JTマーヴェラス

Western Conference 2位でファイナル8へ 頂点に立つべく、武器は「チーム力!」

2019/03/01COLUMN

V・レギュラーラウンドを終え、Western Conference 2位でV・ファイナルステージへ進出するJTマーヴェラス。間近に迫ったファイナル8を前に、激闘が続いたV・レギュラーラウンドを振り返る。

V・レギュラーラウンドで見えた課題と成長

2018年11月から4カ月に及ぶV・レギュラーラウンドが終わった。20試合を戦い、JTマーヴェラスは14勝6敗でWestern Conferenceを2位通過。長いシーズンゆえ、良い時もあればうまくいかない時もあって当然。勝った試合もすべてがよかったわけではなく、敗れた試合の中にも収穫が多くあった試合もある。
より高いクオリティを求めて戦う以上、「これでOK」はなく、常にもっと先、もっとより良く、と一段高いレベルを求めるがゆえ、選手たちは勝利した後も「まだまだ課題が多く、詰めるべきことがある」と一様に口を揃えた。そしてこうも言った。
「波が激しいので、良い時と悪い時の波を少しでも少なくしたいです」

V・レギュラーラウンドの最終戦となったPFUブルーキャッツとの一戦もそうだ。1セット目はこれまでの試合と同様に、明確なターゲットを狙ったサーブからディフェンス、オフェンスで流れをつかみ得点を挙げて難なく先取する。だが、このまま一気にストレート勝ちか、と思われる状況から相手に流れを奪われ、第2、第3セットを続けて落とす。主将の小幡真子が「相手が良かった、と言う前に自分たちがやるべきことができていなかった」と振り返ったように、些細な連携の乱れなど数字には表れない小さなミスが連鎖し、悪循環を招く。苦しい状況で攻撃回数が増えるブランキツァ・ミハイロヴィッチに対するマークも厚くなり、なかなか決まらず苛立ちを露わにし、コート内の空気はさらに停滞した。
だが、ここで再びチームに流れを引き寄せたのが小幡とエースの田中瑞稀だ。劣勢に立たされても苦しさを表情に出さず、淡々と冷静に、自身がやるべき役割を果たす。たとえば田中(瑞)ならば、サーブレシーブから素早く攻撃に入りストレート、クロスと打ち抜き、目の前に何枚ブロックがそびえようとその指先を狙って後方に弾き飛ばしたかと思えば、今度はブロックとブロックの間を豪快に打ち破る。

そして、その1点を陰で支えたのが小幡だ。リベロというポジションは直接自身が得点を取ることはできない。だが、だからこそ周囲を盛り立てる。点を取るために果たすべき仕事はいくつもある。小幡は、まさにそのリベロとしての役割を全うできる稀有な存在だ。
ブロックの間や横を抜けたボールを拾うだけでなく、素早くブロックフォローに入り、スパイカーにブロック枚数を伝え、どの場所が空いているかを瞬時に伝える。田中(瑞)も「マコさん(小幡)が『ここが空いているよ!』と言ってくれるので、迷わず打つことができる」と言うように、プレーと声でアタッカーの背を押す。そんな主将の献身的なプレーから徐々にJTマーヴェラスは本来のリズムを取り戻し、第4、第5セットを連取。フルセットでV・レギュラーラウンド最終戦を勝利で締めくくった。

開幕当初から選手たちと同様に「波の激しさ」を課題に掲げてきた吉原知子監督も、「また波の激しい試合になった」と苦笑いを浮かべ、また一方では着実な成長を遂げていることも示す。
「開幕した頃は悪くなるとそのまま崩れてしまうことが多くありましたが、今は悪くなっても自分たちで落ち着いて対処できるようになってきたかな、というのはあります。とはいえ、これから先を見据えれば、もう少し波を減らしていかないと難しい。そこは変わらず、V・ファイナルステージに向けて克服すべき明確な課題です」

「その1本をいつも以上に大切に」

長いV・レギュラーラウンドを終えれば、次は短期決戦のV・ファイナルステージを迎える。
東西の上位4チームが直接対決でポイントを争うファイナル8は、小幡が「これまで以上に1点、1セット、1勝が大きな意味を持つ」と言うように、1プレー1プレーに悔いを残すことができない厳しい戦いが待っている。
負けられない一戦を制するためには、全員の力をどれだけ結集することができるか。V・レギュラーラウンド終盤には栗原恵や、柴田真果がスタメン出場し、それぞれが持ち味を発揮。チームに新たな引き出しを加えただけでなく、ルーキーのヒックマン・ジャスティスの思い切りのいいハツラツとしたプレーや、要所でリリーフサーバーとしてコートに立ち、自らのサーブで何度も流れを引き寄せた橘井友香の存在が「チームとして本当に大きな力になった」と主将の小幡は言う。

そして、昨シーズンはケガで自身もベンチから試合を見る機会も少なくなかった田中(瑞)は、より強く、コートに立つ7人だけでなく、そばで支える選手やスタッフの力を実感している1人でもある。
「試合だけでなく練習の時から相手チームの仮想としてプレーしてくれたり、最初から出ているメンバーにとってプラスになることをずっとやってきてくれているから、試合で1本でもディグを上げたり、サーブポイントを取ってくれるとチームにも勢いがつく。陰での頑張りをみんなが見ているからこそ、嬉しさや喜びも普通の1点より大きいんです。途中から入る分プレッシャーもあるし、苦しい場面で出ることの方が多い分、そこで活躍してくれると自分が点を取った以上に嬉しい。だからこそ、最初からコートに入っている自分たちは、その1本をいつも以上に大切にしなければいけないと思っています」
ボールをつなげ、想いをつなぐ。いざ、V・ファイナルステージへ。強いチームだと証明するための戦いが待っている。

JTマーヴェラス
JTマーヴェラス