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試合で学び、変化する。第2Legで得られた成果と課題

2017/12/15COLUMN

第2Legを終え、8勝6敗で4位につけているJTサンダーズ。昨シーズンと比べれば上出来だが、決して満足のいく成績ではない。さらに順位を上げるためには何が足りないのか? 必要なのか? 第2Legで得た成果と課題について迫る。

「第1Legと比べればチームの形はできてきた」

4勝3敗。勝敗だけを見れば、第1Legと同じではある。だがいくら同じ勝ち星、負け数とはいえ、内容を見れば大きく異なる。
何より「第1Leg以上に手応えと自信を感じられるようになった」と言うのは、ウイングスパイカーの山本将平だ。
「パナソニックパンサーズには第1Legも第2Legも負けてしまいましたが、正直に言うと、第1Legの時は手も足も出ない印象というか、全然戦えていないというイメージしか持てませんでした。でも第2Legの時は違う。サーブで攻めて、そこから攻撃を展開すれば強い相手とも勝負ができるという手応えがありました。結果的にサーブもスパイクもブロックもサーブレシーブも、相手のほうが上でしたけど、その手応えは次に戦う時に生かされると思うし、生かしていきたいです」
短期間で劇的に技術や身体能力が飛躍を遂げることは、そう簡単にあるわけではない。では第1Legと第2Legでは何が違うのか。ヴェセリン・ヴコヴィッチ監督は「メンタルだ」と説く。
「弱気なままコートに立てば、それがそのままプレーに出てしまう。昨シーズンからメンバーが代わったこともあり、第1Legは、試合を重ねながらチームとしてのスタイルを作ってきたので、残念ながら試合によっては戦う準備ができていないこともありました。けれど、今はそうじゃない。攻めるべきサーブ、スパイク。選手たちは、自分がすべきことを理解して、自分はできる、と信じてプレーしている。戦うために必要なスピリットを持つ。最も重要なことを、試合の中で学び、少しずつ変化している。中には残念な負けもありますが、第1Legと比べればチームとしての形は確実にできてきた。これは非常に大きな成果と言えるでしょう」

誰かに頼るのではなく全員を「信じる」

勝利した4試合で共通していたのは、サーブで攻め、相手の攻撃をブロックとレシーブで切り返し、勝負所でトーマス・パトリック・エドガーに託す。いわば「勝ちパターン」と言うべき戦い方が構築されていた。第1Legから発揮されているエドガーの攻撃力はさることながら、ブレークを重ねるうえで、大きな力になったのがリベロ、井上航の存在だ。
相手チームからすれば「抜けた」と思うスパイクコースに、井上がいる。思わず「何でそこにいるんだ?」と驚愕の声が上がるほど、井上の守備力が光った。ただ単に強打を上げる、サーブをレシーブする、ということのみならず、セッターがレシーブした後の二段トスや、ブロックフォローなど、目立たないプレーでも井上の貢献度は大きく、ルーキーイヤーとはいえ、抜群の存在感を発揮しているのは事実だ。
誰もが認める活躍を残し、勝利を得るためのブレークポイントの獲得に大きく貢献しているのだが、「まだ満足できない」と言うのが他ならぬ、井上自身だ。
「全然うまくいかないし、自分の中では全然納得できないプレーが多いんです。『もっとできるのに』と試合が終わるたびに、いつも思います。まだリーグ1年目で、相手のやり方がつかめていないので、もっと対応しなきゃダメだと思います」

第2Legを終えた時点でサーブレシーブ成功率ランキングでは2位につけるなど、数字上でも十分な働きを残している井上航だが、「納得できた」と言えない理由は、自らのパフォーマンスだけでなく、チーム全体を見たうえで浮き彫りになる課題があるのも1つの理由だ。
「トム(エドガー)の決定力はすごいけれど、トム頼みになってしまっているのは課題。二段トスを上げる時はもっと他の選手にも(トスを)散らさなきゃいけないし、攻撃に入りやすいようにレセプションでもっとカバーするとか、できることはまだまだあると思っています」
チームの攻撃で大半を担うエドガーの決定力は間違いなく大きな武器である。だがその反面、井上航だけでなく深津旭弘主将も「トムのパフォーマンスは本当に素晴らしいけれど、トムだけに頼っているのでは厳しいので、もっと攻撃の軸をつくらなければならない」と言うように、第3Leg、V・ファイナルステージに向け、取り組むべき課題は明確だ。
そのために、何が必要か。深津主将はこう話す。
「信じること。アタッカーを信じて、ここなら決まる、大丈夫だ、と信頼してトスを託せるようにならないと、ここからもう一歩先には進めない。まずはセッターである僕が、周りを信じて託し切ること。それができないのはまだまだ未熟で、覚悟が足りないからだと思うので、これからはアタッカーを信じて、生かして、助けられるトスを上げられるように覚悟を持って臨みたいです」
混戦が続くV・レギュラーラウンドを1つでも上の順位で終え、V・ファイナルステージにつなげ、そして更なる進化のために。いよいよ迎える後半戦、負けられない試合を戦い抜きもっともっと、強くなる。

JTサンダーズ