2021/10/14

INTERVIEW

「2021-22 V.LEAGUE」開幕直前!
小幡真子主将インタビュー

「2021-22 V.LEAGUE」開幕直前! 小幡真子主将のインタビューをお届けします。

連覇を達成した昨シーズン、初優勝のシーズンとは違う課題や収穫など振り返ってどんなシーズンでしたか?

昨シーズンは日本代表の活動期間も短く、チームに関われる時間が長かったのはプラスでもありましたが、私の性格上、勝ちたいから周りに対しても強く言ってしまう。そこで人の意見を聞いたり、あえて言わなかったりすることがどれだけ重要か学んだシーズンでした。
チーム全体としてはトモさん(吉原知子監督)が監督に就任した頃からの選手が徐々に抜け、下から這い上がる難しさ、苦しさを知っている選手も少なくなってきたので、認識の違いに苦労した面もありました。

勝ちたいと思うのは同じでも、勝ちにこだわる認識が違ったり、正直に言うとチームが発足してから9月頃まではあまりいい状態ではなかった。私自身は最悪のことを考える性格なので「入替戦(V・チャレンジマッチ)に回るかもしれない」と思ったほどです。それでも、勝つべき時、大事な試合が近づけば近づくうちに、みんなが役割を理解して、果たすことができたから最後にまとまることができたと思います。

小幡選手は「挑戦」と何度も言っていました。あえて口に出し続けた真意は?

優勝した、勝ったことはもう過去のことなので、それよりも今自分たちが目指しているところはどういうところなのかというのをみんなにも自分にも植え付けたかったんです。「私たちは女王なんだ」という雰囲気を消し去りたかったし、そもそもJTマーヴェラスというバレーボール部が発足して以来連覇の経験はない。そこに挑戦したいというシンプルな気持ちもあったし、吉原監督が現役の頃は4連覇、5連覇していた時期もあった。
私だけではそういう言葉が出てこなかったと思いますが、監督から「一回勝つことよりも二回、三回勝つことが難しいし、価値があるものだ」と言われていたので、今までよりも一つレベルを高くやりたいと思い、「挑戦」をチームの合言葉にしてきました。

昨年末に開催された皇后杯を初制覇。リーグ優勝の前にタイトルを獲得しました

V.LEAGUE2020-21シーズンで大きなターニングポイントが令和2年度 天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会でした。リーグ戦の決勝も同じ場所で行われることがわかっていたので、あそこで負けていたら「ここで負けた」という不安が植え付けられてしまったと思うし、皇后杯に向けてチームとしてもスイッチが変わったと思います。選手もスタッフも「絶対に取りに行こう」という雰囲気で、決勝で対戦する東レアローズさんへの対策もしっかりできていました。
勝ったこと自体もよかったですが、皇后杯を戦いながらチームとしてのメンバー起用や戦い方のオプションが増えたのも収穫でした。ただ、選手によっては次に向けてすぐ切り替えられた選手もいれば、勝ったことに喜んで満足してしまう選手もいる。そういう温度差を立て直さなければいけない、というのは少しありましたね。

その後、間もなくリーグが再開し、皇后杯の優勝からリーグ連覇まで、チームはどのように変化していきましたか?

第3Leg最後の試合が東レさんで、ボロボロに負けたんです。その夜、2時間ぐらいミーティングをして、私自身が思うこと、選手一人ひとりが思っていること、全員が発言する時間をつくったんです。私自身もチームに対してこうしてほしいということを伝えて、「自分は強い人間ではないから、私一人でもアニー(アンドレア・ドルーズ選手)一人でも勝てない。うちの良さは外も中も一体になって恨みっこなしで応援したりプレーできたりすることだよね、そういうところが準決勝、決勝で出るのが一番だと思う」と。
別の選手は「怖い」とか「めちゃめちゃ緊張しています」とか、逆に「楽しみです」という選手もいたり、「ここまでこんなに苦しかったのに、負けたらどうしようという気持ちもあります」という選手もいたり、みんなが飾らず本音で話してくれた。そこから1週間の練習は一人ひとりが勝ちにこだわっていたし、役割が明確になりました。V・レギュラーラウンドの最後に東レさんに負けて、チームみんなの力を引き出すために、ミーティングで一つにまとまった印象があります。

決勝も1セット取られてからの逆転勝ちでした

25点を取りに行く、というのではなく“1点の25セットマッチ”という意識で1点に集中して、切り替える。割り切って試合ができていたと思うし、そういう時のJTマーヴェラスは手がつけられないと思います。実際にこんなプレーができるの? とか、こんな時にこんな発言できるんだ? と驚かされることも多かったです。1点を取りに行く。その繰り返しが徹底できている時のJTマーヴェラスは本当に強いな、と感じました。

連覇を達成して、小幡選手はリベロとして初のMVP。どんな感情でしたか?

私が勝たせないと、と思っていたので、勝った瞬間は役目が果たせてよかった、と思いました。主将だし、リベロですので点は取れないですけど勝てなかったら自分のせいだと思っているし、周りの人を生かすも殺すも私。見えない力が結果につながって安心しました。
個人的なことを言うと、昨年の皇后杯後に祖母が亡くなって、祖母の遺影を(田中)美咲さんに持ってもらっていたので、優勝を見せられたのは嬉しかったです。

MVPについては、選ばれた時は正直、「何で私?」と思っていたし、アニーにもそう言ったら、「私は去年取ったから、今年はマコで来年は私。順番だよね」と言われて(笑)。試合後の記者会見では仲間が「取るべき人が取った」と言ってくれて、その言葉がシンプルに嬉しかったし、同時にMVPをいただいたことで、自分自身、選手としても主将としてもまだまだ足りないものがあると、改めて感じました。

連覇に向け今シーズンが始動、小幡選手は日本代表の活動期間でチームを離れる期間も長くありましたが、合流して今の状態をどう見ていますか?

正直に言えば、自分が到達したい階段にはまだ立っていない気がしています。もともと最悪のことしか考えない性格なので、自分がよしと思えるまでやらないと不安材料がなくなってくれないのですが、まだまだ課題が多いな 、と感じます。たとえばサーブレシーブに入るメンバーが違う時の隣に入る選手との関係や、1本目の質も気になります。若い選手が増えて、みんなすごく意識が高い選手が多いのですが、V・チャレンジリーグから上がってきた時の本当の悔しさや不甲斐なさを知らない子が多いので、どれだけ苦労して上がってきたかという覚悟はまだまだ足りない。
若くても熱い思いを持った選手たちなので、現実を受け止めて未来を想像する力。今の自分はこうなっていて、このままだと未来はこうなる。それじゃダメだからもっとここを頑張ろう、準備しよう、と未来を想像して行動につなげていってほしいと思います。

言葉をかける際、若い選手にどんな伝え方をしていますか?

プレーも大事だと思いますが、私はJTマーヴェラスに入ってきたからには人間力を磨いてほしいと思っています。出会えた人、出会えなかった人がいて、本当はこの人と一緒にやりたかったけれど辞めてしまったので叶わなかったとか、いろいろ巡り合わせがあります。
その中で私が主将をしていて、トモさんが監督をしている時にJTマーヴェラスへ入ってくれて、出会えたことも運命だと思うし、そういうことにもいちいち感謝できる人になってほしいです。

人それぞれいろいろな意見があることを批判するのではなく、受け止めたうえで「それもいいけれど、私はこう思うからやってみよう」という器の大きさも必要だし、それは仮にバレーボールをやめてからも大事な要素になると思うんです。人として仲間を尊敬できる人、輝かせられる人間力を勉強してほしいし、もしも自分の言葉でうまく伝えられなかった時は、私は読書が好きなので「この本よかったから読んで」と本を渡したりしています。

チームとして、今シーズンの目標を教えてください

チームとしては3連覇しよう、この一つだけです。皇后杯、黒鷲旗 全日本男女選抜バレーボール大会もありますが、トモさんが言われたように一回勝つことと勝ち続けることは雲泥の差があると感じました。甘い気持ちで「3連覇できるだろう」と錯覚を起こしてしまう時期もあるかもしれませんが、そこで修正するのが主将ですし、すぐ気づいて行動しないとどんな落とし穴が待っているかわからない。
他のチームも補強していたり、勝つために必死でやってきたりしているので、それでも負けない練習、人間関係を築くこと。3連覇に向けて挑戦する気持ちを忘れず、常に去年の自分たちを超えるためにどういうプレーが必要か、高い意識を持って臨みたいと思います。

小幡選手個人としての目標は?

どちらかといえば自分はサーブレシーブのほうが得意なので、オポジットに外国人がいる場合はフロントレフトの選手が狙われる分、サーブレシーブで周りの仕事量を減らしていきたいです。昨シーズンに続いてブロック&ディフェンスをチームとしても強化しているので、どんどんレシーブを上げていけるように前と後ろの連携もしっかりやって、オーバーセットを増やして行きたいと思っているので、セットの質も上げられるようにしたいと思います。

さまざまな世界大会が開催され、他競技にも関心や注目が集まる中、バレーボールの魅力を伝えるためにJTマーヴェラスのどんなところを見てほしいですか?

JTマーヴェラスというチームは1点を取るために全員が役割を全うしているチームです。拾うべき人が拾い、トスを上げる人が上げ、打つべき人が打つ。それは誰にもできることではなく、1点を取るためにどれだけの人が苦労しながら動いているかを見てほしいですね。選手、スタッフ、コート内外、全員が一つになった時は本当に強いし、見えないところでつながっているチームなので、そういうところも見ていただきたいです。
そして、学生時代はレギュラーでバリバリに出ていた選手ばかりが集まるV.LEAGUEで、試合に出られなくなれば誰しも落ち込む中、そういう感情も乗り越えて、たとえ試合に出られなくてもチームが勝つためにどう動けばいいかを全うしている姿も見てほしいですね。

みんな攻撃だけでなくディフェンスもできる選手ばかりで、1点が決まると点数を獲った人以外の選手も誰より一番喜んでいる。そういう姿からでも周りの選手は勇気をもらえていると思います。ぜひ会場で試合を観戦される際は、得点を獲るまでのプレー、一つ一つの精度や、当たり前にできることこそが一番難しいプレーなのでそこにも注目して頂けると更にバレーボールの面白さを発見してもらえると思います。

最後に応援してくださる方々へのメッセージをお願いします

JTマーヴェラス関係者の方々、JTマーヴェラスファンの方々は本当に温かい方ばかりで、いい時も悪い時も共に戦ってもらっている印象がすごく強いです。だからこそみなさんが嬉しいと思うのは勝った時だと思うので、勝つことへのこだわりは今年もしっかりやっていきたいです。
今年のスローガンは「覇動」と自分たちで決めたのですが、日本のNo.1から世界No.1の意識の高さを持つこと、今の自分たちを超える、という意味をこめたので、見てくださる方々に「このチームすごいな」と思ってもらえるような、強くて優しい良いチームであることを見せたいと思いますので、ご声援よろしくお願いします。今シーズンも、覚悟を持って戦い切りたいと思います。