JTマーヴェラス
スペシャル
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取り組んできた成果を出し切り成し遂げた連覇

2016/05/10COLUMN

連覇を目指して挑んだ「第65回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会」。JTマーヴェラスは、準決勝までの5試合のうち、3試合でフルセットにもつれ込む厳しい戦いを乗り越えて、決勝の舞台に立った。そして、今シーズン最後の試合となる決勝で、NECレッドロケッツを相手にこの1年間取り組んできた成果をいかんなく発揮し、大逆転優勝を成し遂げる。

試合は第1セットから両者の力がぶつかり合う激しい展開となった。JTマーヴェラスは立ち上がり早々に連続4失点を喫するも、スターティングメンバーに名を連ねた中村亜友美や金杉由香、そして位田愛のサイドアタッカー陣を中心にボールを集め、相手を攻め立てていく。

「相手の両サイドのブロッカーが低かったので、サイドから攻めていこうと考えていた」

この日のゲームメークについて、セッター・田中美咲がそう振り返ったように、サイドアタッカー陣が中心となって得点を重ねていくと、序盤に同点に追いつき、そのまま一気に逆転。中盤から終盤にかけては、JTマーヴェラスが一歩リードして試合を展開していく。20点台を迎えても、先行していたのはJTマーヴェラスだった。しかし、20-16の場面から自らのミスも重なり連続3失点。20-19と1点差に詰め寄られると、徐々に流れが相手へと傾き始める。サイドアウトの応酬となる中、迎えた23-22の場面で相手にブレークを許し、同点に追いつかれると、試合はそのままジュースへ。JTマーヴェラスは奥村麻依や金杉、位田らのスパイク、さらには、相手のミスにも救われて得点を重ねていくが、一方で相手のスパイクを止めることができなかった。結局29-29の場面から連続でスパイクを決められ、29-31で第1セットを落としてしまう。

続く第2セットも同じだった。相手のすべての攻撃に対応しようとするあまり、ブロックラインの形成が間に合わず、相手のサイド攻撃で失点を喫する場面が目立つ。それでもJTマーヴェラスのアタッカー陣も踏ん張りを見せた。相手コートにスパイクを叩き込んで得点を重ね、試合はまたもジュースに突入する。しかし、25-25の場面から相手セッターのツーアタックと自らのミスで連続得点を許し、25-27。第2セットも落としてしまい、セットカウント0-2と窮地に追い込まれてしまった。しかし、ここからJTマーヴェラスは、今のチームの真骨頂ともいえる強いメンタルを発揮し、巻き返しを見せる。

「2セット取られても負ける気は全然しなかった」

この日、気迫あふれるプレーでチームを鼓舞し続けた中村は、第2セット終了時点の心境をそう振り返った。また、吉原知子監督も、「2セット取られても、修正点を自分たちで話し合い、試合を巻き返していった」と振り返ったように、選手たちに焦りの色は一切なく、自分たちで試合を立て直し、逆襲を仕掛けていく。

「ブロックについて、どこに的を絞っていくのか割り切ってコミットしていこうと話し合った」と奥村が言うように、第3セットに入ると的を絞ったブロックラインが機能し始める。立ち上がりから小川杏奈や、田中(美)と奥村の2枚ブロックが飛び出すなど、序盤はJTマーヴェラスが先行して試合を展開。しかし、第3セットで勝負を決めたい相手を前に、10-10と中盤に追いつかれると、そのまま逆転を許してしまう。相手の背中を追いかける形で試合は進み、終盤には17-21と4点差を付けられていた。それでも、選手たちは強い闘志を持って戦い続ける。「負けている状況でも最後まで戦い抜こうと声を掛け合っていた」と中村は言う。ここから、JTマーヴェラスの怒涛の追い上げが始まった。

「サイドへのマークが厳しかったので、積極的にミドルも使っていこうと麻依さん(奥村麻依選手)と話していた」

セッター・田中(美)の思惑は的中した。サイドを主体とした第1、2セットの攻撃から一転、センターを多く織り交ぜた巧みなトスワークで相手のブロックラインを翻弄する。この日、スタートからコートに立つ小川のクイックで1点を返し、反撃ののろしを上げると、位田のレフトスパイクや小川のブロックなどで連続4得点。21-21の同点に追いつく。互いに得点を重ねて迎えた22-23の場面からは、中村の強烈なライトスパイクと奥村のスパイクで連続得点を挙げて24-23とし、JTマーヴェラスがセットポイントを奪う。そして、最後は長いラリーの末、奥村が相手のスパイクをシャットアウト。25-23で、まずは1セットを取り返した。

第4セットに入ると、もう流れはJTマーヴェラスのものだった。奥村と小川を中心としたブロックラインが機能し、相手のスパイクをブロックにかけて攻撃に転じていくと、サイドとセンターから次々とスパイクを決め、リードを保ったまま試合を展開。終盤には21-16と5点の差をつけた。その後はサイドアウトの応酬となるが、最後は位田がスパイクを決めて25-20。第4セットを奪い、勝負の行方を最終セットへと持ち込んだ。

そして、迎えた最終セット。勢いもそのままに挑んだJTマーヴェラスは、攻守において相手を圧倒する。金杉と中村のスパイクや、中村と奥村の2枚ブロックで相手の攻撃をシャットアウトするなど、試合を優勢に運び、10-6と4点差をつけて終盤へと突入する。その後、連続失点を喫し、13-12と1点差まで詰め寄られるも、最後まで全員が粘り強くボールに食らいつき、得点の機会をうかがった。最後は、奥村が相手のスパイクを連続でシャットアウト。15-12で第5セットを勝ち取り、2セットダウンからの大逆転優勝を成し遂げた。

何度も窮地に立たされる場面はあったが、一度も諦めることなく勝利を信じて戦い抜いたJTマーヴェラス。試合後、相手チームの監督も「粘り強いバレーボールの前に、最後は根負けしてしまった部分がある」と語った通り、諦めない気持ちが勝利を手繰り寄せた。コートの中でチームを牽引し続けた奥村は言う。

「気持の面で相手に負ける気はしなかった。一人一人の技術面では劣っていたとしても、チームとしては私たちの方が強いと思っていたので、仲間を信じて粘り強く戦って勝てたと思う」

今シーズン重点的に取り組んできたことの一つである“メンタル強化”の成果をいかんなく発揮して成し遂げた黒鷲旗大会連覇。V・プレミアリーグ勢を破って得た最高の結果を胸に、JTマーヴェラスは来シーズン3年ぶりとなるV・プレミアリーグの舞台でさらなる高みを目指す。

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