~たばこのポイ捨てや喫煙所のはみ出し防止に向け~
「仕掛学」を活用した喫煙所マナー向上プロジェクトが始動
大阪大学大学院 松村真宏教授と協業
2022/02/24
「仕掛学」とは、人の行動を変える仕掛けを対象にした学問です。つい試してみたくなる仕掛けにより、問題解決につながる行動を誘発する仕組みを見つけ、新たな仕掛けを開発する研究分野です。
本プロジェクトでは、松村教授およびパートナー企業とともに、マナー向上に向けた仕掛けを施した灰皿や喫煙所のアイデアの考案および開発に取り組みます。
仕掛学を活用した灰皿や喫煙所のアイデア例
1. パーテーション灰皿
花びら型の仕切りを備えた灰皿。灰皿のまわりをパーソナルスペース化し、その形状が持つ不思議な魅力により、吸う人を各パーソナルスペースに誘導します。一定の距離を保ちながら、一つの灰皿を複数人で使えるような仕掛けを施します。

2. 灰皿+マネキン
灰皿のすぐ隣に、独特なポーズをしたマネキンを設置。例えば、必ず灰皿にたばこを捨てようとするマネキンを設置することで、単に灰皿へ注意を引きつけるだけでなく、つい真似して、たばこを灰皿へ捨てたくなるような仕掛けを施します。

3. 光学迷彩型喫煙所
ミラーを用いた光学迷彩型喫煙所。光学迷彩を用いることで喫煙所が街の景観に溶け込むような仕掛けを施します。また、たばこを吸う人は周囲からの注目やミラーに映る自身の姿によって、今まで以上にマナーを守ろうとする意識が高まります。

今後は、自治体や企業の協力を得ながら、プロトタイプによる効果検証を行い、街中への実装を目指します。本プロジェクトに加え、JTはこれからもたばこを吸う人・吸わない人の双方を考慮した空間造り、そして双方が共存できる社会の実現を目指してまいります。
プロジェクトに関するコメント
大阪大学大学院経済学研究科 松村真宏教授
「今回のJTとの取り組みは、仕掛学にとっても新しいフィールドにチャレンジできる場と考えている。仕掛学の考えを活用した灰皿や喫煙場所を通じ、喫煙所におけるマナー向上だけでなく、ポイ捨てや路上喫煙といった社会問題の解決にも取り組んでいきたい。」
大阪大学大学院経済学研究科 松村真宏教授プロフィール

1975年大阪生まれ。大阪大学基礎工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。2004年より大阪大学大学院経済学研究科講師を務め、同大学院准教授を経て2017年7月より現職に。2004年にイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校客員研究員、2012~2013年にスタンフォード大学客員研究員も務める。著書に『仕掛学 人を動かすアイデアのつくり方』 『人を動かす「仕掛け」 あなたはもうシカケにかかっている』など。
仕掛学について
プロトタイプを用いた実験および議論の様子
JTは、仕掛学を活用した喫煙所マナー向上に向け、松村教授およびパートナー企業とともに実験に取り組んでいます。


