの残り2試合もきっちりと勝利し、いよいよ、絶対に負けられない「2015/16V・チャレンジマッチ」へ挑む。

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