有名店とのコラボ冷凍商品開発の裏側を聞いてみた!

テーブルマークは、人気ラーメン店とコラボした冷凍麺を展開。味の再現という難しさがある開発の裏側には、担当者が店舗を訪れてコラボ先を選び、調理方法も取り入れるなど、こだわりがありました。テーブルマークの高い製麺技術と開発者の情熱が、本格的な一杯を家庭に届けています。本記事ではその舞台裏に迫ります。

読了目安時間:約7分

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手軽に本格的な味わいが楽しめる、便利でおいしい冷凍食品

 

こんにちは!こころノート編集部のゆみです。ラーメンが大好きな私。SNSで気になるお店をチェックして、ラーメン店巡りをするのは楽しいひとときです。でも忙しいと、なかなかお店に行けないことも……。「ああ、ラーメン店の味が恋しい」って、悶々としちゃいます。そんな時、JTのグループ会社であるテーブルマークからラーメン店とコラボした冷凍商品が発売されたんです!

 

店舗の味を手軽に自宅で楽しめるのはありがたいし、訪問できなかった遠方のラーメン店の味をトライアル感覚で楽しめるのも魅力ですよね。

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店頭に並ぶ“コラボ商品”はどうやってつくられる?

 

今回発売されたのは、冷凍麺「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」と「天理スタミナラーメン監修 スタミナラーメン」。それぞれ神奈川県川崎市と奈良県天理市を中心に展開し、地元に愛されているチェーン店です。

 

そもそも、こういったコラボ商品はどうやってつくられるのだろう? テーブルマークは、うどんやお好み焼といった自社開発の冷凍食品も多いけれど、それらと企画意図や開発の仕方、こだわっている点は何か違うのだろうか?商品開発の裏側を知りたくなり、テーブルマークへ取材に行きました!

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試行錯誤を重ねて、愛される商品づくりを

 

まず、お話を聞いたのは、マーケティング戦略部でコラボ商品を手がける戸田菜々美(とだ ななみ)さん。

 
ゆみ: 今回の人気店とのコラボ商品、さっそく食べました! テーブルマークはこれまでにもコラボ商品を販売していますよね?
 
戸田さん: はい。テーブルマークがコラボ商品に力を入れるようになったきっかけは、コロナ禍でした。「それまで外食でラーメンを食べていたけれど、お店に行くのが難しくなった」というお客様の声から、自宅で店舗の味を楽しめないか、と考えました。
 
ゆみ: コラボするお店はどうやって決めているんですか?
 
戸田さん: お客様のニーズを踏まえつつ、実際にお店に足を運んで純粋に「おいしい!」と思ったお店から選んでいます。私はそれほど熱狂的なラーメン好きではなかったのですが、商品開発担当になってからはリサーチのために毎日ラーメンを食べています。最近はガッツリとしたスタミナ系ラーメンのニーズが高いので、今回は東の元祖ニュータンタンメン本舗、西の天理スタミナラーメン、というラインアップですが、もちろんどちらも私自身がおいしいと感じてコラボを打診しました。
 
ゆみ: 重視するのは味だけでしょうか? 交渉しやすそう……とか?
 
戸田さん: それはないですね(笑)。いつも交渉は真正面から行っています。︎テーブルマークの製麺技術の高さは、食べてもらえば絶対に納得してもらえますから。麺にこだわりがある分、その取り扱い量も他社と比べて圧倒的に多いです。コラボ商品で使用する麺も、小麦粉の種類や、麺の切り方を工夫し、コラボ商品一つ一つで専用のものをつくっていて、麺だけでなく、スープもお店と遜色ないレベルに仕上げていると自負しています。味以外に重視するものといえば、お店の雰囲気。お客さんの表情をチェックして、地域に愛されているかどうかを探っています。その地域で愛されているお店の味を全国に広める──それがコラボの意義でもあります。
 
ゆみ: コラボというからには、味の再現性がポイントになると思います。
 
戸田さん: それが楽しくもあり大変でもあり……。その分、監修先のお店のファンの方や、お店には行けないけれど食べたかったお客様から「おいしかった!」というお声をいただくと、うれしいですね。
 
ゆみ: それぞれの商品の味のこだわりなども聞かせてください! まずは「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」から教えてください。
 
戸田さん: はい。ここからは、開発担当の筑紫美帆(ちくし みほ)さんと一緒にお答えできればと思います。
 
筑紫さん: 開発担当として、味づくりと商品設計を担当しています。
 
ゆみ: 味づくりはなんとなく分かるのですが、商品設計って……?
 
筑紫さん: 量産が必要な家庭用冷凍商品にとって欠かせない役割で、試作した味を工場でも再現するための製造用レシピを考えています。
 
戸田さん:元祖ニュータンタンメン本舗のタンタンメンは、ベースとなる深い味わいに加えてニンニク、唐辛子とパンチのある素材が絶妙なバランスで調和しています。筑紫さんには何度も何度も試作品をつくってもらいました。
 
筑紫さん: 麺とスープをそれぞれ作っても、実際に組み合わせたときの味が最終的な完成形。何通りも麺・スープを掛け合わせて、20回ほど試作しました。今回の商品はガラスープにもこだわっており、豚のガラでも清湯系なのか白湯系なのかで味の出方が変わります。また、唐辛子はお店と同じ産地のものを使うなど、材料を吟味しています。パンチある味わいと甘みのバランスも難しく、試作品をお店に持って行って、お店の方の意見を聞きながら詰めていきました。
 
ゆみ: ……そこまで試作と試食を繰り返しているとは思いませんでした。
 
戸田さん: 加えて冷凍食品は凍結を経て届けられるものですから、それも考慮しないといけません。何度もつくり直してもらって、私は筑紫さんに嫌われたかもしれません(笑)。
 
筑紫さん: コラボ商品は正解の味がある分、難しさがありますね。こだわって仕上げた商品の味を、実店舗の味が好きな方々はもちろん、近くに店舗がなくなかなか行きづらいというお客様にも、楽しんでもらいたいです。
 

元祖ニュータンタンメン本舗より

カップ麺でのコラボ商品監修は過去にあったのですが、冷凍食品での監修は初めてで、新たな挑戦にワクワクしました。試作を重ね、満足のいく商品に仕上がり、特にテーブルマークさんならではの麺は、商品との相性も良く、自信を持っておすすめできる一品です。まだ当店をご存じない方にも、ブランドを知るきっかけとして楽しんでいただき、ぜひ店舗にも足を運んでいただければうれしいです。

 
戸田さん: 天理スタミナラーメンの開発は、坂本誠司(さかもと せいじ)さんにご担当いただきました。
 
ゆみ: 天理スタミナラーメンの店舗では、具材を炒めてそこにスープを入れている……とお聞きしました。
 
坂本さん: その通りです。ですので、今回のコラボ商品の鍋調理は、具材と濃縮スープを一緒に調理する方法を採用しています。
 
戸田さん: 天理スタミナラーメンは「野菜の旨味とスープ味わいが一体」になっているのがおいしいですよね。そのおいしさを再現するのを目指しました。
 
坂本さん: 監修先からテーブルマークにはない知見を学ぶことが多いのはコラボ商品開発の特長でもあり、我々が得られるメリットともいえますね。
 
ゆみ: 実際の方法を取り入れることで、味の再現性も高まるんですね。難しかった点は何でしょうか?
 
坂本さん: 冷凍食品はコスト面での制約もあり、監修店とまったく同じ原料を使うことはできません。監修店に足を運び、ヒアリングを重ね、「ここだけは外してほしくない1番目のこだわり」を最優先とし、可能な限り「2番目のこだわり」「3番目のこだわり」も再現していきます。今回は、麺の細さにもこだわっているお店でしたので、0.1mmレベルで追求しました。
 
ゆみ: さすが麺に自信があるテーブルマークですね。味のポイントは何でしょうか?

 
戸田さん: この商品では単に辛いだけではない、豆板醤やだしのコクが再現できていると思います。

 
坂本さん: そうですね、具材を炒めたうまみにだしのコクが加わって、幅広い層に受け入れられる味に仕上がりました。

 

天理スタミナラーメンより

以前から今回のようなコラボ商品に興味があり、お声がけいただけてうれしかったです。コラボでは、天理スタミナラーメン・テーブルマークのお互いの強みを生かした魅力的な商品が誕生したと思います。ご家庭でも簡単に調理ができるので、「天スタ」の味を手軽においしく楽しんでもらいたいです。

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リスペクトとこだわりが詰まった商品で「心の豊かさ」を提供していく

 

「手軽に専門店の味を食べたい」という期待をかなえるために、テーブルマークは高い技術力とこだわりを持って商品を開発しているんですね。また、何度も試作を重ねてお店の味を再現するという、監修先への深いリスペクトと情熱も感じました。

携わる人々の想いが詰まった商品を、手軽に、好きな時に食べる。それが「心の豊かさ」につながるのかも。お話を聞いていたらまた商品を食べたくなってきました。帰りにスーパーに駆け込みます!

profile

担当社員の
ひとことプロフィール

戸田菜々美さん。テーブルマーク 戦略本部マーケティング戦略部所属。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、夫と神奈川県の三浦半島へ行ったこと。まぐろカツを食べたり、海を見たり。ゆっくりとした時間を過ごせて、幸せを感じたそう。

※プロフィール掲載内容は2025年7月の取材当時のものです

筑紫美帆さん。テーブルマーク 戦略本部商品開発部所属。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、友人から写真付きで担当する商品の感想をもらえたこと。仕事でお客様の声を直接聞く機会が少ない分、うれしさが大きく、「またおいしいと思ってもらえる商品をつくろう」と思えたとのこと。

※プロフィール掲載内容は2025年7月の取材当時のものです

坂本誠司さん。テーブルマーク 戦略本部商品開発部所属。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、妻とレンタカーを借りておいしいもの食べに行った時。子どもが独り立ちし、週末に二人でリフレッシュする時間を大切にしていきたいそう。

※プロフィール掲載内容は2025年7月の取材当時のものです

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