あなたにとって「心の豊かさ」ってなんですか? 徹底的に考え抜く、JTグループ社内イベント「Dサミ」 とは⁉

「心の豊かさ」を対話する ――「Dサミ」、今年も進行中!
2024年から始まった、JTグループ内で開催されているイベント「Delightful Pitch Summit」、通称「Dサミ」。これは、従業員それぞれが考える「心の豊かさ」を突き詰めて探求し、その内容を経営陣へプレゼンテーションする……という取り組みです。人が集まるイベントが大好きな私は、今年も「Dサミ」への募集が始まったと聞いてワクワク……!
そんな中、前年の参加者がプレゼンした「心の豊かさ」が、プロダクトや催しの形になって進展しつつあるという情報をキャッチ。 早速、取材に向けてリサーチを開始しました!

「心の豊かさ」を起点に、従業員の探求をサポート
JTは「心の豊かさ」実現に向けた研究活動や、創造に向けた取り組みを行っています。その一環として実施しているのが、2024年から始まった「Dサミ」。従業員が個々人の「心の豊かさ」へ徹底的に向き合い、対話することを目的としたイベントです。応募者が考える「心の豊かさ」を実現しうるなら、プロダクトやイベントなどのアイデアでも、研究テーマでも、個人的な想いでも、なんでも応募OK! また、JTグループの従業員なら所属の会社にかかわらず誰でも応募が可能です。おのおのが思う「心の豊かさ」を掘り下げ、数回の選考を経て、最終選考ではJTの経営陣に想いを直接プレゼンします。
Dサミの大きな特徴は、単なるビジネスコンペではないこと。大賞受賞者だけでなく、「心の豊かさ」の実現に寄与できそうな想いや、今後「心の豊かさ」を実現するアイデアの種になりそうなテーマに対しては、会社がその実現や探求を支援します。対象となった従業員は、新規事業を創出する部署へのインターン権を得られ、費用面などのサポートも受けられます。
昨年応募された、香りやリラクゼーションがテーマの「心の豊かさ」へのアイデアは、具現化に向けて実際に動き出しているのだとか。そこで、これらを提案した、加藤万由(かとう まゆ)さんと栗田実咲さん(くりた みさき)さんにお話を聞きました。

キーワードは「ありのまま」。二人がたどり着いた「心の豊かさ」
そんな中でDサミが始まって、自分のこの想いをぶつけてみたい、と思ったという経緯です。もともとJTに入社したのは、たばこを含めた嗜好品に心惹かれ、「世の中をあっと言わせるような、人の心を豊かにする新しい嗜好品をこの手で作りたい」という想いがあったから。Dサミは、この想いの具現化にぴったりのイベントでした。

そんな私の応募内容は、加藤さんのようなプロダクトではなく、研究テーマです。私にとって、「心の豊かさ」とは「目の前のことを五感で捉え、“今この瞬間”を味わう」こと。 水や風といった自然の事象を五感で感じるとリラックスし、「今」という瞬間に没頭できるのでは、と仮説を立てたんです。いわゆる瞑想に近い発想なのですが、瞑想にはトレーニングが必要です。でも、誰もが無意識に五感で感じられるようになればもっと心豊かに生きられるのでは、と仮説を検証するための研究テーマとして提出しました。現在は、この内容をさらに深めて、具体的なイベントを考案し、実行したところです。

そんな中、久しぶりにアメリカに行き、サンディエゴの海の“あの潮の香り”が鼻に通った瞬間、自然と涙が溢れてきました。どこかしら、その香りが私を抱きしめ、慰めてくれて、「私の居場所・原点はここにあったんだ。」と胸がいっぱいになったんです。前を向くにも向けない時、自分を見失ってしまいそうな時、過去の記憶と再びつながることで、もう一度歩き出すきっかけをつくりたい──そのように考え、思い出の香りを保存・再現できるディフューザーを提案しました。
後から振り返れば、リラックスして五感が優位になったことで、「今」を味わい、目の前のことを冷静に捉えられるようになったのかもしれません。でも、そんな体験がきっかけとなって、私なりの「心の豊かさ」が定義され、Dサミの提案へ行き着きました。


お話を受けて、「呼吸する休憩所」とサウンドバスという取り組みをコラボするイベントを企画・実行しました。サウンドバスとは、天然の水晶でできたクリスタルボウルと呼ばれる打楽器などの演奏を、全身で没入して聞く体験のこと。これにより、リラクゼーションや癒し効果を図ります。
イベント当日は、子どもから大人まで、本当に幅広い世代の方々にご参加いただきました。会場で、深い呼吸を誘うクッション「fufuly」をそっと抱きながら、サウンドバスの音の世界に身を委ねる……言葉ではない、無意識の“感覚”として、心がふっと休まる時間を味わっていただくことが、この企画の狙いでした。終了後のアンケートでは、ほとんどの方が「頭で考えるのではなく、五感で感じていた」と回答。音と呼吸に包まれることで、“意識しない深呼吸”が自然に生まれていたことに、私たち自身も驚かされました。
目の前にあるものを、真っすぐ五感で受けとめ、“今この瞬間”を味わう――そんな「心の豊かさ」を、ほんの少しでも届けられたのではないかと、静かに、でも確かに、小さな手ごたえを感じています。

自己受容の過程では、自分の弱さを見つめることも必要で、痛みもあります。でも、自分の考え方を捉え直していく中で、失敗してもいい、あの時の苦しい気持ちには意味があった、などと考えられることはとても豊かなことですし、これからの時代の強さになっていくと思っています。

どんな「心の豊かさ」が飛び出すか、今年の「Dサミ」にも期待
お二人の話を聞いていて何より印象的だったのは、「心の豊かさ」について話す時の楽しそうな表情! つらい原体験を糧にしながら、自身にとっての「心の豊かさ」に向かって真っすぐに進む姿勢は、頼もしく見えました。また、お二人の取り組みが広く展開されていけば、まだ見ぬ新しい「心の豊かさ」を、さまざまな人に届けられそうです。
「心の豊かさ」は人それぞれ。だからこそ、JTグループ従業員がそれぞれの考える“豊かさ” に向き合い、それに基づいたアイデアや想いが飛び出してくるDサミに、私は心引かれるのかもしれません。今年のDサミは、どんな形の「心の豊かさ」が登場するのでしょう? 期待してしまいます!
