スペシャル
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“最高レベルの基本”を目指して

2017/09/01INTERVIEW

“最高レベルの基本”を目指して

監督就任3シーズン目となる吉原知子監督にお話を聞きました。2017/18シーズンの目標は、「とにかく勝ちにいくこと」。徹底した基礎練習とハードワークに取り組んだ北海道芦別合宿。その真意と、監督が選手たちに求めているものとは――。

今よりも、もう一歩踏み込んだ理解力を

――合宿も中盤戦に突入していますが、ここまでの成果はいかがですか?

順調にきているとは思います。合宿なので、選手たちには頑張ってほしいという思いがありますね。

――今回の合宿にはどんなテーマをもって臨んでいますか。

部分部分における強化はテーマの一つですね。「今日から3日間はここに集中していこう」といったように、強化ポイントを絞りテーマを持って取り組んでいます。ですから実際の練習では、選手たちがそのテーマをきちんと理解して練習できているかどうかを確認しながら、最終的にどれだけ完成度を上げられるかといった点を見ています。この時期は特に、基本を理解した上で、いかにコート上で発揮していけるかといったところを重点的にやっていますね。

――目下の課題はどんな点にありますか?

全部が課題ではありますが、中でも私が選手たちに求めているのは「精度を高める」ということですね。「精度を高める」というのはすなわち、同じプレーを何度やっても、必ず同じようにできるということ。今よりも、もう一歩踏み込んだ理解力やレシーブの読み、関係性といった部分を追究しています。

試合では、同じ状況が生まれることは一度としてありません。状況の変化に応じて基本を応用していくことが求められます。さらに、そこには対応の速さなどいろいろな要素が加わってくるので、チーム全体で詰めを行っています。

基本ができていないと、必ず壁にぶつかります

――毎シーズン、基本に立ち返る時期を設定しておられますね。その意図とは?

簡単にいえば、土台のないところに家は立たないですよね。バレーボールでいう“土台”は、例えば基本的なパスであったりするわけです。100本パスを打ったら、100本とも同じところに上がらなくてはいけないし、そうできるように自分でコントロールしなくてはいけない。スパイクも同じです。低いトスは打てるけど高いトスは打てない、というのではいけない。ミドルプレーヤー(ミドルブロッカー)ならきちんと助走して、高いボールも打てるというのが基本なんです。

基本ができていないと、必ず壁にぶつかります。逆に基本ができていれば、あとは練習の中で積み上げていって、技術を高めていくことができる。選手たちがやっているパスだったり、高いトスを打ったりといったことは、皆さんの目から見ると「もう、できているよね」と思われることかもしれません。でもその“できる”レベルが中学・高校レベルでは困るんです。セッター以外のプレーヤーが二段トスを上げるときも、常に同じところに上げられるようにしなければいけません。求めているのは“最高レベルの基本”なんです。

今の時期はその基礎的な部分、土台をつくりながらリーグ戦に向けて少しずつ積み上げている段階です。その後、チームのコーディネートを行い、さらに質や確率を高めていくという最終段階に入っていきます。

選手全員が監督であり指導者になりなさい

――昨シーズンからメンバーの入れ替わりもありましたが、選手たちの意識に変化はありますか?

意識の面で、高くなっている印象はありますね。プレー中も「今、絶対決める場面だったよね」といったように“絶対にこうでなければいけない”という局面や、約束事に対する意識ができつつあります。自分たち自身に求めるプレーの質が上がってきていると思います。

バレーボールは「リズムのスポーツ」といわれますが、勝つために必要なのは、勝負どころでの1点が取れるかどうか。これでガラッと流れが変わります。あとは、戦略的な部分をどれだけしっかりやれるか。例えば、狙った場所にどれだけの確率で正確にサーブを打てるか、その結果どのくらい相手を崩すことができるかといった戦術が重要になってきますね。

――チームの中心となってくるのはどの選手ですか?

誰とかはないですね。上下関係や年齢を取っ払い、チームとして「いいものはいい、悪いものは悪い」というコミュニケーションが取れて、私がタイムアウトを取る前に自分たちで修正できるようになるのが理想です。指示待ちになると、後手に回ってしまいます。自分たちでできるように普段からポイントを押さえておくこと、そのポイントについて自分たちがちゃんとできているのかどうか冷静に見極められるようになることも試合では必要です。

――選手たち自身に「監督になりなさい」と。

そうです。もちろん簡単ではありませんが、選手全員が監督であり指導者になりなさい、というくらいまで意識を落とし込んでいきたいです。もし、それができるようになれば、本当に苦しいときまでタイムアウトを取っておけるということにもつながりますしね。

とにかく勝ちにいくこと

――今シーズンは吉原監督が就任されてから3シーズン目となります。ご自身にとってどんなシーズンであると位置づけておられますか?

3シーズン目は、とにかく勝ちにいくこと。メンタル、技術、そして体力の強化は1シーズン目からずっとやってきていますし、選手たちの体つきは昨シーズンよりもずっとよくなってきています。それらも含めて、勝たなくてはいけないシーズンになると思います。

――最後に、ファンの皆さまへメッセージをお願いします。

いい準備をして「2017/18V・プレミアリーグ」開幕に臨みます。楽しみにしていてください。

JTマーヴェラス