2023年度一回戦第二局

対局結果

一回戦第二局 (中国大会)

109手にて菅井八段の勝利

開催日:7月8日(土)
会場:岡山県総合グラウンド ジップアリーナ岡山

菅井竜也八段

斎藤慎太郎八段

大盤解説:久保利明 九段 聞き手:北村桂香 女流二段 読み上げ:伊藤明日香 女流初段

勝者の菅井八段は、9月9日(土)に行われる「二回戦第二局」でシード棋士の藤井聡太JT杯覇者と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・久保九段の講評

対局前の両者のコメントの根底には、2002年の「将棋日本シリーズ こども大会」岡山大会で、高学年部門準優勝が菅井八段(当時小4)と、低学年部門優勝が斎藤八段(同小3)が、初めて出会ったという縁がある。

菅井八段は「地元で昔から応援してもらった方々に自分の成長を見てもらえるのがうれしい。斎藤八段は奨励会入りも一緒で、昇級昇段も大体同じ。そういう同世代の棋士と競い合うことで自分も強くなれる。お互い瞬発力を発揮して、いい将棋を指したいと思います」と意気込みを語った。

一方の斎藤八段は「公開対局は普段以上にモチベーションが上がりますが、それを意識しすぎないようにしたい。菅井八段は同世代のライバルというよりいつも先を走っている人という感じで、将棋に真摯に向かい、指し手に闘志が見える棋士です。

明日は一生懸命勝負を追求して、対局を楽しんでもらいたいと思います」と抱負を語った。

振り駒は抽選で選ばれた来場者が行い、歩が4枚で菅井八段の先手と決まる。

先手は初手▲5六歩からゴキゲン中飛車。後手は二枚の銀を繰り出して先手の飛車を封じ込めようとするが、先手は▲6五歩以下猛然と襲いかかる。その後も難しい中終盤戦が続く中、斎藤八段に勝ち筋も生じたが、最後に勝利したのは菅井八段。

103手目▲8五桂~▲4五飛が見事な寄せだった。勝った菅井八段は2回戦で藤井JT杯覇者と対戦する。

大盤解説の久保九段の講評は以下の通り。

先手のゴキゲン中飛車に対し、斎藤八段が超速プラス袖飛車という工夫を見せました。8筋を突かないのを生かした構想です。ただ30手目△5五歩と止めた手に▲6五歩から反発したのが振り飛車らしい捌きで、▲6五飛と切って▲5五角は優劣はともかく振り飛車ペースになったと思います。

そこから簡単に土俵を割らないのが斎藤八段で、お互いの持ち味が出た大熱戦になりました。詳しく調べないと本当のところははっきりしません。両者一進一退の熱のこもった将棋でした。

最後菅井八段の▲8五桂~▲4五飛が鮮やかな寄せでしたね。実は92手目△4三歩のところで、△1六桂▲同香△3八成香▲同金△1九角▲同玉△1七香以下先手玉が詰むらしいのですが、それは後付けの話。この熱戦に水を差すものではありません。

勝利棋士・菅井八段のコメント

序盤、超速に袖飛車という珍しい形になりました。斎藤八段の研究だと思います。そうは言ってもこちらもこどもの頃から中飛車は何千何万と指してきています。まったく見たことがないということはないんです。

だから何か同世代のライバルと古い将棋を指しているような感じになりました。▲6五飛~▲5五角で少し指せるかなと思いましたが、48手目△5四銀と引かれてみると大変かなと。

手がわからなかったので、▲2五銀と喰らいつきました。その後もお互いずっと難しい将棋でしたが、最後▲4五飛と打って勝ちになったと思いました。

次は藤井JT杯覇者ですか。今一番強い相手ですが、叡王戦でやられましたからそのリベンジをしたいと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

菅井八段
斎藤八段
(持ち時間各10分間)

まで手で先手の勝ち

消費時間=10分10分