2024年度一回戦第一局
対局結果
一回戦第一局 (東北大会)
144手にて稲葉八段の勝利
開催日:6月29日(土)
会場:夢メッセみやぎ 展示ホールA・B
伊藤 匠叡王
稲葉 陽八段
勝者の稲葉八段は、8月3日(土)に行われる「二回戦第一局」でシード棋士の永瀬拓矢九段と対局!!
- タイトル・段位は対局時点のものです。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・戸辺七段の講評
対局前の両者のコメントでは、伊藤叡王は「『JTプロ公式戦』はこどもの頃から憧れていた棋戦ですので、出場できることを大変うれしく思います。公開対局では大勢の方に見ていただくので、身が引き締まります。
稲葉八段は早見え早指しの実力者です。時間の短い棋戦で決断力が必要になると思いますが、内容の良い将棋をお見せできるよう頑張ります」と意気込みを語った。
一方の稲葉八段は「『JTプロ公式戦』は公開対局で棋士として大変やりがいがありますので、一局でも多く戦いたいと思っています。伊藤叡王は序盤の研究が深いので、そこで立ち遅れないようにしたい。
また終盤の粘りもすごい。そんな強い相手とこの『JTプロ公式戦』で戦えるのは棋士冥利に尽きます。自分の力を発揮できるよう頑張りたいですね」と抱負を語った。
振り駒は抽選で選ばれた来場者が行い、歩が4枚で伊藤叡王の先手と決まる。
後手番の稲葉八段はいわゆる早石田と呼ばれる三間飛車を採用。対して先手の伊藤叡王は早めに▲4五歩と仕掛けてあまり前例のない展開に。直後の31手目▲6六角を伊藤叡王が悔やんだ。▲7七角ならば飛車で切られる展開にならず難しかったようだ。
振り飛車ペースながら伊藤叡王も決め手を与えずじりじりとした中盤戦が続くが、稲葉八段が120手目馬を切って決めに行き開幕戦勝利。伊藤叡王はタイトル獲得後の初戦を白星で飾ることはできなかった。
大盤解説の戸辺七段の講評は以下の通り。
前日に予想した稲葉八段の振り飛車が実現してホッとしました(笑)。伊藤叡王が仕掛けた局面で早めに封じ手にしたのは、先輩棋士のアドバイスがあったからで、いいところで出せたのかなと。
感想戦で伊藤叡王が「31手目は▲7七角でしたか」と言っていましたが、それなら難しい将棋でした。38手目△6六飛と先手の角と切り違えて振り飛車ペースになったと思います。勝つまでは大変ですが後手は指し手がわかりやすい。
伊藤叡王をもってしても巻き返すのが至難の業でしたが、必死にしがみついて大熱戦にしたのはさすがでした。稲葉八段は118手目△8四香~△7八馬以下そのまま寄せ切りました。見事な勝利だったと思います。
勝利棋士・稲葉八段のコメント
後手番で早石田は珍しいかもしれませんね。自玉が7一なのでひやひやしていました。やはり後手なので一手違うので。
封じ手の局面は難しいと思っていましたが、△7六飛~△6六飛で先手玉のこびんが空いて少し指しやすいのかと。得した桂香を使っていけばいいので。
とはいえ伊藤叡王には終盤粘られて逆転負けを食っているので、慎重に行きました。結果的に勝ってホッとしています。次またもう一局指せるので、それが一番うれしいですね。
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで144手で後手の勝ち
消費時間=10分10分