RESULT2025年度一回戦第二局

対局結果

一回戦第二局(東北大会)

103手にて山崎九段の勝利

開催日:6月28日(土)

会場:夢メッセみやぎ 展示ホールA・B

後手丸山忠久九段

先手山崎隆之九段

大盤解説:島 朗 九段​ 聞き手:山田久美 女流四段 読み上げ:高浜愛子 女流初段

勝者の山崎九段は、8月16日(土)に行われる「二回戦第二局」でシード棋士の渡辺 明JT杯覇者と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・島九段の講評

対局前の両者のコメントでは、丸山九段「『将棋日本シリーズ』は持ち時間が短くて、いい手を指せるかミスをしてしまうか一手一手わからない棋戦ではありますが、公開対局ということで多くの方に見ていただける励みになる棋戦です。皆さんがハラハラするような、熱のこもったいい将棋を指せればと思います」と意気込みを語った。

一方の山崎九段「『将棋日本シリーズ』は46回、テーブルマークのこども大会も24回と長年支えられています。こども大会は将棋の普及や文化継承だけでなく、保護者の将棋へのご理解をいただけるようになった大会だと思います。
明日はこどもたちや将棋ファンに面白くて熱い戦い、そして将棋での礼儀作法などを見ていただけたらと思います」と抱負を語った。

本棋戦の振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行う。振り駒はと金が3枚で、山崎九段の先手に決まった。

対局は初手▲7八金という変わった出だしで始まった。力戦の相居飛車となり、ともに居玉のまま戦いに入る。互いに技を駆使して、一手指したほうがよく見える乱打戦で戦況が目まぐるしく動く。

終盤で丸山九段の攻めが止まった。その瞬間を見逃さずに山崎九段が一気に畳みかける。▲4四銀不成からの突進が、攻めながら先手玉を広くするうまい手順。

最後は▲5二歩が「一歩千金」の決め手で山崎九段の勝ちが決まった。

大盤解説の島九段の講評は以下の通り。

面白い将棋でした。山崎九段が5筋の位を取る間に丸山九段は居玉のまま動いて、うまく戦機をつかんだ気がします。封じ手で候補手をいくつか示しましたが、どれも先手の自信がないと思っていましたから。

▲1六飛に△2四角もありましたか。先手は後手の厚みに押しつぶされる恐れがあります。本譜は山崎好みの打ち合いになりました。

終盤の▲4九金に感想戦で示された△4八歩は考えにくい手でした。それよりも△4六飛に▲5三銀から▲4七歩の組み立てを逃さないのが山崎さんのセンスですね。

▲5三銀を利かすことで、終盤に▲4四銀不成から8八の角をさばくことができました。勝ちにくい将棋を勝つ山崎さんらしい乱戦をまとめる力が際立ちました。

勝利棋士・山崎九段のコメント

先手のときは丸山九段の一手損角換わりになると思い、ほかの棋士が早繰り銀を指していたので調べていました。

有力に思いましたが、即興で指して対応できるものかなと。対局を待っている間に、以前後手番で本局のような作戦をやっていたなと。

「村田システム」の将棋になりましたが、中途半端な駒組みにして失敗したと思いました。

▲6八銀はミスで△3六歩をうっかり。すぐに▲1五飛でした。終盤の▲5三銀に手応えはなく勝負手でした。△4三金に予定の▲5七歩では△4九銀不成で勝てません。

考慮時間があったのが幸いしました。△4一桂も動揺しましたが、やはり考慮時間を使って▲4四銀不成が勝ちとわかって救われました。

次戦の渡辺JT杯覇者は私たちの年代では唯一タイトルを取っている突き抜けた存在です。はっきり格上で厳しい戦いです。本局のようにギリギリの戦いになるよう食らいつきたいです。

動画

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

山崎九段
丸山九段
(持ち時間各10分間)

まで103先手の勝ち

消費時間=10分10分