将棋日本シリーズ JTプロ公式戦/テーブルマークこども大会

日程&結果

2015年度決勝戦

対局結果

開催日:11月15日(日)会場:東京ビッグサイト 東4・5ホール(東京都)
三浦弘行九段
深浦康市九段
  • 解説:森下 卓 九段
  • 聞き手:山田久美 女流四段
  • 読み上げ:真田彩子 女流二段

99手にて三浦九段の勝利

棋譜
  • タイトル・段位は大会開催時点のものです。

三浦弘行九段が、初優勝を達成!

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・森下九段の講評

前夜祭での両者のコメントは、深浦康市九段が「昨年出場できなかった分、今年頑張りました。三浦弘行九段は研究熱心で知られています。先ほどお見かけしたら、携帯で将棋をチェックしていました(笑)。決勝戦は過去に2回出ていますが、1回目は兄弟子の森下卓九段に、2回目は谷川浩司会長に負けまして。大変やりがいのある棋戦です(笑)。『三度目の正直』を目指して、気を引き締めて思い切ってやりたいと思います」。対する三浦九段は、「ここ(決勝戦)まで来れば十分、と言いたいところですが、せっかくですのであと一つ頑張りたいですね。深浦九段には私の方がひどい目に遭わされています。決勝戦はぜひ『二度あることは三度ある』という方向で(笑)。東京大会は1万人もの人の前で将棋が指せるということですから、最後まで面白い将棋を指したいと思います」と意気込んだ。振り駒はと金が4枚で三浦九段の先手と決まる。

両者得意の角換わり腰掛け銀から、深浦九段が端の一手を省略して△6五歩と先攻。一回戦で郷田真隆王将にやられた手だ。あまりによどみのない進行に、解説の森下九段は「封じ手クイズ」出題のタイミングを早めるほど。深浦九段の研究が功を奏したかに見えたが、三浦九段は腹をくくって、千日手を打開して攻め合いに活路を求めた。そのすごみのある攻めが深浦九段の失着を呼ぶ。74手目△1三玉で△1二玉なら深浦九段が残っていたという。これで三浦九段は『将棋日本シリーズ』初優勝。棋戦での優勝は、2002年の『第52回 NHK杯将棋トーナメント戦』以来だ。来年度はJT杯覇者として本シリーズに臨む。なお、大盤解説の森下九段の講評は以下の通り。

「後手の深浦九段が△9四歩と受けないのは、後手番ながら積極的にいこうという作戦です。研究通りだったのではないかと思います。途中、千日手模様になりましたが、三浦九段の▲5六銀には驚きました。後手としますと、千日手なら作戦成功なのですが、三浦九段は腹を決めて▲5六銀と引いて、激しい攻め合いを選びました。ただ、△5八とで金をボロッと取られますからね。▲5六銀で▲3九飛とする手もありますが、△5八と▲3八飛△6九銀くらいで後手が良いでしょう。局後、深浦九段から『△1二玉で勝っていましたか』という感想がありました。73手目▲3一銀に対しての逃げ方のことです。本譜は△1三玉と逃げたのですが、これが敗着になりました。△1三玉は2四の銀のハッチを開ければ、自玉が安全になる保険をかけた意味なのですが、実際はその銀を動かす余裕がありませんでした。△1二玉ならば、後で▲3二香成とされても、詰みがないんです。深浦九段には残念な一局だったかもしれませんが、非常に見どころのある名局だったと思います。三浦九段の攻めにすごみがありましたね。『端玉には端歩』の格言通り▲1五歩と突き捨ててから、85手目▲3四角と“置いた”手が、非常に厳しい手でしたね。この手は飛車取りと同時に、▲1五香△同玉▲1四歩△同玉▲2五金以下の攻めを見ているんです。この手が決め手となり、三浦九段が逆転したと思います。」

勝利棋士 三浦九段のコメント

▲2四歩に△同銀のあたりの序盤は、深浦九段の研究でしょうね。あの辺りは精査してみないと何とも言えません。途中、千日手の局面がありました。打開するには▲4九飛とした上で、▲5六銀とするか、▲3九飛と回るかしかなかったんです。どちらも上手くないのであれば、正解は千日手だったかもしれませんね。終盤、△1二玉の変化には▲4一角でどうかと考えていましたが、苦しいかもしれません。

これでJT杯覇者ですか? まだ実感が湧かないというか、ついつい棋士の本能で、「何かなかったかな」と今日の将棋のことを考えてしまっているんです。ちょっと生意気なことを言うようですが、準決勝まではそんなに悪い将棋はなかったと思っているんです。決勝戦では、はっきりと悪い局面を作ってしまいました。そんなわけで、内容について反省点は多々あるんですが、それでも激しい、面白い将棋をお見せできたかなとは思っています。とにかく来年の『将棋日本シリーズ』への出場権を獲得できたのが何よりもうれしいですね。この優勝を糧にして、精進していきたいと思います。

棋譜

三浦弘行 九段
深浦康市 九段
(持ち時間各10分間)
【操作方法】
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10手進める
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棋譜を反転

まで99手で先手の勝ち

消費時間=10分10分

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