将棋日本シリーズ JTプロ公式戦/テーブルマークこども大会

日程&結果

2018年度準決勝第一局

対局結果

開催日:10月21日(日)ポートメッセなごや 第3展示館
渡辺 明棋王
羽生善治竜王
  • 解説:杉本昌隆 七段
  • 聞き手:室田伊緒 女流二段
  • 読み上げ:北尾まどか 女流二段

105手にて渡辺棋王の勝利

棋譜
  • タイトル・段位は大会開催時点のものです。

勝者の渡辺棋王は、11月18日(日)に千葉県千葉市で行われる「決勝戦」で準決勝第二局勝者と対局!!

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・杉本七段の講評

前夜祭での両者のコメントでは、羽生竜王は「名古屋は年に何回も来ています。『JTプロ公式戦』の準決勝も名古屋か大阪ですから。渡辺棋王とは数多く対戦していますが、思い切りというか、見切りの早さというか、そこが優れていると思います。東海地区は将棋が盛んなところですので、ファンの方を楽しませるような将棋が指せるように頑張りたいと思います」。一方、渡辺棋王は「今回は一回戦からの出場だったので、準決勝は遠いかなと思っていたのですが、久しぶりに名古屋に来ることができました。羽生竜王は大変強敵ですが、ファンの反響も大きくやりがいのある相手とも言えます。準決勝は大勢のこどもたちが見ていますので、プロ棋士を目指したいと思ってもらえるような将棋をお見せしたいですね」と意気込みを語った。

振り駒は、と金が3枚で、渡辺棋王の先手と決まる。

両者得意の角換わり腰掛け銀から、先手が▲3五歩〜▲4五桂と先攻して戦いが始まるが、その後長い中盤戦となる。渡辺棋王は跳ねた桂が取られる前に、入手した歩を活用して後手陣に迫る。後手の角を追いやり、▲3九飛〜▲5五角で3三の地点に集中砲火を浴びせ、優勢を築いたかに見えたが、終盤は羽生竜王に逆転の目も生じていたという。それほどの微差だったということか。最後は渡辺棋王が後手を受けなしに追い込んで勝利。2014年以来4年ぶりの決勝進出を決めた。なお、大盤解説の杉本七段の講評は以下の通り。

「戦前の予想通り、角換わり腰掛け銀の将棋になりました。先手は定跡どおり、▲3五歩〜▲4五桂と跳ねました。それに対し後手が4四角と自陣角を打ったのが、序盤のポイントでしょうか。早々に角を手放しましたので、この角が働くのかどうかがテーマだったと思います。後手は一歩損の代償として銀冠に組んで、玉が一瞬の安定を得ました。そこで△6六歩から攻めに転じました。これは次に△6五銀や△6五桂を見ています。逆に先手は、たくさん入手した歩を使って反攻に出ます。3筋に飛車を回って、△4四歩の桂取りに対し、▲3三歩〜▲3四歩と打って、跳ねた桂が取られる前に仕事をさせます。71手目に打った▲5五角が3三の地点を攻める急所の一着となりました。これを受けるために、羽生竜王は△3一飛と回りましたが、▲3三歩成〜▲3二歩〜▲4四桂が厳しい継続手順です。やむなく△4四同金と取りましたが、この折衝で渡辺棋王がはっきり優勢になったはずです。ところが97手目▲7五飛の局面では、△同馬と取っていれば、その手が詰めろで後手勝ちになっていたというから驚きです。本譜は△3六角成とこちらの飛車を取ったので、逆転には至りませんでしたが。優勢になって以降も、微差で難解だったということなのでしょう。本局は渡辺棋王の攻めと羽生竜王のしのぎの妙技が発揮された名局だと思います」。

勝利棋士 渡辺棋王のコメント

羽生竜王の△4四角は定跡なんです。実際には前例はないと思いますが、その手があることはこの形を指す棋士は知っているということです。

▲4五桂を生かして、3筋からの攻めはうまくいったような気がしたのですが、90手目△7五桂が詰めろなのが誤算でした。でもどこが疑問なのかはよく分からないんですよ。△5七角成に対し、▲6八金打としておくべきだったのかもしれませんね。▲8八玉と入って勝ちかと思っていたので。途中も難しくて、とても時間が足りない将棋でした。

まあ幸運もありましたが、決勝に進出することができました。決勝は4年ぶりですか? 久しぶりですので、このツキを生かしてあと一番勝って優勝したいですね。

棋譜

渡辺 明 棋王
羽生善治 竜王
(持ち時間各10分間)
【操作方法】
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棋譜を反転

まで105手で先手の勝ち

消費時間=10分10分

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