喫煙所が海底や宇宙空間に⁉ 没入型の空間映像体験「Ploom Dive」の仕掛け人を取材

喫煙所を海底や宇宙に変える「Ploom Dive」は、最新テクノロジーを活用した体験型コンテンツ。非日常の没入空間で「心の豊かさ」を届ける挑戦について、企画の立ち上げから今後の展望まで語っていただきました。

読了目安時間:約7分

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喫煙所の退屈さを、テクノロジーで解消⁉

 

街を歩いている途中、一息つくためにいつもの喫煙所に立ち寄りました。先客で混み合う中、身を縮め、白い壁を眺めながらひと休みしたものの、今ひとつ休まった気がしない……。早々に喫煙所を後にしてしまいました。

 

そんな気持ちを引きずったまま、休憩の続きをするためにふらっと立ち寄ったのが「Ploom Shop」。そこでは、「Ploom Dive」というものを提供していました。なんだろうと思って見てみると、装着型ディスプレイのApple Vision Proを使ったコンテンツでした。まるでその空間に自分が入り込んでいるような、立体的な映像を体験できるのだそう。休憩のついでに、と僕も試してみましたが、その映像のリアルさや迫力に感動……! 今までに経験したことのない時間を過ごすことができました。

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リアルな没入感を味わえる「Ploom Dive」の空間映像

 

その後に調べたところ、「Ploom Dive」は、没入型の空間映像を体験できるJTのオリジナルコンテンツということが分かりました。第1弾では「海底」、第2弾では「宇宙空間」をテーマとしたコンテンツが提供されています。でも、こんな最新テクノロジーを駆使したコンテンツを、なぜ喫煙できる場所で展開しているのでしょうか?

 

「Ploom Dive」の裏側を知りたくなった僕は、企画・制作に関わったお二人、IT部の加藤さんと、たばこ事業部でマーケティングに携わる坂井さんに取材しました。

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最新テクノロジーを駆使して、これまでにない価値提供に挑戦

 
ゆうと: 喫煙所を非日常空間に一変させてしまう「Ploom Dive」。この取り組みが生まれたきっかけはなんですか?
 
坂井さん: 私の所属するチームでは以前から、Ploom Shopという制限のある空間の中でも、より快適で心豊かな時間を提供できないか……という課題感を抱いていました。そんな時にタイミングよく、IT部の加藤さんが空間映像の体験企画を持ち込んでくれました。企画を見て、すぐに「やってみたい!」と思いましたね。
 
加藤さん: 私たちIT部では、常日頃から新技術を探索し、「JTグループ内のビジネスでどのように活用できるだろうか?」と考えを巡らせています。また、実際に活用できそうなものは、さまざまな担当部署に紹介しています。そんな折、Apple Vison Proが近々日本で発売されると聞いていち早く体験し、そのリアルな没入感に驚いたことが、話を持ち込むきっかけになりました。先ほど坂井さんがおっしゃっていた、喫煙所に関するたばこ事業部のニーズを事前に把握していたこともあって「このデバイスは使えそうだ!」と、ピンときたんです。
 
坂井さん: 私も加藤さんに紹介してもらってからApple Vison Proを実際に体験し、その映像品質の高さに驚かされました。担当しているPloom Shopでは、足を運ばれたお客様の満足度向上を追求しています。このデバイスを使えば、「ここでしかできない」新しい体験価値を生み出せると確信しました。
 
ゆうと: お二人とも、可能性を感じたのですね。新たな価値提供ができる魅力的な喫煙所の存在は、分煙の促進にもつながりそうだなと思います。加藤さんの持ち込みがあった後は、どのように企画を進めていったんですか?
 
加藤さん: 空間映像を活用してどのようなアプローチができるのかを、私たちのテクノロジーに関する知見と、たばこ事業部が培ったマーケティングの知見を持ち寄って、ディスカッションを重ねました。
 
坂井さん: 一番議論に時間をかけたのは、この技術を通じて私たちは「何を提供すべきか」という点です。考えた末にたどり着いたのが、非日常的でワクワクする体験をお届けしよう、という方向性でした。リアルな空間映像から誰もが感じられる驚きと楽しさ、面白さを提供し、「心の豊かさ」を感じてほしい。この考えを核にして、「Ploom Dive」のテーマ設定やコンテンツづくりを進めました。
 
加藤さん: 現実では起こりえない状況を高精度に再現できるのがこの技術の魅力。ありえない体験を提供してこそやる価値があるし、それこそが「心の豊かさ」につながると考えたのです。
 
ゆうと: そんな模索の末にリリースされた第1弾のコンテンツのテーマは「海底」。美しいサンゴや目の前で泳ぐ熱帯魚に大きなクジラまで、全てがリアルだったし、美しさと迫力が同居していて……。新鮮な驚きと感動がありました。
 
坂井さん: 「喫煙所として、絶対にあり得ない場所はどこだろう?」と検討の末、第1弾では「海底」というテーマにしたんです。
 
加藤さん: コンテンツの実際の制作は、坂井さんと外部の制作会社で進めていただきました。完成後に私も体験して、海底空間の開放感や見上げると広がる海面のきらめきなど、秀逸な表現に感心しました。
 
坂井さん: 非日常空間で満たされた体験を提供するには、「リアル」であることが最大の鍵。海中にいるやサンゴの質感や色味、熱帯魚の種類ごとに異なる細かな動きなど、ディティールにこだわり抜いて没入感を高めました。そのかいもあって、体験いただいた約9割の方からご好評をいただき、「心豊かな時間を届ける」という目的は達成できました! 加藤さんにアイデアを提供いただいたおかげです。
 
映像制作:Graffity株式会社
 
ゆうと: この取り組みはIT部とたばこ事業部の協業によって生まれたものですが、新技術の活用にあたって、加藤さんはどんなことを意識しているのですか?
 
加藤さん: 私たちが新技術を各部署に持ち込む時は、単に技術をアピールするのではなく、事業には何が必要か、どんな課題感を抱えているかについて、常に想像を巡らせています。そうすると、持ち込んだ先の部署も前向きに考えてくれますし、企画の実現に向かって一緒に走っていけます。事業への理解の大切さを、今回改めて実感しましたね。
 
ゆうと: 事業における深い理解と連携が斬新なアイデアを生み出すきっかけになっているのですね。今後の「Ploom Dive」への想い、展開予定について教えてください。
 
坂井さん: 7月から展開している「Ploom Dive」第2弾では、5月末から発売されている新商品「Ploom AURA」のビジュアルコンセプト「ビッグバン」にちなんで、「宇宙旅行」をテーマにしています。
 
加藤さん: 第2弾はジェスチャーで宇宙船を動かせるんですよね。視覚と動作が連動して、さらに進化しました。ITが加速度的に発展し、リアルとバーチャルがシームレスにつながっていく中、今後は触覚や嗅覚といった五感を刺激する新たなデジタルデバイスが登場すると予想されます。リアルだけではできない体験を通じた高揚感やワクワクを、JTグループのさまざまなビジネスを通して届けられるよう、IT部も最新情報を共有していきます!
映像制作:Graffity株式会社
 
ゆうと: 新たなコンテンツが生まれることを楽しみにしています! 最後に、今後の展望を教えてください。
 
加藤さん: テクノロジーを業務効率化に活用することも大事ですが、やはりそれだけでなく、これまでにない価値をお客様に届けるために事業にどう生かし、どんな豊かさを社会に届けられるかを追求し続けたいですね。まずはIT部がアンテナを高くして新技術の情報をキャッチし、気付きを各部署へとつなげ、連携しながら新たな価値創出に挑戦したいと思います。
 
坂井さん: 私は、人がモノやコトに対して感動する時の感情の始まりは「すごい!」や「いいな!」というささやかな高揚感だと考えています。「Ploom Dive」も、そんなストレートな感動体験をたくさん届けられるコンテンツにしたいと思います。そのために、これからも固定観念にとらわれず、新たな「心豊か」な体験を提供するための探索を続けていきます。

 
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最新テクノロジーがもたらす、本当の豊かさとは

 

ITの進化で世の中はどんどん便利に、豊かになっています。ただ、テクノロジーは今あることを便利に改善するためだけではなく、これまでになかった新しい価値の創造に活用してこそ真価を発揮するということが、今回の取材で分かりました。また、単に「便利になったね」という感想ではなく「面白い!」という感動を生み出すものは、生活だけでなく、人に心の豊かさももたらすのだと実感しました。

取材したお二人も、感動を生む挑戦に大きな価値があると信じているからこそ、初の試みを実現できたのだろうと思います。これからもIT部と各部署の連携によって生まれるであろう“新しい価値”から目が離せません!

profile

担当社員の
ひとことプロフィール

加藤正人さん(左)。JT IT部。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、生成AIが寄り添うような言葉を使うようになったと感じた時。人間はどのような心の触れあいを求めているか、AIの発達を通じて改めて実感した。
坂井明日香さん(右)。JT たばこ事業本部 RRP商品企画部。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、甥っ子と久しぶりに対面し、切り分けたケーキの大きい方を「あげる」と譲ってもらった時。赤ちゃんの頃からの成長に感激。

※プロフィール掲載内容は2025年7月の取材当時のものです

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