RESULT2025年度一回戦第三局

対局結果

一回戦第三局(北海道大会)

101手にて広瀬九段の勝利

開催日:7月26日(土)

会場:札幌コンベンションセンター 大ホール

先手広瀬章人九段

後手豊島将之九段

大盤解説:野月浩貴 八段​ 聞き手:本田小百合 女流四段 読み上げ:久津知子 女流三段

勝者の広瀬九段は、8月30日(土)に行われる「二回戦第三局」でシード棋士の永瀬拓矢九段と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・野月八段の講評

対局前の両者のコメントでは、広瀬九段「地元札幌での対局ということで緊張感があります。最近は自分自身がしっかりパフォーマンスを発揮できるかに重点を置いています。公開対局の中で、来場された皆さまや動画配信で観戦されている全国各地の方々に、面白いと思える将棋を指せるよう頑張ります」と意気込みを語った。

一方の豊島九段「早指し戦なので、普段よりも集中力を高めて、決断よく思い切りよく指していけたらと思います。多くの方に観戦していただける機会なので、いいモチベーションになります。普段やっていることを出しきって、いい将棋をお見せできるように頑張ります」と抱負を語った。

本棋戦の振り駒は来場者から抽選で選ばれた方が行っている。今回は歩が3枚出て、広瀬九段の先手に決まった。

戦型は相掛かりとなり、後手番の豊島九段が飛車を中央に転じる積極策を採用する。

▲8二角で催促された豊島九段は、△2五歩から駒損覚悟で激しく攻めかかる。先手の歩切れを突いて龍と香の交換をする△5七龍が豊島九段渾身の勝負手で際どい終盤戦に入った。

広瀬九段は豊島九段の攻めをかわしながら反撃の準備を整えると、▲7三桂成の決め手を放って勝ちを決めた。

大盤解説の野月八段の講評は以下の通り。

広瀬九段が先手なら相掛かりの可能性が高いと思いました。広瀬九段の封じ手▲6六銀から▲7七桂は積極策と思いきや、▲8二角で香取りを見せて相手の攻めを呼び込んだのは緩急自在でした。

中盤は一手指したほうがよく見える展開で、互いにギリギリで均衡を保ちながらスリリングな指し手が続きました。△5四香では、△6四香▲6五銀△5四香が有力だったかもしれません。

本譜の進行は▲6六金から▲4九銀で銀を犠牲にして、▲6五桂を間に合わせたのが秀逸でした。△7九成香の局面で時間を残していたこともあって、▲7三桂成で勝利につなげました。

中身の濃い将棋だったのは間違いありません。二人の持ち味が出て、とても面白い一局でした。

勝利棋士・広瀬九段のコメント

相掛かりは予定でした。▲2五飛の高飛車は、先手の組み合わせが多いのでやってみようと思いました。

封じ手の▲6六銀に△2四歩と突いてくると予想して、▲7七桂から▲8二角で引っ張り込むのが強い指し方と思いました。本譜は先手が指せるという判断でした。

△5五龍に▲5四歩は後手が△同龍とするなら妥当な攻めだと思います。ただ、▲5七香と打つ形を過大評価しすぎて、△5七龍と切られる手をうっかりしていました。△5九成香に代えて△6九銀不成も怖かったですが、それにも▲6五桂のつもりでした。

本譜は上部開拓も兼ねて、いちばんいい形で▲7三桂成が実現しました。

2回戦の永瀬拓矢九段とは「JT杯」では初めての対戦です。実績のある後輩棋士との対戦が続きますが、今日のように一手一手しっかり考えて、思いきりよく指すことを心掛けたいと思います。

動画

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

広瀬九段
豊島九段
(持ち時間各10分間)

まで101先手の勝ち

消費時間=10分10分