2023年度二回戦第一局

対局結果

二回戦第一局 (信越・北陸大会)

147手にて永瀬王座の勝利

開催日:8月19日(土)
会場:新潟市産業振興センター 展示ホール

永瀬拓矢王座

山崎隆之八段

大盤解説:鈴木大介 九段 聞き手:竹部さゆり 女流四段 読み上げ:山根ことみ 女流二段

勝者の永瀬王座は、10月21日(土)に行われる「準決勝第一局」で二回戦第二局勝者と対局!!

  • タイトル・段位は2023年対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・鈴木九段の講評

対局前の両者のコメントでは、永瀬王座は「『JTプロ公式戦』は和服を着て大勢の方の前で公開対局で行う棋戦で、棋士として気が引き締まる思いがします。20代前半の頃、大阪に行って関西の棋士と研究会をやったことがあり、山崎八段とも指したことがあります。

山崎八段は早指しを得意とされていますが、こちらとしては自分のパフォーマンスを出し切ることが大切だと思っています」と意気込みを語った。

一方の山崎八段は「『JTプロ公式戦』は出たくてもなかなか出ることのできない棋戦で、まず出場できることを光栄に思っています。永瀬王座とは若いころに研究会をやっていました。

勝つのが大変な一人で厳しい相手ですが、超早指しというところにチャンスがあるのではないかと考えています。永瀬王座を慌てさせるような展開にできればと思っています」と抱負を語った。

振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が4枚で永瀬王座の先手と決まる。

角換わりの予想を見事に裏切り、大模様を張る山崎流の序盤を見せ、力戦形の戦いとなる。封じ手以降、先手陣の立ち遅れを衝いて山崎八段が攻め込むが、永瀬王座は決め手を与えない。

91手目▲4八桂という意表の受けで完全に後手の攻めを受け止めた永瀬王座は、最後は▲1四香や▲6四飛という決め手を放ち、二回戦進出を決めた。

大盤解説の鈴木九段の講評は以下の通り。

永瀬王座が先手なら角換わりという予想でしたが、山崎八段が大模様を張る序盤作戦を見せました。まるで昭和の将棋のような感じです(笑)。確かに先手は3八に上がった銀を封じ手で▲4九銀と引いていますから、立ち合い負けしています。

山崎八段は歩を突き捨てまくって開戦します。しかし簡単に土俵を割らないのが永瀬王座たる所以。山崎八段にも迷いがあってミスがあったとのこと。極めつけは91手目▲4八桂で、これで後手の攻めは完全に止まりました。

優勢になってからは、受け潰しの永瀬ワールドになりました。最後は▲1四香や▲6四飛といった鮮やかな決め手で勝利したのはさすがでした。お互いに「らしさ」を見せた一局だったと思います。

勝利棋士・永瀬王座のコメント

後手の山崎八段が工夫を見せて類例のない戦いになりました。封じ手の局面では、3八に上がった銀が使いにくい形になってしまい、失敗したかなと思っていました。後手から開戦され、途中、形の上では銀得になってもその銀は使わされていますから、あまり良い感じはありませんでした。

好転を感じたのは91手目▲4八桂から二度目の▲3六桂打のところです。最後は▲6四飛で決めることができて良かったです。

次は準決勝の大阪大会ですが、まだ相手も決まっていないので。またいい将棋がお見せできるよう頑張りたいと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

永瀬王座
山崎八段
(持ち時間各10分間)

まで手で先手の勝ち

消費時間=10分10分