Interview

たばこ業界と自分自身の変化を楽しみながら仕事をしていきたい。

基礎研究Science Research

関根 崇Takashi Sekine

最新の科学動向を踏まえた生体影響評価手法の研究開発

研究現場からプロジェクトマネジメントへ、マネジメントのおもしろさに気づく。

2007年に入社してから6年間は、ヒト由来の細胞を用いて、たばこ製品の生物影響を評価する新規手法の開発に携わっていました。
当時はまだ世界的にも「たばこ製品のリスク低減とはなんぞや」という議論が開始された時期。そもそも、リスク評価の基準が定まっておらず、紙巻たばこのリスクをどのように評価するべきかという社内でのコンセンサスすらとれていない時代でした。

その後、研究員としてたばこ製品の評価試験を行いながら、所属部所の中長期計画の策定と、JTインターナショナル(以下、JTI)のRRP※に関するプロジェクトでプロジェクトマネジメントを担当していました。 この仕事をきっかけに、研究そのものだけでなくプロジェクトマネジメントなど、いわゆる企画系の仕事のおもしろさに気がつきました。

※Reduced-Risk Products:喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品

JTIへ異動、そして、仕事をしながら博士号を取得。

2017年3月に、ジュネーブにあるJTI へ異動。引き続き、RRP※におけるリスク低減の可能性に関するエビデンスを蓄積するためのデータ取得を企図したプロジェクトのマネジメントを担当することになりました。
ジュネーブで仕事をして学んだことは、意向を明確に伝える大切さと、グローバルにビジネスを見る視点。たばこ市場には多くの規制があり、その規制動向は国によって異なります。JTグループのビジネスとその各国の規制動向を連関させて予見する力が鍛えられました。

また、JTI在籍中の2019年7月には博士号を取得しました。JT R&Dグループは博士号取得を成長機会のひとつとしてサポートしており、海外赴任中も論文審査に係る出張などもバックアップしてくれました。私は国際学会に出席することもあるので、博士号という肩書きがあることで、これまで以上に貢献できるのではと考えています。

※Reduced-Risk Products:喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品

たばこを取り巻く環境と自分自身の変化を、柔軟に楽しむ。

2021年4月に帰国。現在は、最新の科学動向を踏まえた生体影響評価手法の研究開発に携わっています。
JTIへ出向していた期間は、研究者としてはブランクに。一方で、研究現場では身に付けられない強みを得ての復帰とも言えます。我々はアカデミアではないので、研究の専門家だけでは仕事が進みません。多様な考えと様々な専門性を持った人たちがチームとなることで、より高度な仕事ができる。まさに、多様な専門性が活かされるチームワークです。

私が関わる仕事は、短期間では答えの見えないものがほとんどです。また、その間にもたばこ業界を取り巻く環境は目まぐるしく変わり、伴って組織体制や仕事内容も変化していきます。たばこ業界に限らず、どんな業界も変化するもの。その変化を恐れるのではなく、しっかりと自分の意思を持ちつつ、時代や自身自身の変化を楽しみながら仕事をしていきたいです。