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すべての経験を力に変えて――新リーグの初代女王を目指す新たな戦いが幕を開ける

2018/11/01COLUMN

2018/19シーズンが間もなく幕を開ける。
バレーボールの価値を更に高めるために発足された新リーグ(V.LEAGUE)を舞台に、すべてをかける戦いが大阪での開幕戦から始まる。

去シーズンの2位があったからこそ勝てた、というシーズンに
あの悔しさを忘れない――。

頂点まであと一歩と迫った昨シーズンのファイナル。ずっと目指してきた場所とはいえ、初めて経験する緊張感や、独特の雰囲気に飲まれ、力を発揮することもできぬまま敗れた。長いシーズンを戦って準優勝。十分胸を張れる結果であるのは間違いないが、あと一歩までたどり着きながら負けた。その悔しさが上回る。
だからこそ、吉原知子監督は掲げた。今年こそ頂点に立つ。そのために、一切の妥協はしない、と。
「いい時、悪い時は必ずあります。でもそういう時にこそ、どんなに悪くてもここまでできる。そこを確立していこう、とメンタルも技術も『最低限ここまでは絶対にやる』と取り組んできました。悪いことが起きてあぁダメだ、と思うのではなく、その切り替えを早くする。いい経験をさせてもらえたので、だからこそいい経験をした、で終わってしまわないように。去年2位だったからこそ今シーズンは勝てた、と思えるようにつなげていきたいと、昨シーズンが終わった時点からずっとそう思って取り組んできました」

経験という得難い武器

若手が増え、実戦経験を重ねるために「2018V・サマーリーグ」と「第60回近畿6人制バレーボール総合男子・女子選手権大会」に臨む一方、吉原監督が就任以後、徹底して掲げ続けてきたハードワークを貫くべく体力をつける。特に夏場は走り込みや厳しいトレーニングを行い、まさに「鍛錬期」と言うべき時間を重ねてきた。
その苦しさを乗り越えたことが精神的なたくましさも養い、リーグ中にどんな状況になろうと乗り越えることができる。吉原監督はそう言う。
さらに今シーズンもう1つ、チームに加わった強みがある。「経験」という武器だ。
昨シーズンの決勝戦を戦った経験。敗れて味わった悔しさという経験。そして主将に就任した小幡真子が日本代表として世界選手権で重ねた経験。さらに今シーズンもチームの得点源として期待がかかるブランキツァ・ミハイロヴィッチの世界一に輝いた経験。
そして、選手として幾多もの栄光や苦難を重ねながらも今なお現役選手としてユニフォームを着てプレーする、新加入の栗原恵が重ねてきた経験。
それは厚く高い壁を乗り越えるために戦うチームにとって、紛れもなく大きな力になるのは間違いない。

サマーリーグにも帯同し、若手選手たちと一緒に鍛錬期を乗り越えてきた栗原は「本当にきつい練習なのに、これをこなしていく選手たちはみんなストイックでびっくりした」と笑いながら言った。
「リーグは長いので、いい時もあれば悪い時もあるのは今までの経験の中でもわかっています。でもそれだけでなく、トモさんが私に声をかけてくださった意味は必ずある。『メグが重ねてきた経験は誰もが持てるわけじゃないんだよ』と言われているんですけど、今の自分としては、自分のどの経験がそこに値するんだろう、と思っていて。でも、苦しい時に私が経験してきたことが必要になるなら、その時は少しでも力になれればいいな、と思うし、力になりたいです」
相次ぐケガにも見舞われ、手術や長いリハビリも経験した。それでもなおプレーを続ける栗原は、それだけでチームの勇気になるのは間違いないのだが、実は栗原自身が若いチームから学ぶことばかりなのだと言う。
「逆に私はJTマーヴェラスの中で一番新人なので、JTマーヴェラスのシステムやバレーボールスタイル、そこを学ぶのに今はまだ一生懸命だし、分からないことがあれば1年目の選手にも『今のよく分からなかったんだけど、もう1回教えてもらっていい?』と聞くんです。むしろ自分が伝えるというよりも、私が貪欲に聞かせてもらっているというほうが正しいですね。でもそれこそが、そういう環境をトモさんがつくっているんだな、と。若い子たちも受け身なばかりでなく、『こういうバレーボールをしたいから、ここはこういうふうにしてほしい』とダイレクトに伝えてくれるので、そのほうが自分も戦力としてチームの一員になれる。そのほうが嬉しいし、プレーヤーとしてはありがたい。本当にいいチーム、いい環境に来られたな、と日々感じています」

新リーグの女王を目指して

さまざまな武器を備えた選手の集団を、主将として牽引する。その役割を担うのは4年目の小幡だ。吉原監督も「トップを取るために、今の彼女が主将になるのがふさわしい」と全幅の信頼を寄せるように、リーダーシップに定評がある。
だからといって気負うわけではない。
「主将だから特別何かを意識しているわけではありません。でも主将という責任はあるし、主将の後ろ姿を周りも見ていると思うので中途半端なことはできない。誰よりも自分が一番やって、周りにも自分にも一番厳しく取り組む。それはやり続けていきたいです」

新たな船出となる2018/19シーズン。新リーグの初代女王を目指して。準備は整った。11月3日、大阪での開幕戦から頂点に向け、すべてをかける戦いが始まる。

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