JTマーヴェラス
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「2015/16V・チャレンジマッチ」完勝

2016/03/09COLUMN

ついにその瞬間は訪れた。JTマーヴェラスが田中瑞稀のレフトスパイクで決勝点を奪うと、ファン、選手、スタッフ、関係者全員で今シーズン最大の喜びを分かち合う歓喜の声で会場は包まれた。前日の第1戦に続き、第2戦もセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、JTマーヴェラスは「2015/16V・チャレンジマッチ」の勝利を決めた。

今シーズンがスタートしてから、全ての時間をこの日のこの瞬間のためだけに費やしてきたJTマーヴェラス。吉原知子新監督の下“全員バレー”を掲げ、技術面はもちろん、メンタルも徹底的に鍛え上げてきた。「2015/16V・チャレンジリーグⅠ」を21戦全勝で終えて迎えた上尾メディックスとの「2015/16V・チャレンジマッチ」第1戦。自信に満ち溢れた姿でコートに立った選手たちは、見事3-0のストレートで勝利した。そして、迎えた第2戦。優位な立場にありつつも、誰ひとりとして油断している者はいなかった。

「1戦目をストレートで勝てたからといって、今日はどうなるかは分からないし、3セットを取るまで油断はできない。今日も絶対ストレートで勝とう!」

選手たちは試合前にそう話し合い、チームの士気を高めて戦いに挑んだ。スターティングメンバーとしてコートに立ったのは、第1戦同様に芥川愛加、奥村麻依、中村亜友美、オヌマー・シッティラック、田中美咲、田中(瑞)、そしてリベロ・小幡真子の7選手。強い気持ちを持ってコートに立った選手たちは、立ち上がりからリズムをつかみ、自分たちのバレーボールを展開する。

「サーブで攻めて、ブロックとレシーブで粘り強く戦うことができていた」

吉原監督がこの日の試合をそう振り返ったように、サーブが走ったことによってブロックとレシーブの関係が機能したJTマーヴェラス。第1セット、田中(美)のサーブを起点に相手外国人選手のライトスパイクを芥川とオヌマーの2枚ブロックでシャットアウトして先制点を挙げると、続く1本でラリーの展開となる中、何度もレシーブで切り返して攻撃へと転じ、オヌマーのスパイクで得点を加算。その後、中村のパワフルなサービスエースで得点を挙げるなど、1回目のテクニカルタイムアウトを8-4とダブルスコアで迎えた。その後もリードして試合を展開するも、中盤に連続失点を喫して11-10と1点差に詰め寄られてしまう。ここで、吉原監督はタイムアウトを要求。選手たちは、修正すべき点を確認し合う。この点が、吉原監督が選手たちの最も成長したポイントの一つに挙げる「自分たちで何を修正しなければいけないのかを見極められるようになった」ことの現れだった。
修正点を確認し合ったJTマーヴェラスは、タイムアウト明け、再びリードを広げていく。芥川や中村のスパイクなどでブレークポイントを重ねて16-13とリードを広げると、1点を失った16-14の場面では、中村のスパイクでサイドアウトを奪う。そして、そのままサーバーに下がった中村のサーブを起点に、1本のサービスエースを含む連続3得点を挙げ、20-14とリードを広げたJTマーヴェラス。セット終盤にリードを6点に広げると、勢いもそのままに、その後もブレークポイントを重ね、最後はオヌマーがスパイクを決めて25-18。第1セットを難なく先取したJTマーヴェラスは、この時点で「2015/16V・チャレンジマッチ」の勝利を決めた。

無論ここで満足することなく、選手たちはストレートでの勝利を目指して第2セットへ挑んだ。序盤から、セッター・田中(美)はサイドとセンターを絶妙に織り交ぜたトスを配給し、相手のブロックラインを翻弄していく。それを、アタッカー陣がきっちりとスパイクで決めると、1回目のテクニカルタイムアウトを8-6とリードして迎えた。以降もJTマーヴェラスのペースで試合は進み、2回目のテクニカルタイムアウトを目前に、15-13と先行。しかし、ここで、相手が2枚替えを試みて前衛に180㎝台の選手を2人揃えると、JTマーヴェラスは高い壁のプレッシャーでスパイクアウトなどミスを誘発され、連続5失点を喫して15-18と一気に逆転を許してしまう。ここで吉原監督がタイムアウトを要求。第1セット同様に選手たちが中心となって修正点を確認し合うと、タイムアウト明けにオヌマーと中村のスパイクなどで連続4得点を挙げて19-18。すぐに逆転に成功すると、そのままリードを守りきり、25-23で第2セットも奪った。

続く第3セット。ストレート勝利に向けてJTマーヴェラスの攻撃力は増し、次々とスパイクを決めていく。統率されたブロックラインで相手のスパイクを引っかけて攻撃に転じると、中村と田中(瑞)のサイド陣にボールを集めて得点を重ねていった。そして、相手チームにサイド攻撃を印象づけたところで、田中(美)は攻撃の主軸をシフト。サイドから一転、奥村と芥川のミドルブロッカー陣にボールを集めて得点を加算する。攻撃の的を絞らせない多彩な攻撃を展開したJTマーヴェラスは、11-6と序盤で大きく差をつける。中盤には第2セット同様に相手の反撃に遭って12-12の同点に追いつかれるも、すぐさま1点を加えて再び優位に立つと、中村のブロックや奥村のクイック、オヌマーのスパイクなどで要所でブレークを重ね、終始リードを奪ったJTマーヴェラス。そして迎えた23-21の場面、粘り強いバレーボールを展開する。

「吉原監督には、『相手よりもハードワークをして、粘り強くボールも拾って攻撃につなげていこう』とずっと言われていたので、それを最後まで実行できていたと思います」

そう奥村が言うように、互いの負けられない気持ちがぶつかり合うラリーが繰り広げられる中、JTマーヴェラスはスパイクを1度や2度相手の壁に弾かれようとも全員でフォローに入り、粘り強くボールを拾い続けて攻撃へと転じていった。最後は、「みんながフォローしてくれたので、自信を持って打つことができました」そう試合を振り返った田中(瑞)がラリーに終止符を打つスパイクを決めて24-21とし、マッチポイントを奪う。そして、訪れた最終局面。セッター・田中(美)は最後の攻撃も田中(瑞)へ託すと、これを田中(瑞)は迷うことなく右腕をおもい切り振り抜き、相手コートにスパイクを叩き込んだ。その瞬間、大歓声が会場を包み込み、コート上では歓喜の輪が広がった。2戦ともにセットカウント3-0のストレート勝ち。最高の結果で上尾メディックスとの「2015/16V・チャレンジマッチ」を制したJTマーヴェラス。緊張と重圧から解放された選手たちの目には喜びの涙が光っていた。

「悔しい思いをした分、選手たち自らの力で得た今回の結果は自信につながると思います。選手たちには『やればできるでしょ!』と言いたいですね」

そう試合後に笑顔で語った吉原監督。V・チャレンジリーグ降格から2年。苦しい時期を乗り越えてついにV・プレミアリーグ昇格の権利を得た。「昨シーズン、V・プレミアリーグに復帰できず、ファンの方々には申し訳ない思いでいっぱいだった」と奥村は話すが、この1年間は決して無駄な時間ではなかった。昨シーズン以上に練習に取り組み、自らを極限まで追い込んで取り組んできたからこそ、自信を持ってコートに立ち、持てる力を120%発揮することができた。今リーグ大一番の舞台でなし得た成果は、選手たちの自信となり、今後さらなる成長につながるに違いない。そして来シーズン、さらなる飛躍を果たすために、JTマーヴェラスはより一層の強化を図り、再び激しい戦いの舞台に戻ってくる。

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