JTサンダーズ
スペシャル
SPECIAL

ベテランと若手、コートとベンチの融合で連敗ストップ
レギュラーラウンド4位でファイナルステージへ

2019/03/06COLUMN

第2Legはホームゲーム5連勝を飾るなど好成績だったが、第3Legは苦しい戦いが続きV・レギュラーラウンドを4位で終えたJTサンダーズ。その戦いを振り返る。

連敗ストップで取り戻した自信

音楽を聴いたり、静かな場所で黙々とストレッチをしたり、試合に臨む準備はそれぞれ違う。間もなく始まるゲームをどんなふうに組み立てるか、1本目のサーブはどこへ打つか。直前まで、考えることはそれぞれ異なっていても、ロッカールームで輪の中心に筧本翔昂を囲み、ベテランの檄と喝でスイッチを入れると、抱く思いは一つ。

今日の試合、絶対に勝つぞ――。

連勝を重ねた第2Legに対し、第3Legは苦しい戦いが続いた。V・ファイナルステージ進出決定まであと一歩に迫りながら、なかなか勝利やポイントが取れない。負ければ当然課題も露呈し、勝っていたときには見えない悪循環が生じる。勝っているときは劣勢になっても前向きな声掛けがされていたのに対し、負けが続くと自然に不満が露わになる。主将の山本将平はこう言った。

「簡単に落としてしまうセットはコートの中も雰囲気が悪くて、例えば誰かのミスに対してもフォローしようとするのではなく、そこにみんなが落ち込んで、『何やっているんだよ』という空気が漂い雰囲気も悪かった。終盤になってコンディションも万全ではないけれど、そういう状況だからこそアグレッシブに戦わないといけない。もうここまで来たら技術やコンディションの前にまずはアグレッシブさが大切だと思うので、サーブ、スパイク、ブロック、一つ一つのプレーに攻めの気持ちを持って臨めるようにキャプテンとして心がけて行きたいです」
4連敗の後に迎えた第3Leg第8戦目のジェイテクトSTINGS戦。V・ファイナルステージ進出を決めたことだけでなく、チームを変えるべく、一人一人が役割を果たす。まさにその意気込みが感じられる一戦となった。

チームに新たな刺激を加えたのが、この試合が今シーズン初先発となったルーキーの武智洸史だ。内定選手として昨シーズンは合流直後から出場を重ね、主にディフェンス面で主軸となり活躍したが、今シーズンは山本と劉力賓のスーパーサブとも言うべき立場に回った。それも重要な役割ではあるのだが、選手である以上誰もが試合に出たい。学生時代も含め、「これほど試合に出る機会が少なかったのは初めて」と言う武智ももちろん同様だ。だからこそ、巡って来たチャンスは存分に生かす。そして何より、同じように「試合に出たい」という思いを抱きながらアップゾーンで各々の役割を果たしている選手のことも今は一番理解している。自らの役割を「まずはサーブレシーブ」と言いながらも、もっと強く、表現したいことがあった。

「(前日の)FC東京戦が終わった後、選手だけでミーティングをしました。僕も外から見ていて相手と戦うのではなく、その前にコートの中でストレスを抱えているように見えたし、少しでもその不満やストレスを解消したかった。その時に『もっと選手同士で会話をしたほうがいいんじゃないか』と思ったんです。コートの7人とベンチの7人が唯一しゃべれるのがタイムアウトやセット間。そこでお互いのコミュニケーションがうまくいっていなかったので、僕も今日ベンチからコートに入っていつも以上にコミュニケーションを取るよう心がけたし、いろんな選手にハイタッチをしたり、次はどうしたらいいか意見を求めることを意識しました」

点を取れば手と手を叩いて喜びを分かち合い、筧本や久原大輝がコートに向かう武智の背をポンと押す。一人一人の個が一つのチームになり、本来のプレーを発揮する。ヴェセリン・ヴコヴィッチ監督も「負けを切り替え、非常にいい形でゲームに入れた。ミドルブロッカーも活躍し、ディフェンスがよかった。みんなのメンタルが充実していた」と述べたように、連敗をストップさせるだけでなくチームとして自信を取り戻す重要な1勝となった。

仲間の悔しさと責任をすべての選手の力に変える

チームスポーツである以上、光の差す場所で華々しく活躍する選手もいれば、光は当たらずとも陰で懸命にチームを支える選手もいる。そしてその力こそがチームにとっては何より大切な要素であり、事実、ミドルブロッカーの安永拓弥は「試合前の声掛けや、試合中にもベンチからバックアップする筧本や久原の存在に助けられている」と言う。
「僕も昨シーズンは試合に出られなかったので、その悔しさはよく分かっているつもりです。だからこそ自分がコートに立たせてもらっている今は、そういう選手の思いも背負って戦いたいし、若い選手と、ベテランの選手をつなぐ役も今の自分がすべきことだと思っています」
そしてその安永の活躍が、ベンチにいる選手たちにとっても大きな力であり、刺激であり、活力でもある、と言うのは副主将も務める久原だ。
「ヤスさん(安永)のブロックがいいところで決まるとチームが本当に盛り上がる。昨シーズン出られなかった悔しさも知っているし、それでも一生懸命練習してきた姿も見ているので、僕らも試合に出られる機会は限られていても、それでも腐らず練習して成果を出そう、と頑張れる。頼もしい先輩方の背中を見て、僕らもやらなきゃ、と気合が入ります」

昨シーズンと同じ4位で臨むファイナル6。1試合1試合が重要で、負けられない戦いが続くプレッシャー。試合に出る選手はその重責を担うが、1人で背負うわけではない。互いが支え合い、助け合いながら、それもなれ合いではなく叱咤激励し、強く戦う集団として一丸となり立ち向かう。

一番強いチームが最後に頂点へたどり着く。そしてそれは俺たちだ、と信じV・ファイナルステージに臨む。

JTサンダーズ
JTサンダーズ