たばこR&D 業務の紹介
JTで働く人とその仕事


- 新しい製品を創り出す「製品開発」の仕事
- 「製品開発」とはアイデアを形にすること
- 研究開発員のチームワークが必要不可欠
- 味・香りにこだわり試行錯誤を繰り返す
新しい製品を創り出す
「製品開発」の仕事
R&Dの仕事は「戦略策定」、「基礎研究」、「技術開発」、「製品開発」、「研究開発支援」の大きく5つに区分されます。今回は、“新しい製品を創り出す”「製品開発」の仕事について紹介します。

「製品開発」とは
アイデアを形にすること
「製品開発」の役割は新商品のコンセプトを具体的な形にすることです。いくらコンセプトが素晴らしくても具現化できなければ、お客様の手にお届けすることはできません。新商品のコンセプトは、商品のマーケティングを担うR&Dとは別の組織が企画します。
「製品開発」はまず、商品のマーケティングの担当者から、新商品のコンセプトやイメージを聞き取り、そのコンセプトが実現可能か、実現するためには何が必要か検討するところから始まります。場合によっては、R&Dから新しいコンセプトを提案することもあります。

研究開発員のチームワークが
必要不可欠
商品コンセプトを具現化するために必要な要素を抽出した後、次に取り掛かるのは、たばこ製品を構成する原料・材料の検討です。R&Dには、原材料毎にそれぞれを専門とする研究開発員がいて、彼らが並行してそれぞれ開発を行っていきます。たばこ製品は、シンプルな構造に見えますが、実はたばこ葉、香料、フィルター、巻紙、包装用の箱やフィルムなど非常に多くの原材料で構成されており、さらに加熱式たばこでは加熱用デバイスの回路やソフトウェアが必要となるため、関わる研究開発員も多数になります。研究開発員が各々の作業だけを自分のペースで進めていては、良い製品はできません。原材料は互いに影響し合うため、他を専門とする研究開発員の意見を聞いたり、実験結果をシェアしたり、連携をとって作業をすすめることが不可欠です。R&Dの職場は堅苦しさがなく、自律性と柔軟性、そしてチームワークを尊重する組織です。そのため、製品開発の現場では、専門性を越えて、若手社員とベテラン社員が立ち話するなど意見交換する姿をよく目にします。
味・香りにこだわり試行錯誤を
繰り返す
そして、原材料を検討した後、これらを組み合わせてプロトタイプを製作し、味・香りや製品としての信頼性、品質の確認を行っていきます。お客様にお届けする製品として信頼性や品質の担保はもちろんのことですが、たばこ製品の中核である味・香りは特にこだわりを持って完成を目指します。R&Dの仕事では、多くの科学知見を活用しますが、残念ながら、あらゆる科学技術をもってしても、未だ、完璧に人が実際に感じる味・香りを定量化することはできません。そのため、研究開発員が自らの五感を駆使して味・香りの確認を行います。ちなみに、R&Dには味・香りを構成する成分や人間の味嗅覚に関する基礎研究を行うチームがあり、味・香りを感じる機構を解明することにもチャレンジしています。プロトタイプの味・香りを試した結果、少しでも狙っていた味・香りと異なっていた場合は、原材料の検討を繰り返し、再度、プロトタイプを製作し、味・香りの確認を行います。このように何度も検討を重ね、完璧な味・香りを具現化していきます。この繰り返し作業は、2~3回で終了することもありますが、ときには何十回にも及ぶこともあります。お客様に感動いただける製品を完成させるためには、諦めず試行錯誤を繰り返す粘り強さが必要です。
このようにして、「製品開発」は進んでいき、新商品の具現化に必要な要素がすべて揃えば、開発は完了します。前述した以外にも、多くの仕事があります。例えば、商品を具現化するにあたり、他社の特許を抵触していないかを確認したり、開発過程で導き出した技術が権利化できそうであれば特許出願を行います。また、製造工場の製造ラインの適性も考えなければなりません。これまですべての商品コンセプトの具現化に成功したわけではありません。中には採用されなかったものもあります。しかし、私たちR&Dは難題に当たったときこそ、腕が鳴ります。実現不可能を可能にし、お客様に感動いただけるような製品を開発すること、これこそが「製品開発」という仕事の醍醐味です。
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