JTサンダーズ
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5勝4敗の1Legで見えた課題。真の「プロフェッショナル集団」になるために

2018/11/29COLUMN

新リーグとした生まれ変わったV.LEAGUEが開幕して1カ月が経過した。強力な新戦力を加え、初代王者を目指し戦うJTサンダーズの1Legを振り返る。

新戦力が躍動するも開幕勝利ならず

記念すべき新リーグのオープニングマッチ。華やかなライトに照らされた、新生V.LEAGUEの始まり。王座奪還を目指すJTサンダーズの2018/19シーズンは、すべての試合の幕開けとなるサントリーサンバーズとの一戦からスタートした。
ヴェセリン・ヴコヴィッチ監督が「我々は非常に若いチームで挑戦者」と常々口にするように、小野寺太志や井上航といった若い力がチームの主軸となり、新主将には昨シーズン、初めてJTサンダーズでVリーグを戦った山本将平が就任。チームとしての成長を遂げ、自信を得るためにも何としても開幕戦は勝利したい。それがチーム全員の胸に抱く思いだった。
さらに今シーズンはアジア枠として中国バレーボール界の至宝、劉力賓(リュー・リービン)も加わりトーマス・パトリック・エドガーとの2枚看板として攻撃力に厚みが増した。合流からの時間は間もないが、セッターの深津旭弘が「コンビを合わせるようになってすぐ、パイプはしっくり来たし手応えがあった」と言うように、後衛中央からの速いスピードで放つバックアタックを開幕戦でも次々決める。「中国リーグと違い、日本のリーグはレベルが高く、中でもJTは非常にプロフェッショナルなチーム。とても素晴らしいチームでプレーできることを誇りに思う」と言う劉が開幕から抜群の存在感を発揮した。


日本でのデビュー戦を勝利で飾りたいところだが、新戦力が加入し、パワーアップを果たしたのはサンダーズのみならずサントリーも同様だ。ロシアの主砲、ドミトリー・ムセルスキーが加わり、山本も「映像で見ていた角度や軌道と違った」と振り返ったように、圧倒的な高さから放たれるスパイクを要所で決められ、フルセットの末、惜しくも開幕勝利をつかむことはできずに終わった。

だが、開幕で勝てなかったからとはいえ、すべてをネガティブに捉える必要はない。むしろ試合の中で何がうまく回らず、何ができれば優勢に運べるか。それが明確になったことは大きな収穫であり、開幕戦から1週間後、広島・呉で行われた今シーズン初のホームゲームではその成果が随所で発揮された。
昨シーズンは一度も勝利することができなかった東レアローズに勝利をおさめ、3戦目は今シーズントップカテゴリーに初参入のVC長野トライデンツにストレート勝ち。開幕では調子を落としていた主将の山本も攻守で活躍。ヴコヴィッチ監督も「勝負所でいいブロック、スパイクを決めてチームに力を与えてくれた」と称えた。

大切なのはどんな相手にも「ベストを尽くすこと」

しかしすべてが万全かと言えば、決してそうではない。相手のサーブに崩されると必然的にエドガーや劉の打数が増え、相手のペースにはめられる。何より深津が危惧するのは、試合によって、対戦相手によって意識の変化が生じているのではないか、という点だ。
「どんな相手に対しても、まずは自分たちが持っているもの、その日のベストを尽くさないとダメだと思う。トム(エドガー選手)やリービン(劉選手)は常にそうやっているし、自分たちより上の順位にいる相手に対しても、下にいる相手に対しても、変わらないパフォーマンスを見せていました。でも僕を含めた日本人選手は簡単なボールを目で追ってしまったり、ちゃんとやるべきことをやらず相手にリズムを握られたシーンもありました。こういう小さなことこそが日々の積み重ねだと思うし、強いチームと戦う時に同じことをしていたら立て直せず終わってしまう。そこまで考えてやらないと優勝を狙えないと思うし、それだけの力、チームワークがあるからこそ、どうやって自分たちが優勝できるレベルになれるか。それこそがヴィスコ(ヴコヴィッチ監督)の言う、優勝できるメンタリティだと思うし、リービンがいつも言うように、真の意味で『プロフェッショナル』な個人、チームなのだと思います」

ただ勝った、負けたではなく、1試合1試合から何を学び、次に生かせるか。第5戦、パナソニックパンサーズにストレートで敗れた翌日の大分三好ヴァイセアドラー戦は、まさにその成長が感じられる試合だった、と振り返るのは山本だ。
「負けた試合の映像をみんなで見たら、些細なミスが多かった。まずは二段トスの質や、本来返すべきチャンスボールの質、避けられるスパイクミス、そういう些細なミスを修正していこう、と。これからはいかにミスを少なくできるか、というのが大事になるので、まず昨日から今日という短い時間の中で全員が心がけ、実践できたことはよかったし、これからも絶対に重要なことなので、継続して、自分たちを信じて取り組んでいきたいです」

9戦を終え5勝4敗、17ポイント。1つ勝ち越したとはいえ、誰もが満足する結果ではない。だからこそ、ここから――。1Legで見えた課題を克服し、さらに強いチームになる。2Legからの巻き返し、そして更なる進化と飛躍を遂げるために、挑戦は続く。本当の勝負はこれからだ。

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