2023年度二回戦第二局

対局結果

二回戦第二局 (熊本大会)

118手にて
藤井JT杯覇者の勝利

開催日:9月9日(土)
会場:グランメッセ熊本 展示ホールC・D

藤井聡太JT杯覇者

菅井竜也八段

大盤解説:豊川孝弘 七段 聞き手:伊藤沙恵 女流四段 読み上げ:水町みゆ 女流初段

勝者の藤井JT杯覇者は、10月21日(土)に行われる「準決勝第一局」で永瀬拓矢王座と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・豊川七段の講評

対局前の両者のコメントでは、藤井JT杯覇者は「熊本は今回初めて来ました。九州新幹線に乗りましたし、先程リアルくまモンに会えて感激しました(笑)。

『JTプロ公式戦』は時間の短い棋戦なので、集中することが大事で、決断も求められます。菅井八段は切れ味鋭い振り飛車党で、早指しも得意なイメージがあります。観戦いただくみなさんに楽しんでいただけるよう頑張ります」と意気込みを語った。

一方の菅井八段は「熊本は数年前に将棋合宿に指導棋士として来たことがあります。私も今回くまモンに会えて良かったです(笑)。藤井JT杯覇者には叡王戦で痛い目に遭わされました。

そこから4カ月ほど経ってどこまで改善できているかということですね。今、振り飛車を指す棋士は多くはないのですが、振り飛車の良さを多くの人に知ってほしいという気持ちです」と抱負を語った。

振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が3枚で菅井八段の先手と決まる。

菅井八段は四間飛車を選択。居飛車が左美濃に構えるのを見て、振り飛車側は穴熊に。先手の攻めを封じ込めようとする藤井JT杯覇者と、それを突破しようとする菅井八段によるせめぎ合いの中盤は見応え充分。

手厚い指し回しでリードした藤井JT杯覇者が勝利し、「JTプロ公式戦」連覇に向け、好発進となった。

大盤解説の豊川七段の講評は以下の通り。

振り駒で先手となった菅井八段は三間飛車ではなく四間飛車でした。序盤▲5六銀が後手の構えを尋ねるかけ引きで、△4四歩なら相穴熊もありえましたが、後手は△2四歩~△2三玉として左美濃に受けました。

感想戦で菅井八段は中盤でのミスを悔やんでいましたが、藤井JT杯覇者はリードしてからは、82手目△7六角、88手目△2二金と逆転を許さない盤石な指し手でさらにリードを広げます。最後は自陣の飛車を活用して、穴熊を攻略。

菅井八段の攻めを見切って勝利しました。藤井JT杯覇者の手厚い指し回しに対し、菅井八段もカルサバ(軽い捌きの意)の達人ですから、中盤その両者の応酬はものすごく見応えがありました。面白い大熱戦だったと思います。

勝利棋士・藤井JT杯覇者のコメント

序盤▲5六銀のとき△4四歩なら普通ですが、玉の位置がまだ3二だったので、△2四歩~△2三玉なら手損しないから(まあいいかという感じで)左美濃にしました。とにかく菅井八段に食いつかれないように警戒しながらの指し手で、途中は自信がありませんでした。

82手目△7六角で先手の飛車を取れる形になって、少し指せるかなと。解説でホメてもらった△2二金は、秒読みであわてて指した手です(笑)。とにかく10カ月ぶりの「JTプロ公式戦」だったので、感覚を思い出しながら指しました。

初戦に勝ってホッとしています。準決勝は大阪大会になりました。大きな会場だと思いますので楽しみです。永瀬王座は強敵ですが熱戦にしたいと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

菅井八段
藤井JT杯覇者
(持ち時間各10分間)

まで手で後手の勝ち

消費時間=10分10分