JTサンダーズ
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7勝2敗で3位浮上 絶好調の第2Legを支えたエドガーのリーダーシップ

2019/01/24COLUMN

第1Legでは5勝4敗だったものの、第2Legはホームゲームの5連勝を含む7勝2敗と好成績を残したJTサンダーズ。その戦いを振り返る。

「悪夢」をきっかけに固まったチームの「形」

各チームのデータが揃い、互いが手の内を知る中でどう戦い、どう勝つか。さまざまな思惑がぶつかり合う第2Leg。第1Legを5勝4敗で終えたJTサンダーズにとって、第2Legでどれだけ勝ち星を重ねることができるかは、これから迎える後半戦、そしてV・ファイナルステージの行方を占う試金石になる。
そして1戦1戦の重みが前半戦より増す中、チームを鼓舞したリーダーがいる。それがチームの得点源でもあるトーマス・パトリック・エドガーだ。

今シーズンから主将に就任した山本将平や、昨シーズンまで主将を務めた深津旭弘がコートで見せるリーダーシップはもちろんだが、来日2年目のエドガーが発するリーダーシップは第2Legや「平成30年度天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会」(以下:天皇杯)の随所で光った。
たとえば徳島での東レアローズ、大分三好ヴァイセアドラーとの連戦もそうだ。第1Legでは難なく勝利した東レに対して、第2Legは山本が「何もさせてもらえなかった」と言い、ヴェセリン・ヴコヴィッチ監督も「振り返りたくないほどひどい内容、まるで悪夢のようだった」と述べるほど、完全な東レペースで進んだ試合であり、第2Legのスタートから各々に大きな課題が突きつけられた一戦となった。
とはいえ、試合は続く。まず翌日の大分三好戦でどう戦うか。その中心になったのがエドガーだった。前半から自らが得点を叩き出すだけでなく、1本1本決まっても決まらなくても積極的に周囲の選手に声をかける。相手の強烈なサーブにレシーブを乱されれば素早くリベロの井上航のもとへ行き「ノープロブレム、今のはサーブが良かった」と声をかけ、手を叩き、沈みそうになるコートを鼓舞する。

井上(航)はこう言う。
「点を取ってくれることはもちろん心強いです。でもトム(エドガー)は、“自分は点を取るだけ”という姿勢でなく、どんなボールも諦めずに拾うし追いかける。そういう姿を見せられるだけで、『俺たちももっとやらなきゃ』と思わされるし、チームのために一生懸命プレーするトムの意志はみんなに伝わります。いい時もうまくいかない時も、いつでもトムがチームにいい影響を与えてくれているのは間違いないです」
前日の敗戦を受け、翌日の試合に臨む前のミーティングでもエドガーと話す時間を多く割いた、というヴコヴィッチ監督も今シーズンは副主将となったエドガーをこう評した。

「どんな選手にも、うまくいく時ばかりではなく思い通りの展開に持ち込めないことは必ずある。スパイクが決まらず彼自身ももどかしい思いをすることもある中、『誰かがうまく行かない時は、また別の誰かがカバーしなければならない』と言うと、彼は非常に献身的にプレーをする。彼にできることは、まだまだあるでしょう」
そして他ならぬエドガー自身も、「自分がすべきことはまだある」と言う。
「誰が得点を取ってもチームが勢いに乗れば活気づく。勝っている時は誰もがリラックスして臨めるが、負けている時、苦しい時こそ周囲にアプローチする。私のポジションはそういう責任も含まれたポジション。だからそれを実行するだけです」
その言葉通り、エドガーの活躍が起爆剤となり、完敗を喫した翌日は大分三好に完勝。さらに翌週は首位を走るパナソニックパンサーズに3-1で勝利した。

天皇杯を制覇し2019年は5連勝スタート

ここから一気にJTサンダーズが波に乗る。年内最後のレギュラーラウンドではフルセット負けを喫したサントリーサンバーズを天皇杯の準々決勝ではストレートで退け、準決勝、決勝も1セットも落とすことなく「完全制覇」。単純に「勝った」という結果だけでなく、誰がサーブで攻めるか、つなぐのか、そしてこのポイントは誰が取るのが効果的か、というチームとしての新たな形が構築された。
特にポイントとなったのがミドルブロッカーの小野寺太志だ。第1Legはエドガー、劉力賓(リュー・リービン)に打数が集まっていたため、当然他チームの警戒も手厚くなる。だがそこで深津が小野寺を効果的に使い、テンポの異なる安永拓弥を活かし、さらに山本のバックアタックも絡める。相手からすれば誰が攻めてくるか分からない絶妙なトスワークが冴えわたり、天皇杯を制し、年明けは5連勝と破竹の勢いで勝ち続けた。
第1Legと同様にエドガーが得点源であるのは間違いないが、第2Leg最終戦はジェイテクトSTINGSに2セットを先取された後、第3セットからは劉に代わって武智洸史が投入され、レセプションを安定させただけでなく、攻撃面でも相手ブロックをうまく使う緩急を織り交ぜた攻撃で勝利に貢献、まさに誰が出ても強いJTサンダーズをこれ以上ない形で見せた。

いよいよ迎える第3Leg。混戦が続き、これまで以上に負けられない試合の連続だが、第2Legで構築された形はきっと、ここからも強いJTサンダーズの基盤となり得るのは確かだ。
司令塔の深津が言った。
「今まではトムに頼るパターンが多かったけれど、トムに頼るだけでなくトムを活かすパターンもでき始めてきた手応えがあります。彼が常に『どんな相手に対しても気負うことなく、自分たちがやれることをやるのが大事だ』と言い続けてくれることで、チームがすごく助けられるし、いい状態で戦える。これからも助け合ってチームを固めていきたいです」
勝負の後半戦へ向けて。まだまだ、ここから強くなる。

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