将棋日本シリーズ JTプロ公式戦/テーブルマークこども大会

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2019年開幕 渡辺明JT杯覇者に聞く『将棋日本シリーズ』テーブルマークこども大会編

テーブルマークこども大会編 将棋の強さに関係なく参加しやすい大会

楽しくなかったら続かないですからね

2018年度大会は、1万名以上にも及ぶこどもたちが参加してくれました。この大会の魅力はどんなところだと思いますか?

こども向けの将棋大会はいくつかありますが、この大会はあまり強くないこどもでも多くの局数を指せることが大きな特徴だと思います。大多数の将棋大会はトーナメント戦で1回負けると終わりなんです。でもこの大会は、優勝を決めるトーナメントに負けてしまっても自由対局などで多くの局数を指せるので、将棋の強さに関係なく参加しやすい仕組みになっているところがいいですね。なおかつ駒型消しゴムがもらえたりするので、こどもにとってやりがいが出やすい仕組みになっていて、そのあたりはよく工夫されているなと感心しています。

ブロック対局とトーナメント戦を勝ち上がった参加者は、決勝ステージで観衆を前に優勝をかけて対局。

それに、自分みたいに小さいころからプロを目指していたこどもにとっては、大会に出たら優勝を目指すということになるんですが、そうするとステージに上がって将棋が指せるので、それは大きなやりがいになりますね。
2018年は菅井竜也七段が「テーブルマークこども大会」出身者として初めて「JTプロ公式戦」に出場したように、今後はそういったケースも増えてくると思うので、プロ棋士への登竜門といってもいい大会になったと思いますね。

ちなみに、将棋を始めたきっかけと初めて指した時の感想は?

5、6歳の時に父に習って始めました。父は将棋ファンでアマチュアの四、五段でした。
初めての時は覚えていないんですけど、続いたので楽しかったんだと思います。楽しくなかったら続かないですからね。
そのころは将棋以外にもいろいろなことに興味を持っていました。野球とかテレビゲームとか。

いろいろなことに興味を持っていた中で、最終的に将棋への道を選んだ理由は?

大会である程度、好成績が残せていたことが大きいです。大会で対戦するような同世代のこどもたちはプロを目指していたので、プロを目指すのは自然の流れでしたね。
プロを目指すことを決断したのが、奨励会に入った小学4年生くらいの時です。決断っていってもダメならやめればいいですからね。例えば地方から東京に出ていくような大きな決断ではなかったです(笑)。

プロを目指すために実践していた勉強法はありましたか?

アマチュアの高段者になってからは、プロの将棋を並べることで強くなる時期はありました。それまではこれをやったから強くなったというのはないですね。四、五段になるまでは特に変わったことはやってこなかったです。人と指したり定跡書を読んだりという感じですね。

順序立てて物事を考える癖がつくようになりました

こどものころ、将棋以外にやっていたことで、現在の将棋に生かされていることはありますか?

特にないですね。逆はありますけど(笑)。将棋をやったことでできるようになったことはいっぱいありますね。
例えば、物事を順序立てて考える癖がつくようになりました。それは将棋がもたらす効果なのかなって最近思いますね。
小・中学生のころから割と文章は書けたんですが、その当時はなぜ書けるのか考えたことがなかったんです。でも、大人になってから、それは将棋をやっていたから文章が書けるようになったんだなと分かりました。というのも、多くの棋士がいい文章を書くんですよ。それは将棋のゲーム性が物事を順序立てていくところにあると思うんです。
文章も同じなんですよね。まず書き始める前に「こう書いて、こう書いて、こう締める」というのを決めてから書かないとぐちゃぐちゃになってしまうので。

そのほかに、将棋を続けてきたことで身に付いたことはありますか?

将棋をやっていると、ある程度時間をかけて考えるという癖はつくようになりました。
今はインターネットとかで調べれば何でも出てきちゃうんですが、そうじゃなくて自分でまずは時間をかけて考えてみる。そういう習慣は将棋をやっていたから身に付いたというのはありますね。それは中学校、高校の勉強に役立ちました。

これから将棋を始めるこどもや、プロを目指しているこどもへ将棋が強くなるためのアドバイスをお願いします。

基本的には時間をかけることが大事だと思います。これは将棋だけに限ったことではなく、学校の勉強とか習いごとも含め、うまくなろうと思ったら情熱を持って時間をかけることが大事になってくるんですね。将棋に関しては、プロの将棋を並べてみるとか、詰め将棋を解くとか、本を読んで定跡を覚えるとか勉強法はたくさんあるので、自分に合ったものをやることが一番だと思います。アマチュアのうちは、どんな勉強をしても強くなるので、自分がこれなら続けられるなと思う勉強法を見つけてとにかく数をこなすことが、小学生くらいのこどもたちにとっては良いのかなと思います。

最後に、将棋好きなこどもたちへ向けてメッセージをお願いします。

小・中学生の時は一番強くなる時期なので、ちょっと前に勝てなかったライバルにも勉強をすれば勝てるようになります。勉強すればするほど強くなって、結果が出て、大会でも上の方に行けるようになるという楽しい時期でもあるので、どんどん将棋を指して強くなってもらいたいです。
これからも長く将棋を楽しんでください。

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渡辺明JT杯覇者より、将棋好きなこどもたちへメッセージをいただきました。
ぜひ、ご覧ください。

  • 本記事は2019年3月時点のインタビューに基づいたものです。
  • インタビュー記事内でのタイトル・段位は対局当時のものです。
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