スペシャル
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V・チャレンジマッチ連勝
V・プレミアリーグ残留を決める!

2017/03/17COLUMN

3月11日(土)、12日(日)に開催された「2016/17V・チャレンジマッチ」にてJTサンダーズは富士通カワサキレッドスピリッツに連勝し、V・プレミアリーグ残留を決めた。2日間にわたる熱戦を追った。

客席を埋めたグリーンの応援団
その声援が選手の後押しに

応援団席に入りきれなかった観客がぐるりとスタンドを囲み、対角の客席にも陣取って緑色のスティックバルーンをたたく。大和スポーツセンター(神奈川県)を訪れた大応援団の声援が、体育館の天井に響き渡った。その声に後押しされるかのように、JTサンダーズは3月11日(土)、12日(日)のV・チャレンジマッチで富士通カワサキレッドスピリッツを3-1、3-0の連勝で下した。

試合後、ヴェセリン・ヴコヴィッチ監督は語った。
「相手は失うものがない状況。対する私たちは絶対に負けられないというプレッシャーの中で戦わなければならず、その重圧のためにいくつかのミスが出たり、コート内が慌ただしい時間帯もありました。しかし、最終的には勝ちきることができたので本当に良かったと思います」
初戦で1セットを失ったが、その後は一晩で課題を修正。来シーズンのV・プレミアリーグ残留を決めた。
V・レギュラーラウンドを7位で終え、V・チャレンジマッチ(入れ替え戦)に臨むことになったJTサンダーズだが、V・レギュラーラウンド最終戦から、このV・チャレンジマッチまでは1カ月強の期間が空いた。その間、チームはどのように入れ替え戦に向けて気持ちを整えていたのだろうか。
「まず3つの段階に分けてチームを立て直しました。最初は(メンタルの)リカバリーです。ファイナル6への進出が叶わず、選手は大きなショックを受けていました。その精神的、そしてV・レギュラーラウンドで蓄積した疲労など、肉体的なダメージをリカバリーするためのコンディショニングに時間を費やしました。そして、続けてバレーボールの基礎の見直し、今回のV・チャレンジマッチに向けて相手チームの分析や自分たちの戦術の確認作業を行いました」(ヴコヴィッチ監督)

V・チャレンジマッチでの戦いを
これからの教訓に

V・レギュラーラウンド最終戦で8位のFC東京に敗れ、自信を失っていたチームを主将の深津旭弘は冷静に見ていた。
「こうなってしまった(入れ替え戦に回った)ことの最大の原因は、やはり技術が足りないからです。メンタルを安定させるためには、とにかく技術を身につけて自信を得るしかない。そう思って、しっかり練習をするしかないと思いました」
練習の中でも実戦のようなプレッシャーをかけ、「1本のミスで負けるんだ」と周囲の選手に伝え続けた。
リーグ終盤からスターティングメンバーとして出場する機会の多かった吉岡光大は、V・チャレンジマッチまでの1カ月間をこう振り返る。
「チームのダメな部分についてたくさん話しました。全員で意見を求め合って、悪いところは悪いとお互いに言い合って、自分を省みて、そういうプレッシャーがかかった中で練習をしてきました。その練習の通りにこの2日間は試合ができて、いい流れでバレーボールができたと思います」
しぶとくブロックでワンタッチを取ったボールを、後ろの選手が懸命に上げる。上がったボールはセッターも、セッター以外のプレーヤーも丁寧に、思いを込めてアタッカーに託す。アップゾーンからも終始、大きな叱咤(しった)激励が飛んだ。ボールも気持ちもつながった2日間だった。

深津は続ける。
「チーム一丸となって、連勝することができたので、それは良かったと思います。何より、チームがこういう状況になっても応援してくださるファンの方々がたくさんいて、本当に感謝しています。そこに尽きると思います」
その思いを表すかのように、試合終了後、深津は観客席に向けて深々と頭を下げた。
7位という結果に終わった2016/17シーズン。最後の記者会見で、成績不振の要因を尋ねられたヴコヴィッチ監督は、こう答えた。
「今シーズンは、いろいろな要素が重なり、このような状況に陥ってしまいました。シーズン前に外国人選手が急に来日できなくなってしまったり、故障者が出てしまったり……。シーズン中は有利な試合展開でも勝ちきることができず、常に“ファイナル6に進出できるか否か”という不安定な状況にチームはありました。そのような追い込まれた状況にあっては、試合の中で課題が見つかってもなかなかすぐには修正できませんし、何かを変えることも難しい。ただし、選手にとってはV・チャレンジマッチを経験することも良い経験だったと思います。そして今後、このようなシーズンを繰り返してはいけないという良い教訓にもなったと思います」

「黒鷲旗は越川さんと一緒にプレーできる最後の試合。
だからこそ、笑って終わりたい」(深津)

悔しさは、それぞれの胸に刻まれている。「来シーズンこそは」という思いも、各々の選手が強く抱いているはずだ。
V・チャレンジマッチがV・プレミアリーグ最後の試合となった越川優は語った。
「JTサンダーズのみんなには、この場所には二度と立たないという気持ちを持ってこれからもプレーしてほしいです。4年間、このチームでやらせてもらって勉強になったことはたくさんありましたし、深津をはじめとするチームメートが僕の姿を見て、いろいろなことを感じてくれたとも思っています。自分が抜けることによって、チームにとってプラスになる面も、もちろんある。来シーズンはぜひ自分たちの形を作り上げて、一つでも上の順位を狙ってほしい。そして、また優勝を手にできるように頑張ってほしいです」
チームは次なる目標である「第66回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会」(以下:黒鷲旗)に向けてスタートを切る。
「とにかく優勝を目指します。その中で、自分たちが納得できるようなバレーボールをしたいと思いますし、納得ができる練習をしていきたいと思います。黒鷲旗は越川さんがこのユニホームを着てプレーする最後の大会です。僕は、最後は全員で笑って終わりたいと思っています。チーム一丸となって、笑顔で終われるよう、優勝を目指してやっていきたいです」(深津)

深津の言葉に越川も応える。
「深津が言うように自分にとってはインドア最後の大会になります。最後は笑って終われるような結果を求めていきたいと思います。JTサンダーズにとっても今シーズン最後の大会になります。一つの区切りと言えますが、新しいスタートという意味合いも大きいので、良い結果を求めて一つでも良いプレーができればいいと思います」
シーズン最後の大会に向けて、再びチーム一丸となり黒鷲旗の頂点を目指す。

JTサンダーズ