JTマーヴェラス

2019-20 V.LEAGUE開幕! 「全員で攻める」バレースタイルで前半戦を首位で終える

2019/11/22COLUMN

「全員で攻める」バレースタイルで前半戦を首位で終える

2019-20 V.LEAGUEが開幕。新たな布陣で始動したJTマーヴェラス。頭角を現す若手とそれを支えるベテランの安心感の融合。終盤へ向け加速するチームの進化とは?

抜群の勝負度胸を持つルーキーセッターが躍動

新たな時代を築く、第一歩。何とも言えない高揚感。まさに、今シーズンのJTマーヴェラスにもその言葉が当てはまる。
10月12日に開幕した2019-20シーズン。今シーズンは従来のシーズンと比べて開幕、閉幕が早く、6チームずつ「スター」と「プレミア」カンファレンスの2つに分かれ、それぞれのカテゴリーごとに総当たりを繰り返すリーグ戦と、カンファレンスの垣根を払い、互いがぶつかり合う交流戦。延べ21試合に及ぶレギュラーラウンドは12月で閉幕する。
1試合1試合、すべての戦いにドラマがあるとはいえ、始まればあっという間。昨シーズンの悔しさを糧に臨むシーズン、コートに立つ顔ぶれも実にフレッシュだ。
まず驚かせたのは司令塔。吉原知子監督はルーキーセッターの籾井あきを抜擢した。176㎝という高さと抜群の勝負度胸とトスワーク。高校時代からハイレベルな環境で経験を重ねて来た籾井に加え、2年目のアウトサイドヒッター、ヒックマン・ジャスティスも攻守の要として新たな布陣に加わった。

籾井自身は「監督からは『思い切りやればいい』と言われているし、コートの中では先輩方に助けてもらっているので心強い」と言うが、勝負度胸を褒めるのは日本代表でも活躍するミドルブロッカーの芥川愛加と、主将の小幡真子だ。
FIVBワールドカップバレーボール2019を終えて間もなく開幕を迎えたため、コンビを合わせる時間が少なかったと言いながらも、サイドアウト時やラリー中、幾度となくセッターとミドルブロッカーのホットラインから鮮やかな攻撃を決めた芥川はこう言う。
「新人ですが大胆で、こちらがどこに上がるか予想できず、籾井のトスに引っかかるぐらい(笑)。でもそれが籾井の良さでもあるので、私ももっとコンビを合わせて、セッターが自信を持って使える選手にならなきゃダメだと思っています」
開幕当初はリザーブに回った小幡も、8試合目の今シーズン初ホームゲームとして迎えた埼玉上尾戦からスターティングリベロとして出場。声とプレーでチームを鼓舞し、抜群のリーダーシップを発揮しながらもルーキーセッターを気遣い、3‐1で勝利を収めた後は籾井を労った。

「私だったら高校からV.LEAGUEに上がって、いきなりトップリーグでプレーする自信はなかったと思う。もしかしたら籾井もまだ自信はないのかもしれないけれど、それを見せず、自信があるような振る舞いができるのが強み。たとえうまくいっても、うまくいかなくても常に堂々としたプレーや立ち振る舞いができるのは、自信にしていいと思います」

「支える力があるから思いきりプレーできる」

高さと若さという長所を活かし、彗星のごとく現れたルーキーセッターの活躍はチームにとって喜ばしいことではある。だが、もちろんそれは1人だけの力ではなく、切磋琢磨し合いながら、支える存在がいるからこそ、その“思い切りの良さ”が長所になる。そう言うのは吉原監督だ。
「もともと堅実で正確なトスワークが彼女の強みではありますが、高校卒業から1年目でこれだけやれているのは、すごくよく頑張っているな、という印象です。ただ、大胆そうに見えて繊細で、トスの修正がなかなかできずバタバタしてしまう時もあり、そこを田中美咲、柴田真果、他のセッターがセットアッパーとしてカバーしているからこそ、籾井の良さも活きる。その安心感が、チームをうまく機能させてくれています」
誰かの力でなく、全員の力を結集させて勝つ。まさにそれこそがJTマーヴェラスの真髄だ。

武器は「全員攻撃」「全員守備」

そして今シーズン、JTマーヴェラスが目指すスタイルも「個」の力はもちろんだが、個を結集しての「組織力」がキーワードであるのは間違いない。
昨シーズンまではブランキツァ・ミハイロヴィッチが大砲として攻撃の大半を担ったが、今シーズンは前衛の2枚、3枚の攻撃陣に加えて、バックアタックも1枚ないし2枚入り、攻撃枚数を増やす。チャンスがあればセッターの籾井も果敢にツーアタックを多用する、コートの至るところから、誰もが参加する超攻撃的バレーを目指している。
もちろんそのためにはレシーブ、ブロックといったディフェンス力も求められ、ディフェンスしやすい状況をつくるためにはサーブで攻めること。相手ブロックが揃った状態で無理に攻めるのではなく、リバウンドから再びチャンスをつくる状況判断や技術。選手に求められる要素は多いが、小幡や芥川といった経験豊富な面々に加え、籾井と共に試合出場の機会が一気に増えたヒックマンも、攻守両面で安定感のあるプレーを発揮し、リズムを変えるために林琴奈や、橘井友香を投入する策も奏功しており、前半戦から、まさに盤石ともいえるチーム力の高さを発揮している。
ここから交流戦に突入し、いよいよレギュラーラウンドも中盤から終盤へ。ファイナルステージを1つでも上の順位で臨むために、負けられない試合が続くことに代わりはない。
フルセットが続いた前半、勝ちきったという収穫と、得られた課題を活かし、後半戦にどうつなげるか。吉原監督が言った。

「苦しい戦いが多く、落としてしまった試合もありますが、内容も悪かったかというとそうではありません。ここまでの試合を通して、やらないといけないところがはっきり見えたので、これからはどれだけ修正して試合で発揮できるか。一つ一つの精度を上げること、なおかつ勝負の世界なので、できることなら3ポイントを取ることも念頭に置いて、チームとして戦っていきたいです」
終盤戦へ向け、さらに加速する。一戦一戦が、強くなるために昇るべき階段。全員で、苦しくても歩み続けた先にきっと、頂点があるはずだ。

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