2021/02/18

COLUMN

V・レギュラーラウンドは
2位でフィニッシュ
連覇に向け、いざ最終決戦へ

上位をキープし、V・ファイナルステージへ挑むJTマーヴェラス。今シーズン敗戦を喫している対戦相手に対してどう戦うのか。

NEC、東レの敗戦から得られた課題

2020年から2021年へ。さまざまな苦難や我慢を強いられた1年から新たな年を迎え、心機一転、終盤を迎えたV・レギュラーラウンド、さらにはその先のV・ファイナルステージへ向けチーム力が問われる時。

連覇へ向けた「挑戦者」と位置づけ臨む今シーズン、試合によって好不調の波があるとはいえ常に上位につけ、安定した戦いを見せてきたJTマーヴェラスだが、喫した黒星はすべて、現在首位を走る東レアローズ、そして同じく上位争いを繰り広げるNECレッドロケッツ。すべての試合、すべてのチームに勝利した先が日本一である以上、V・レギュラーラウンドとはいえ、同じ相手に二度敗れるわけにはいかない。

だが、相手からすればJTマーヴェラスは紛れもなく昨シーズンの王者であり、超えなければならない存在でもある。当然ながらこれまでの対戦データや、課題、反省を活かし、十分な策を練り長所を潰すべく、さまざまな策を仕掛ける。

1月16日のNEC戦は、まさにそんな一戦となった。
第1セットを先取されたものの、2、3セットを取り返し勝利まであと1セット。しかし後がない状況からJTマーヴェラスが誇る攻撃に対し、NECは驚異的とも言うべき粘りを発揮。ブロックタッチからレシーブにつなぎ、エースが決める。まさに思惑通りとも言うべき展開に持ち込まれ、第4セットを失ったJTマーヴェラスは一度渡した流れを引き寄せることができず、フルセットの末、NECに今シーズン2敗目を喫した。

悔しい敗戦であることを受け止めながらも、吉原知子監督は「とても手堅く、いいバレーボールをされた」と相手を称えながらも、だからこそ見えた克服すべき課題にも言及した。
「ここまで選手たちはたくさん悔しい思いをしてきて、ようやく皇后杯(天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会)で勝つことができたり、自信になっているのも確かです。でも、だからといってまだ強いわけではないし、勝てるようになってきたからこそ、もう少しスキルを上げないといけない。やってきたことを出し切れるようになっているとは思いますが、まだもう1回、見直していかないともう1つ先にはいけない。今日のNECさんの姿勢にならって、負けないようにやっていかなければならないと感じています」

そして、迎えたV・レギュラーラウンド最終節。ベイコム総合体育館(兵庫)でのホームゲーム、すでにV・ファイナルステージ進出を決めていたJTマーヴェラスは、最終戦で東レと対戦。ここまで負けなしの20連勝を誇る相手を止めることができるか。ファイナルの行方を占う、大事な一戦の序盤は東レに主導権を握られ、1、2セットを失う苦しい展開を強いられた。

得点源のアンドレア・ドルーズにブロックで高さを誇る外国人選手を当て、抜けたコースにリベロを配置する相手に対し、3セット目から投入されたセッターの柴田真果はドルーズだけでなく、田中瑞稀のバックアタックも織り交ぜ、少しでもドルーズへのマークを減らすべく丁寧なセットアップでスパイカーの高さを活かし、追い上げに転ずる。先に東レがマッチポイントに到達するも、相手の攻撃をブロックでタッチ、リベロの小幡真子やレシーバーで投入された目黒優佳がつなぎ、最後はドルーズが決め、ジュースにもつれた攻防は30点を超えた。

たとえ2セットを取られていても、このセットを取り返せば勝てる。まるで劣勢とは思えない、そんな自信すらみなぎる選手たちの表情に、逆転を信じ、ホームのスタンドからはあたたかな拍手が沸き起こる。

だが、最後はドルーズのスパイクがアウトとなり30-32。激闘を制することができず、悔しい敗戦となったが、ドルーズは「また次に東レと戦うために、仲間を信じて、モチベーションを上げて臨みたい」と言葉に力を込めた。

特別なシーズンだからこそ「勝つ姿で恩返しを」

V・レギュラーラウンドを終え、16勝4敗。敗れた4戦が、セミファイナルで対峙するNEC、ファイナルで対峙する可能性が高い東レであることを含めれば、不安を抱く人もいるかもしれない。

だが、思い出してほしい。何度も何度も逆境から這い上がり、そのたびひと回りもふた回りも上回るような強さを見せてきたのがJTマーヴェラスだということを。

試合を重ねる中でも新型コロナウイルスは変わらぬ猛威を振るい、感染が確認されたチームのみならず、発熱者が出て急遽欠場を余儀なくされたチームもある。大事に至らなかったことを安堵する一方、対戦相手として、さらには会場設営など準備を重ねてきた立場から見れば、オンとオフ、スイッチの切り替えも難しかったのは否めない。

さらに今シーズン、特に終盤へ差し掛かるにつれて感染予防の観点からリモートマッチも増えた。選手からすれば応援してくれる人たちの存在を身近で感じることができず、寂しさを感じることもあるかもしれないが、バレーボールやスポーツに関わりが薄い人たちや、今現在困難を強いられている人たちから見れば、この大事になぜ試合をするのか、と思われることもあったかもしれない。

でもだからこそ、その責任と覚悟を持ってコートに立つ。そう言うのは、主将の小幡真子だ。
「この状況下でもバレーボールができるということ。その感謝を示すためにも、私たちができる、見せられるのは勝つことです。勝つことがいろいろな人への恩返しになると思うし、見ている人にも何かを伝えられるようなプレーを見せて、例年以上に意味のあるゲームをする。そのために、自分たちの質を上げることが、私たちにできることであり、やらなければならないことだと思っています」

間もなく、連覇をかけた大一番を迎える。
まさに一戦必勝。大事な2連戦に向け、芥川愛加が言った。
「たとえどんな相手と戦うことになろうと、自分たちのバレーボールをどう表現して、応援してくださる方々に見せられるか。ここまで、簡単に勝てる試合は1試合もなかったし、決勝まで行く道のりも険しいと思いますが、だからこそ、みんなで力を合わせることでしか、上には登れない。勝ち続けているチームには勢いがあるけれど、私たちも苦しいところを何度も乗り越えてきました。だからこそ一人一人が後悔のないようにできる準備をして、神様に試されていると思って、残り2戦、頑張りたいです」

いざ、最終決戦へ。仲間と、応援してくれる人たちの力、そして自分自身を信じて――。
最後に笑うのは、私たちだ。