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「もっと勝てる」悔しさ残る4勝3敗

2017/11/17COLUMN

10/21(土)より開幕した「2017/18V・プレミアリーグ」。昨シーズンからの大幅なスタメン変更があったにも関わらず、今シーズン“新生JTサンダーズ”は第1Legを終え4勝3敗という、昨シーズンを上回るまずまずのスタートを切った。今回のコラムでは、そのスタメンに名を連ねる「新戦力」たちにスポットを当てる。

攻守が噛み合い勝利を収めた開幕戦

昨シーズンの悔しさと経験を力に変えて生まれ変わったJTサンダーズは、再び栄光をつかむために立ち上がった。2017/18シーズンの開幕戦、サントリーサンバーズにフルセットで勝利を収めた後、ヴェセリン・ヴコヴィッチ監督が言った。
「昨年からメンバーが4人変わった。(トーマス)エドガー、山本(将平)、吉岡(光大)、(井上)航がスタートからプレーしたが、ディフェンスもオフェンスもこれまでの練習で積んできたことがよくできていた。カバーリングも1枚、2枚、3枚ブロックと状況を想定し、対応を実践してきた。それが成果に結びついている。やろうとしていることが、非常に良い形で出ていたと言っていいのではないか」

新たなスタートを切ったチームの中で、開幕戦勝利の原動力となったのは今シーズンから加入したオポジット、トーマス・エドガーの存在だ。オーストラリア代表のエースとして国際試合でも活躍し、攻撃力の高さは周知の通り。代表チームでは身長212cm、最高到達点360㎝の高さを生かした攻撃が印象的だが、トスを上げる主将の深津旭弘はまた別の長所を口にする。
「大砲のイメージが強かったですが、実際、一緒にやってみたら高さとパワーはもちろん、スピードの部分でもすごく秀でたものがあるので、トムを信頼して託し切ることができました」
開幕戦でのエドガーの打数は64本と圧倒的な数字。スパイク決定率は60.9%をマークした。それだけトスが集まるポジションであり、そこで点を取ることが自らに与えられた役割であることをエドガー自身も理解している。
「期待をされているのは分かっているけれど、変なプレッシャーはもちろんない。自分の持ち味をうまく生かしてくれるチームなので、自分ももっと成長して、チームの勝利にもっと貢献したいね」
日本でのプレーはこれが初めてだが、イタリアや韓国、中国などさまざまな国でオポジットとして活躍してきたエドガーの加入は確かに心強い。だからといって、深津も「託したとはいえ、開幕戦は打たせ過ぎた」と反省の弁を述べたように、エドガーに頼るだけでは勝つことも難しくなってくる。早速、対戦相手は最も得点力の高いエドガーを封じようと策を練ってきている。第1Legで喫した3敗、パナソニックパンサーズ、東レアローズ、豊田合成トレフェルサとの試合では、危惧した通りの厳しい展開を強いられた。

悔しさを力に変えた吉岡が躍動

絶対的な大砲の攻撃力だけでなく、チームとしてどんな武器を持たなければならないか。オフェンス面、ディフェンス面、技術面でいくつもの課題はあるが、その前にどんな状況でも屈することなく立ち向かい、戦うために、チームの士気を高めよう。そう考え、実践したのが開幕からスタメン出場を続けるウィングスパイカーの吉岡光大と、サーブとスパイク、攻撃力を武器とする30歳のウィングスパイカー、安井勇誠だ。深津、吉岡と同期の久原大輝を加えた4人で、何が必要かを話し合い、チームの雰囲気を盛り立てるため、試合前のウォーミングアップ時から率先して声を出した。
第1Legの最終節となったジェイテクトSTINGS、東レと対戦する北海道大会は、勝敗数でほぼ並ぶ両チームを突き放すために、何としても勝たなければならない2戦だ。気持ちが折れないように、闘志に火をつけるために、試合前だけでなく試合中もアップゾーンから声をかけ続けた安井が言った。
「力の差がほとんどない分、気持ちの強い方が勝つと思うんです。やっぱり、チームで戦っているので。声をかけ合って、お互い盛り上げて、精神的にもチームとして一つになって戦うことができるようになってきたと思います」

特にジェイテクト戦では吉岡が奮起。今リーグが開幕して以来、「納得がいく結果が出せず、ずっともやもやしていたけれどやっと貢献できた」と吉岡自身も振り返ったように、エドガーだけに打数が偏らないよう、随所で吉岡が得点を挙げ、ラリー中に3枚ブロックがついた状況でうまくスパイクを決めチームを勢いづけた。さらに活躍は攻撃面だけにとどまらず、守備面では相手のビッグサーバーに対しても失点することなくパスを返し、ピンチになり得る場面を何度も救った。
昨シーズンは終盤から試合出場の機会が増え、レギュラーラウンドの最終戦、ホームである呉で地元ファンを前に「あと一つ」の勝利を挙げられず、試合終了後、会場の四方に向かって深々と頭を下げた。当然、あの悔しさを忘れるはずもなく、味わった屈辱は練習にぶつけ、さらなる成長を遂げた。ヴコビッチ監督も「練習に取り組む姿勢も非常に素晴らしい」と吉岡を称賛している。
まだ始まったばかりとはいえ、少しずつ実る成果。手応えを得た吉岡が言う。
「年齢的にもう若手ではないので今までみたいに先輩についていくだけじゃダメだ、という意識の変化はありました。監督に使ってもらっている以上、毎試合全力でやるのはもちろん、出ていない人の分も一生懸命やろう、という気持ちで戦っています。もっともっと上を目指したいです」

第1Legを終えて4勝3敗。「正直に言えばもう一つ勝って5勝2敗で第2Legに入りたかった。もっと勝てるチームだと思う」と深津は言う。勝ち越したとはいえ、まだまだ勝てた。そんな自信があったからこその悔しさをのぞかせた。 味わった悔しさを無駄にしないためにも、絶対に勝つ。19選手、全員が闘志を一つにして勝負の第2Leg、その舞台に乗り込む。

JTサンダーズ